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西 ノ 湖

2001年(平成13年) 5月13日(日)


コース・タイム
 自宅発(6:00) ⇒ 細尾大橋(6:43) ⇒ 竜頭の滝駐車場(7:04)
 駐車場(7:23) → 標識1(7:40) → 標識2(7:52) → 標識3(9:05) → 標識4(9:11) → 千手ヶ浜(8:28) → 遊歩道入り口(9:37) → 西ノ湖(10:20-昼食-11:18) → 西ノ湖入り口(11:42-11:52) ⇒(バス)⇒ 小田代(12:02-05) →(小田代半周)→ 分岐点(12:40) → 石楠花橋(13:11) → 滝上橋(13:24) → 駐車場(13:30)
 駐車場発(13:41) ⇒ 裏男体林道 ⇒ 志津乗越 ⇒ 戦場ヶ原 ⇒ 自宅(16:22)

同行者
 妻

 久しぶりの山歩き である。足腰が弱っていることは確実だ。今日は,無理をしないで足慣らしのつも りで,平坦路を歩くことにした。今日は 連休の2日目 。できれば1日目に山歩きがしたかったのだが,私に会議が入ってしまい,仕方な く今日になってしまった。明日の仕事に差し 支えのないようにしたいと思い, 軽いコース を選んだ。
 このコースは,昨年も一昨年も同じ時期に歩いている(両年とも 4月29日 )が,今年は諸般の事情で2週間ほど遅くなってしまった。しかし結果的には大成 功で,今まで見られなかっ たものをたくさん見ることができた。
 この3月1日に, デジタルカメラ を購入した。このレポの写真は,全て,そのカメラで撮影したものである。 SONY CYBERSHOT DSC-S30 というカメラで,CCDは 1.3メガピクセル で光学 3倍 のズームレンズ付きだ。これから,山行レポ作成におおいに役だってくれるだろう。
 今朝の宇都宮はいい天気  ここ3日ほど天気は安定している。山の天気は下界とは違うが,今日は心配は要らな いだろう。 男体山 などの 表日光連山 も,やや霞んではいるものの,雲は全く見えない。好天を確信した。時間が早いせいか 日光道路も空いている。 竜頭の滝駐車場 も十分に空きスペースがあった。ここでトイレを済まし,身支度をして歩き出した。温 かく,頬に当たる冷気が心地よい。昨年は北風の寒さに震え上がったが,2週間の違いでこんなに も温かくなるものなのか。


 竜頭の滝周辺 は,今, サクラが満開 となっている。ソメイヨシノではないことは分かるが,オオヤマザクラとも違うようだ。 正しい名前は分からない。花の色が濃いものや,薄いものがあり,花と一緒に葉が出ているものも 多い。抜けるような青空をバックにしたサクラのピンク色は爽やかで美しい。
 日光プリンスホテル の裏をまわって中禅寺湖の斜面にそって付けられた 遊歩道路 にでる。この遊歩道路は,いつも良く整備されており,安心して歩くことができる。山 靴でなくとも,スニーカーで十分に歩くことができる。
 遊歩道路を歩くと直ぐに, アカヤシオ のピンクが目に飛び込んできた。いつ見てもその花はなんとも不思議な雰囲気を持って いる。枯れ枝に造花の花びらだけをくっつけたような不自然さがなんとも愉快だ。花の時期も丁度 良く,至るところで大小の株が満開の花を付けている。こんな風景は今まで見たことがなかった。

 トウゴクミツバツツジの 紫色の花も咲き始めていた。 足元には タチツボスミレ の澄んだ青色の花が咲いている。


 数年前から,ここを通ったときに 必ず写真を撮る場所 がある。それは,栃窪の砂浜に枝を張り出した オオヤマザクラ の木の所だ。今まで,その花を見ることはできなかったが,今日もまた見られなかった。 蕾は十分に膨らんでいるが,開花には,あと数日かかるだろう。

 熊窪 の湖岸は,盛夏の一時期にバンガローが営業をするが,その時期以外はとても静かな所 だ。この日は,数人のカヌーイストたちがテントを張っていたが,それでも静かだった。
 千手ヶ浜 では,桜が満開だった。

 千手ヶ浜 から 「千手の森遊歩道」 を歩いて 西ノ湖 に向かった。舗装道路から,工事用道路のようなところを少し入ったところに 「千手の森遊歩道入り口」 の標識と 「林内に入らないように」 という注意書きがある。いつ歩いても静かないい遊歩道だ。足元には コミヤカタバミ が白い花を咲かせていた。

 一昨年来たときには目立ったシカの食害の痕もあまり見えない。シカが減ったのかも しれない。
 途中,右側の川沿いの林の中に変なものがセットされていた。プランクトンネットを 空に向かって固定したようなもので,何に使うのかは分からなかったが,多分,降ってくる種子で も集めているのだろう。
 西ノ湖の周辺には大きな杭が打たれ,金網で囲まれていた。 「ヤチダモ」 などの自然林を保護するためのものだ。西ノ湖周辺は,比較的人の手が入っておらず, これほどの自然林は極めて珍しく貴重なものらしい。
 西ノ湖 は渇水で,水際が後退し,100m以上の砂浜ができていた。暑いだろうと言うことで 木陰にシートを広げたが,寒くなり,日向に移動した。

 快晴だった空に,雲が浮かび始め,ゆっくりと動き出した。陽射しが遮られると寒く なる。湯を沸かしカップ麺を食べた。西ノ湖に着いた頃は2〜3組しかいなかったハイカーも,時 間が昼近くになるとさすがに増えてきた。1時間ほど居て帰路についた。
 吊り橋 のたもとには,シカの食害をうけたために 切り倒されたカラマツ が,長さをそろえ,先を尖らせて積み上げられていた。多分,戦場ヶ原を取り巻く保護 柵の杭になるのだろう。小田代ヶ原で成功した保護柵を,今度は,戦場ヶ原全体に張り巡らせるこ とになり,今年から工事が始まるのだ。
 吊り橋からアザミ橋 までの両側は, カラマツ の林で,丁度いま芽吹きの最中。私はこの時期のカラマツがとても好きだ。枯れたよう な木の枝から,緑の葉先が顔を出すと,みるみるその長さを伸ばし,カラマツ林全体が柔らかな緑 に覆われていく。


 アザミ橋から小田代 まで 低公害バス に乗った。 ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた動力 を持つバスで,この地域の環境を保全するために導入されたものだ。この地域への一般 車の乗り入れが禁止され,その代替策としてこのバスが導入された。私も以前にマイカーで吊り橋 のたもとまで行ったことがあるが,今は行けない。このバスは,赤沼から千手が浜までを往復して いる。そのため,赤沼に一般車用の大きな駐車場ができた。かつては,千手ヶ浜にオートキャンプ 場などもあったが,一般車の乗り入れ禁止にともなって閉鎖された。
 小田代原を半周し,分岐から石楠花橋に向かった。今年2月に雪の中で歩いたコース だが,雪のときとは様子が一変し,雪の中を歩いたコースを思い出すのは難しかった。
 一昨年は,野生のサルやシカなどにも出会えたが,今年は何にも会えなかった。分岐 点から1時間ほどで駐車場に戻ってきた。
 まだ,時間が早いので, 女峰山登山の下見 として,志津乗越まで行ってみた。裏男体林道も大部分が舗装されており驚いた。この 道を歩いたのは35年以上も前のことである。当時の記憶はしっかりしているが,周辺の様子は大 きく変化していた。当時,カンカン照りのなか,日陰の全くない砂利道を歩いた記憶が鮮烈に蘇る が,今は樹木が大きく成長し日陰を提供してくれている。道路の曲がり具合など,記憶通りの場所 もある。「梵字飯場跡」では湧き水があり,のどを潤してくれたのだが,今は,小さな広場がある だけになってしまった。
 志津乗越には,駐車スペースがあるが,駐車可能台数は10台程度。シーズン中は早 めに行かないと直ぐに満杯になってしまうだろう。

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