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白 馬 八 方

2000年(平成12年) 9月9日(土)


コース・タイム
 高崎(Sさん宅)(3:50) ⇒ 上信越道 ⇒ 長野 ⇒ 白馬(ロープウェイ駐車場)(7:20)
  白馬山麓駅(7:50) ⇒(ロープウエイ・リフト・リフト)⇒ 八方池山荘(8:20) → 八方山(8:45) → 八方池(9:20-30) → 丸山ケルン(10:50-昼食-11:35) → 八方池(12:15) → 八方山荘(13:15) ⇒(リフト・リフト・ロープウエイ)⇒ 白馬山麓駅(14:00)
 駐車場(14:20) ⇒ 長野(善光寺)(15:00-16:00) ⇒ 長野IC ⇒ 上信越道 ⇒ 松井田妙義IC ⇒ 高崎(Sさん宅)(18:30-夕食)
 高崎(Sさん宅)(20:00) ⇒ 宇都宮(22:10)

同行者
 Sさん夫妻,妻

 高崎のSさん からお誘いがあった。前日に宇都宮を出て高崎のSさん宅に泊めてもらった。
 4時には出発したいと言うことで3時過ぎに起床。軽く食事をして4時5分前に出発。
 昨夜はかなり雨が降ったが,今は降ってない。Sさん運転の車で,国道18号線を 松井田方面 へ向かう。 松井田妙義IC で上信越道に入る予定だったが, 富岡ICから佐久ICまで霧のため通行止  仕方なく 碓氷バイパス を通って軽井沢へ。山間地の道路は通行止めになることも珍しくはない。車で移動する 場合にはこんなことも十分考えておかなければならない。碓氷峠は霧が深く,おまけにトラックが 多く,かなり怖い思いをしながら登り切った。 小諸IC からは上信越道に乗ることができた。さっそく, 東部湯の丸SA で休憩にした。 「湯の丸」 の名前に懐かしさがいっぱいになる。20年ほど前になるが,夏に数回,この近くの友 人の別荘に,1週間ほど滞在したのだ。空は明るくなったが,霧が深く,時折大きな塊となって通 過していく。
 長野IC で高速道を降り, オリンピック道路 白馬 に向かう。天気は思わしくなく,雨こそ落ちてこないが,近くの山も,中腹から上は雲 の中に入っている。天気が悪ければ,歩かなくても,リフトに登るだけでも良いと思って出かけて きたが,何とか天気も保ちそうなので, 八方尾根 に行くことにした。JR白馬駅で 「トレッキングチケット」 を購入してロープウエイの駅に向かった。このチケットは直接リフト券を買うより随分 割安 になっている。
 まず最初は,6人乗りの ゴンドラリフト  次の2本は,いずれも4人乗りの クワッドリフト  3本乗り継いで ,約30分で1830mの 八方池山荘駅 に着く。ここからいよいよ歩行開始。 第1ケルン が横の方に見えたが,そこには行かず, 尾根道 を登った。石畳のように良く整備された登山道だが,岩が滑りやすく,注意深く歩かな いと転倒する危険がある。時々ガスが巻いてくる。かと思うと雨が降ってきたりで,雨具を着ける タイミングで随分迷った。結局私は,雨具の上だけを着たが,それも直ぐに脱いでしまい。殆ど雨 具は着けなかった。
 軽装で登る若いグル−プもいたが, 八方池 までなら,そんなに装備も要らない。ハイキング装備で十分だ。 八方池 では池まで降りずに尾根道で休憩し,もう少し先まで行くことにした。 唐松岳 まではとうてい無理としても,どこか見晴の良い尾根で昼食にし,戻りたいと思った。
 大きな石の転がる登山道を登る


 雨は上がった が,ガスがかかり遠くは見晴らせない。


 八方池の少し先にはやや平坦な場所があり, ダケカンバの巨木が立ち並ぶ樹林帯 があった。少し行くと,前方に雪渓( 扇雪渓 )が見える。ガイドブックには「雪田」と書いてある。その上の稜線を奥に辿るとケル ンが小さく見えた。 「丸山ケルン」 で,結局ここまで登って昼食にした。丸山ケルンは2420m。約600m登ってきた。


 カップ麺とおむすびを食べた。今日は,気温が高くない割には汗をたくさんかいたの で,シャツの背中がびしょぬれで,じっとしていると寒くなった。あわてて長袖のシャツを着た。
 ここまで来ると, 唐松岳 までもう少し。時間の余裕があれば行けたかも知れない。唐松岳の標高は2620m,高度差 あと200mだ。しかし,周囲は霧で覆われ,見晴は良くないので,それほど残念ではない。ぜひ,天 気のいいときにまた来たい。 
 丸山 に45分ほど居て下山にかかった。降りてきてみると,登山道の石が濡れ,あちこちに 水たまりができている。 下の方では結構降ったらしい  おかげで,石は一段と滑りやすくなり,私も一度足を滑らせ手をついてしまった。怪 我はしなかったが,ひやりとした。


 扇雪渓 の少し下で,登山道の脇に何か動くものを見つけた。 「雷鳥」 だった。7羽で,何かを啄みながら登山道を横切り,砂礫地を登っていった。はっきり と確認はできなかったが,つがいと今年孵った雛鳥のようだった。雷鳥は, 昨年の穂高岳 でも見ることができず, 今年の北岳 でも見られなかったので,予想外の幸運に喜んだ。


 夏も終わり, 高山植物 は花から実へ姿を変えはじめている。中でも, 「チングルマ」 の綿毛を付けた実の様子は,正に 「車輪」 のようで, 「稚児車」 の所以を示している。とは言っても,花もまだ咲いており, チングルマ,ミヤマキンバイ は高所で群落を作っていた。白い可憐な花の ウメバチソウ ,ツリガネニンジンの高山種である ハクサンシャジン ,日本で最も小型のリンドウである タテヤマリンドウ ,白い花を試験管ブラシのように付けた サラシナショウマ ,青紫が鮮やかな ホソバトリカブト ,薄紫の マツムシソウ ,・・・まだまだたくさん咲いていた。
 ガスが晴れると, 下山道 が先まで見渡せる。


 薄日が指してきて, が現れた。


 八方尾根 は冬山の厳しさで有名だが,夏にはこんなにも優しい表情を見せる。好きになった山が また一つ増えた。
 帰路,長野の 善光寺 にお参りして高崎へ。Sさん宅で夕食をごちそうになり,宇都宮の自宅に向かった。

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