燧  ヶ  岳
期日 1999年(平成11年) 10月24日(日)


コース・タイム

 宇都宮(3:30)⇒山王峠⇒檜枝岐⇒尾瀬御池(6:00)

    6:25     7:20
   登山口→(50)→広沢田代→(50)→

      8:00       9:11
    →熊沢田代→(1:30)→爼ぐら→(30)→

    9:40-10:15    10:35  
    →柴安ぐら→(30)→爼ぐら→(1:00)→

      11:19     11:56
    →熊沢田代→(30)→広沢田代→(30)→

       12:36
    →御池駐車場

 御池駐車場(12:48)⇒山王峠⇒宇都宮自宅(16:10)



メンバー

 私(単独)

 今日は,チコは職場の旅行で東京ディズニーランドへ行くということなので,単独行ということになった。
 3時少し過ぎに起床,準備は前日に済ませておいたので,音を立てずに身支度をして3時30分には出発した。南天にはオリオン座がこうこうと輝いている。外は寒い。コンビニでおむすびを買い出発。街は全て寝静まっている。西の空には
十三夜を2日過ぎた満月が輝いている。
 
鬼怒川温泉辺りで,月は西の空に沈んだ。順調に車をとばし,山王峠を過ぎ,田島町の分岐で左に折れ,一路檜枝岐を目指す。中山トンネルを過ぎた辺りで道路標示に「ただいまの気温−4℃」と表示される。外は冬である。
 御池駐車場には6時ちょうどに着いた。駐車場の車はは予想に反してまばらだった。泊まりの車も多く,ガラスが真っ白に凍り付いている。おむすびを2個と缶コーヒーを飲んで準備を整え出発した。
 ここにはまだ陽が射してこない。気温は多分氷点下である。登山道はカチカチに凍り付いている。体調は良く,冷気が心地よい。燧裏林道を少しいくと燧ヶ岳への分岐がある。
 そこを左に入って少し行くといきなりの急登となる。大きな岩がごろごろする登山道をよじ登っていく。路面は完全に凍りついている。思ったほど滑らない。気温が上がる帰路が心配される。案の定帰路では難渋させられた。
  標準タイムの50分で広沢田代に到着。


 休憩しているパーティーをクリアーし先に進む。歩く速さは決して速くはないが,殆ど休憩をとらないので,途中で休憩しているパーティーをいくつか追い越した。

 池塘は僅かにさざ波が立ち,群青色の空を写している。湿原の草は,燃えるような黄色の時期を少し通り過ぎ,一面の茶色になっている。湿原が真っ黄色になる草紅葉の期間は短く,ほんの一瞬で茶色になってしまう。

  平が岳

 さらに40分で熊沢田代についた。徐々に高度を上げるにつれて,会津駒ヶ岳のまろやかな頂が姿を現してきた。

 日光の山々も姿を見せている。熊沢田代は広沢田代より大きな湿原で,池塘もいくつか有り,きれいな湿原だ。花の多い頃は見事だろう。この辺りから上では,登山道の両側の樹高は低くなり,見晴も一段と良くなる。
  
熊沢田代から山頂を望む 

  熊沢田代を俯瞰

  急なガレ場を慎重に上り詰めると,そこからはトラバース気味に左に巻いていく。左に迷い込むと危険らしく,注意の看板がたくさん立っている。
 熊沢田代の背景には会津駒ヶ岳

  ガレ場を横切って山頂へ


  俎ぐら頂上

 熊沢田代から70分で爼ぐら(2346)についた。 燧ヶ岳の最高峰は西隣の柴安ぐら(2356)だが,一等三角点はこの爼ぐらにある。ちなみに,燧ヶ岳より高い山は,これより北(本州,北海道を含めて)にはない。頂上近くにいくと,日陰には先日初冠雪を記録した雪が消えずに残っている。気温は低く,北西の風が頬に突き刺さるように痛い。息が苦しくなり,口で息をすると,のどが痛くなる。


  男体山の特徴ある形が
 頂上からの眺めはすばらしかった。まず,ほぼ真南に霊峰富士山が真っ白に見えていた。先々週に谷川岳から見た富士山は,灰色のシルエットだったが,今日の富士山は大きく見え美しかった。富士山から左に,赤城山,皇海山から日光白根山,男体山,太郎山,小真名子山,女峰山と続く,その手前には,鬼怒沼も見える,鬼怒沼からまっすぐ手前に下る沢が東の俣沢で,かつて下ったことのある沢筋である。北北東には,雄大な会津駒ヶ岳の勇姿が見え北西には会津平ヶ岳のどっしりとした姿が手の届く近さにある。その後方には越後の,魚沼三山といわれる,八海山,中ノ岳,駒が岳が見える。西に目をやると,巻機山から朝日岳の稜線がつながり,その左後ろに先々週に登った谷川岳の姿が見え,それが至仏山の稜線に隠される。至仏山からは,特徴的な三角形の笠ヶ岳につながり,武尊山の稜線につながる。
 
柴安ぐら頂上

 時間もあるので,柴安ぐらまで足を伸ばすことにした。片道30分程度である。柴安ぐらの頂上の一角に,南に面したテラスがあり,そこで昼食とした。バーナーで湯を沸かし,インスタントラーメンを作った。自作したバーナーの風よけは効果があった。ラーメンは,さっぱりして美味しかったが,なんとも,一人で食べるのは味気がない。

   柴安ぐらから俎ぐらを望む

 今回は,学生時代以来の単独行だったが,いつも一緒にいる人がいないということは,何とも味気のないことである。出会った人に話しかけてみたが,あまりになれなれしいのも考え物だし,返って単独行の寂しさが身にしみて惨めになる。いい景色があっても,感動する眺めに出会っても,それを話す相手がいないということは寂しいことであった。

 早々に頂上を後にすることにした。初めは,頂上から長蔵小屋方面に下り,沼山峠からバスで御池に戻ることも考えていたが,燧の頂上に立つと,もはや,尾瀬沼や大江湿原など何の魅力も感じなくなってしまった。来た道を戻ることにした。
 下る人は登る人よりなお少なく,
前にも後にも人影は見えなかった。下り始めて少しの間は,登ってくる人もいたが,11時を過ぎるとさすがに登ってくる人もいなくなり,辺りは全くの静寂に包まれていた。リュックに付けた鈴だけが寂しく鳴っていた。
 路面は,陽の当たる所だけは融けてぬかるんでいたが,日陰は朝と全く同じにカチカチに凍っていた。十分に注意しながら下ってきたが,数回,足を滑らしてバランスを崩した。幸い尻餅を着くほどではなかったが,下山でもしっかりと汗をかいてしまった。
広沢田代から下は,路面の状態が悪く,夏山では相当のぬかるみになるだろう。
 
御池駐車場に着いたのは12時半を少しまわった頃だった。早すぎる気もしたが,帰路が長いので,さっそく帰路についた。途中,見通川林道を通って木賊温泉に抜けて帰った。途中の紅葉はすばらしかった。紅葉の赤は少なかったが,特に,ブナの温かな紅葉がすばらしかった。道路脇の空き地でシートを広げてバーベキューをしている家族が何組かあり,とても楽しそうだった。ここはとてもいい穴場だ。
 川治の手前から渋滞気味になり,例によって日光江戸村周辺で渋滞したが,数回の信号待ちで通過でき,渋滞は思ったほどではなかった。
 宇都宮についたのは4時10分過ぎだった,朝は2時間半で行ったコースを3時間20分かかったことになる。ちなみに,自宅と御池駐車場との距離は157kmだった。

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