編 笠 山 - 権 現 岳

期日 1998年(平成10年) 10月10日(土)〜11日(日)
 


コース・タイム
 10月10日(土)

   宇都宮(4:00) ⇒ 鹿沼IC ⇒ 羽生IC ⇒ 花園IC ⇒ 藤岡JCT ⇒ 横川SA ⇒ 佐久IC ⇒ 野辺山 ⇒ 清里 ⇒ 観音平(8:10)
    駐車場(8:20) → 観音平(8:30-57) → 休憩(9:27-32) →
      → 雲海展望台(9:55-10:08) → 青年小屋分岐(10:48-11:00) → 編笠山頂上(昼食12:55-13:30) → 青年小屋(13:50) 
   青年小屋(14:20) → 西岳(15:10-20) → 青年小屋(16:00)     夕食17:30〜    就寝19時

 10月11日(日)
   朝食5:45〜
   青年小屋(6:40) → のろし場(7:15)  →  ギボシ(7:50-8:00)  →  権現小屋(8:20-30) → 権現岳頂上(8:35-50) →
               → 三ツ頭山頂(9:50-10:00) → 木戸口公園(10:50-11:30) → 観音平(13:22) → 駐車場(13:30)
 駐車場(13:50) ⇒ 宇都宮(20:30)

同行者
   キクさん夫妻,チコ 

10月10日(土)

○ 登山口まで
 約束通り4時ちょうどにキクさん夫妻が到着。すぐ出発。鹿沼ICから東北道を南下,羽生ICで東北道を出る。まだ外は暗い。コンビニで朝食と昼食用のおむすびを調達する。この方が手軽でいい。
 
羽生,熊谷を経由して花園ICから関越道に乗る。熊谷付近の国道17号線はさすがに車が多い。藤岡JCで上信越道路に分かれ,横川SAで朝食。休憩所内は混雑しており,テーブルの確保に手間取った。食券を買うにも,カウンターで食事を受け取るにも行列ができており,我々のように食事を持ち込んだのは成功だった。
 
佐久ICで高速道を出,一路国道141号線を南下。天気は上々,八ヶ岳の山容が車窓に見え隠れするようになる。野辺山から,八ヶ岳横断道路に入り,「編笠山登山道」の標識がある観音平入り口を右折,急傾斜の山腹を登ると,観音平に着く。駐車場は満車で入れない。少し手前の「延命水」前のスペースに車を止める。予想外に早く着いた。

○ 編笠山から青年小屋へ
 支度をして歩き出したのは,8時20分,観音平グリーンロッジ前で「延命水」を補給。トイレも使って出発したのは9時少し前だった。これからの長い登りを考え,口数は少ない。
   ↓雲海
 樹林帯の登りは単調で変化が無く面白くない。だらだら登りで,ペースがとりにくい。先の長さを意識してか,無意識にペースが速くなる。40分歩いたら10分休みのペースで行こうと考えていたが,急斜面では,30分−10分くらいになってしまった。時間には十分余裕があったので,それでも問題はなかった。登りはじめから雲海展望台まで約60分。その先,青年小屋への分岐まで40分。時間的には快調な登りだった。
 
青年小屋分岐からは傾斜も強くなり,ペースも落ちた。自分自身あまり余裕が無くなってきた。高度を上げてくると,木々の間から南アルプスの山容が姿を現すようになり,富士山も雲の切れ目にその稜線を見せるようになった。頂上までは3回の休憩を含めて約2時間かかった。
   ↓押手川分岐 ここで直接青年小屋に向かう道を分ける



 頂上からの眺望はすばらしく,登りの苦しさを解放してくれるのに十分な,迫力あるものだった。特に,八ヶ岳の各嶺々が個性的な姿を見せてくれた。左奥の,どこか日光男体山に似た優しい形の蓼科山に始まり,なだらかな頂の硫黄岳,大きな岩のコブが連続する横岳,そして周囲を抑えて威風堂々とそびえる主峰赤岳,手前左に阿弥陀岳,そして赤岳の右側には明日登る権現岳。富士山には絶えず雲が懸かっており,なかなか全体像を見せてはくれなかった。
  編笠山頂上↓


 編笠山の頂上は大きな岩がごろごろしたなだらかな広場で,大勢の登山者を収容するのに十分な広さがあった。陽射しはあるが風が冷たく,さすがに高山だなと感じさせた。編笠山の海抜高度は2524m,日光白根山(2577.6m)とほぼ等しい高さである。

 青年小屋への下りは雨裂(ガリー)の直降で,段差が大きく降りづらい。下り始めるとすぐに青年小屋の石おき屋根が目に飛び込んでくる。小屋近くの斜面は,大きな岩がゴロゴロしており,その上を,岩に付けた赤ペンキを目印に降りていった。



 時間と体力に余裕があったので,西岳往復をすることにした。往復に約2時間かかった。
西岳からの眺望も又すばらしかった。北西方向には諏訪湖が見え,その先には乗鞍岳が見えた。
   
↓西岳頂上                                                ↓西岳から見た権現岳


 小屋に戻ってから水場まで往復し水筒を「乙女の水」で満たした。午後4時を過ぎると,急速に冷え込んできた。暖房がないと厳しい状態だ。
 小屋にはいると,2時頃から飲みだして,すでに酔っぱらっているグル−プが,大声で歌を歌っていた。夜遅くまで騒がれたのではたまったものではないが,今の内ならまあ許せる範囲だ。(このグル−プかどうかは分からないが,翌朝トイレの小便器の中に,吐瀉物がたまっていた。ここまで来ると許せない。)
 夕食までの時間,
缶ビール(350ml缶500円)と途中のコンビニで調達したウイスキーで,今日一日の無事と検討を讃え合った。空気が薄いせいかアルコールの廻りは早い。次第に辺りが暗くなった頃,自家発電による電灯が点いた。窓の外に見える権現小屋にも灯が点った。
 夕食は
部屋毎のグル−プで何回かに分けて交代でとった。私たちは最初の組だった。夕食は,山小屋としては質・量ともまあまあだった。薄暗い中で,夢中で食べた。
 7時には床に入った。足下に
こたつがあり,熱くて足を伸ばせないのには閉口した。ひと寝入りして目を覚ますとまだ11時だった。それから朝まで,うとうとしていた。夜半には風が強く,雨戸をがたがたさせ,戸の透き間から風が吹き込んで顔を冷やした。窓の外ではキツネの「ギャッ」という鳴き声が何度か聞こえた。午前2時頃トイレに起きた。トイレの窓から星が2つ見えた。朝方には風はおさまった。


10月11日(日)

 5時ごろから起き出す人が出始め,
5時半頃には半分以上が起きた。キクさんが起きだし,お湯を沸かした。ポットに入れ,お茶を入れてくれた。
 「
富士山が見える」と言う声に小屋の外に出で見ると,半分ほど明るくなった空に,雲一つない富士山がシルエットで雲海に浮かんでいた。思わずカメラのシャッターを切ったが,多分暗くて写っていないと思う。(次の日の朝のニュースで,このとき富士山が初冠雪だったと伝えていた。)青年小屋からは,雲海に昇る朝日は見られなかった。
 朝食は5時45分。尾瀬の小屋等とは違い,さすがに
「登山」を目的とする山小屋は朝が早い。身支度をして小屋を出たのは6時30分。

○ 権現岳へ
               ↓青年小屋
 出発6時40分。長袖シャツの上にヤッケを着た。思ったほどには寒くないが,足下には長くのびた霜柱がしっかりと立っている。気温は4℃以下か?

 思いっきりスローペースでスタートする。少し登って振り返ると,
北アルプスから中央アルプス,南アルプス,富士山まで大パノラマが展開していた。これほどの透き通った空気の中のパノラマは経験がない。「感動」等という平凡な言葉では到底表現し尽くせない。30分ほど歩いて,体が温まってきたところで小休止してヤッケを脱ぐ。のろし場まで上がってくると見晴らしが一気に開ける。ギボシで休憩。ここで見た360度の大パノラマは脳裏に焼き付いて離れない。

 遠くにありながらくっきりと見える北アルプスのスタートは白馬。左にたどって剣,立山槍ヶ岳からの稜線は一つ一つの山々が懐かしさを持って確認できる。なんと言ってもどこから見ても槍の穂は天を突いて存在を誇示している。そこからキレットを経て北穂高岳,唐沢岳,穂高岳山荘のある白出のコル,そして日本第3の高峰奥穂高岳に高まり,前穂高岳をへて急激に下がっている稜線。
 その左には
乗鞍岳,更に左には木曾の御嶽山がそれぞれ,特徴的な稜線を見せていた。乗鞍岳の遙か後方には加賀の白山の姿も見える。


  中央アルプスは木曾駒ヶ岳を中心に大きな固まりとしてどっしりと構えている。



 → 青年小屋の向こうに編笠岳,遠景は中央アルプス 


 更に目を左に移すと,南アルプスの山容が手の届きそうな近さで展開している。甲斐駒ヶ岳,右奥に仙丈岳,左前に日本第二の高峰北岳,さらにその左前には鳳凰三山

 
霊峰富士は夜明けから全く変わらぬ存在感で姿を見せ続けている。何と,日本の最高峰,第2位,第3位の山が一望に見渡せたのである。


 ←富士山が虚空に浮かんでいた。



 東には三ツ頭の頂があり,権現岳へと稜線が続いている。更に左には,キレットを挟んで主峰赤岳が文字通り赤茶けた岩肌を晒している。左手前には中岳を挟んで阿弥陀岳が。また,赤岳から奥には横岳,硫黄岳へと連なり,天狗岳がその奥の山を隠している。
 左奥の
北横岳の山腹には日本ピラタスロープウエイの山麓駅と山頂駅が白く光って見える。その奥には優しい山容の蓼科山が静かに横たわっている。これが一周である。

 ↓ギボシから権現岳への登り クサリや鉄ハシゴを使ってのハードなコースで,神経を使ったが,無事通過した。

 権現小屋でバッジを買った。権現小屋,青年小屋共通のもので,記念になった。
 
権現岳のピークは大変狭く,交代で頂上に立ち,記念写真を撮影すると,すぐ,次と交代させられた。最高点は岩塔になっており,人が1人立てる広さがある。そこまで登ってみたが,さすがに足がすくみ,立ち上がることはできなかった。

 ↓三ツ頭頂上




   ↓三ツ頭から望む権現岳,遠くに阿弥陀岳,赤岳

 三ツ頭から振り返ると,権現岳の尖ったピークが天を突いているのが見える。その後ろには,赤岳と中岳,阿弥陀岳が連なっている。

○ 下山
 三ツ頭山頂の直下で,天女山へ下る道と分かれ,木戸口公園の方へ下っていく。往来が少ないのか,道は所々クマザサで覆われ,ルートが分かりにくい。
 
木戸口公園の少し先で昼食をとった。暑さを逃れ,日陰を探して腰を下ろしたのだが,時間がたつと寒くなってきた。
 単調な下りだが,段差は少なく,比較的歩きやすい。心配していた右膝の痛みも殆どなく,靴のつま先がやや痛い程度だった。靴ひもはゆるめにして,あまり締めなかった。もうこれで膝の心配はしなくて済みそうだ。
 
早乙女河原展望台を通過し,延命水分岐を通過した。(延命水は涸れていた)八ヶ岳神社は名前からしてそれなりのものを期待していたが,かわいらしい石の祠で,思わず苦笑。
 
観音平着は1時22分,更に車の止めてある延命水の水場までは6分かかった。無事全コースを歩き終えた。

○ 帰路
 観音平出発は1時50分。この先は長い道のりになる。途中佐久ICの手前でリンゴ園に寄り,リンゴを買った。
 
佐久ICから上信越道に入る。交通情報は,吉井ICから先,花園ICまでの渋滞を伝えている。そこで,藤岡JCから関越道を北上し,高崎ICから国道50号に抜けることとした。 国道50号は,予想外に混んでいて,岩宿で2車線になるまではのろのろ状態だった。その後は比較的順調で,帰宅できたのは8時30分。
 行程は往路280km,帰路は?

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