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女 峰 山

2001年(平成13年) 7月14日(土)


コース・タイム
 宇都宮発(4:40) ⇒ 光徳駐車場(トイレ) ⇒ 志津乗越駐車場(6:05)
  志津乗越(6:22) → 馬立入口(7:37-軽朝食) → 水場(9:00-20) → 唐沢小屋(9:42-47) → 頂上(10:35-40) → 帝釈山(11:30-昼食-12:10) → 富士見峠(13:08) → 馬立入口(14:09) → 志津乗越(15:10)
 志津乗越駐車場(15:25) ⇒ 光徳駐車場(トイレ) ⇒ 宇都宮自宅(17:45)

同行者
 妻

 気象庁から関東甲信地方の梅雨明けが発表され,ここ数日真夏日が続いている。天候 は安定し,登山日和である。予定した 槍ヶ岳登山 を2週間後に控え,足慣らしのために 女峰山 に登ることにした。

 女峰山 には,今までに2回登っている。最初は, 昭和38年6月 19歳の時だ。同行者は,2歳年下の弟。本格的な山登りなどしたこともなく,ただ, 登りたいという気持ちだけの登山だった。日光市の和の代にある兄の家に泊めてもらい出発したの が5時15分。そこから 裏見の滝 を経由して, イズラ峠 から モッコ平 を登り, 馬立 から 唐沢小屋 (無人)を経て頂上に至るコースだった。帰路は, 黒岩コース を下り東照宮に降りた。頂上へ着いたのは11時。 5時間と45分 かかった。裏見の滝から登り初めて間もなく,後ろから追いついてきた人がいた。精銅 所の山岳部の人で,トレーニングのために登っていると言う。私たちの様子を見かね,歩き方を教 えるから付いてきなさいといって,山歩きの手ほどきをしてもらった。 このとき教えてもらったことは,今の山歩きの基礎になっている。
 2回目の女峰山登山は,翌 昭和39年8月  同行者は,前年一緒に女峰山に登った弟と,兄,それに私の友人1人を加え4人だっ た。コースは, 日光表連山* の縦走を予定していたが,初日は朝から強い雨のため 男体山 の登山を断念して 戦場ヶ原 から 裏男体林道 をあるいて 志津小屋 (無人)に一泊。次の日には 大真名子山, 小真名子山 を縦走し, 富士見峠 から 帝釈山, 女峰山 を経由して, 唐沢小屋 に宿泊。三日目に 女峰山 から 赤薙山 を通って 霧降 に下るコースだった。初日は朝から雨,二日目,三日目も,朝の内は晴れていたが,昼 前から雨。とにかく 雨の中の三日間 だった。
  *「日光表連山」 (西から) 男体山,大真名子山,小真名子 山,女峰山,赤薙山の5山を言う

 今回は, 志津乗越(しづのっこし) まで車で入ったので,下から登るのに比べ,随分と楽になった。車は,更に約1km先 の遮断機前まで乗り入れることができる。志津乗越を出発したのは6時22分。早朝のせいもあり 爽やかな空気の中を快適に歩いた。約15分ほど歩くと,自動車通行止めの遮断機があり,ここに も数台の車が停めてあった。

 馬立(うまたて)分岐 までのほぼ中間地点で 野州原(やしゅうっぱら)林道 との分岐に出る。 女峰山 へはここを左手に折れて進む。直進する道は, 野州原林道 を経て,日光市内の 清滝 に通じている。もちろん,一般車は通れない。 志津乗越 からここまでは緩い下り坂だったが,ここから 馬立分岐 までは登りになる。ここまで来るとやっと 女峰山 の姿が見えるようになった。

 しかし,なんとも遠い。馬立入り口の少し手前の日陰で軽い朝食にした。ここで,後 から歩いてきた7人ほどのグル−プに追い抜かれた。このグル−プとは,頂上まで後先になって進 んだ。 馬立分岐 から右に下って荒沢を渡った所が 馬立 だ。「馬立」とは, 「馬返し」 と同じで, 馬も立ってしまうほどの急坂 という意味だ

 馬立 からの登りはさすがにきつい。ペースを落として進んだが,今日はあまり調子が良くな い。足の疲労感がたまるばかりで,やけに荷物が重く感じた。汗をたくさんかいたので,水分の補 給はマメに十分行った。帽子が汗でびっしょりになり,つばの先から滴が落ちてくる。
 唐沢小屋 の少し手前に 水場 がある。この水場の位置は昔と変わっていない。冷たい水が湧き出しており,のどを 十分に潤した。

 馬立から唐沢小屋まで約500mほどの高度差 だが,かなり堪えた。
 唐沢小屋は,古い小屋の隣に新しい小屋が建っていた。昭和39年には,この古い小屋 に泊まっている。内部の様子など,もう記憶も曖昧になっている。


 唐沢小屋から 頂上 までは約45分でついた。灌木の間から突然という感じで頂上に飛び出す。

 女峰山は面白い山で, 山頂の高度は2483m ,しかし, 三角点のあるのは 150mほど東に離れた小ピークで 高度は2463.5m である。周囲の山は雲に覆われ,何も見えない。天候の悪化が気になるので,早々と山 頂を後にした。
 女峰山頂から帝釈山 までの尾根道は, ハイマツ帯 に付けられた 雲上の散歩道 で,多くの 高山植物 も見られるすばらしいコースだ。

 ハクサンシャクナゲ はまだ蕾も多く,これからもしばらくは楽しめそうだ。

 ミヤマダイコウンソウ の黄色い花が風に揺れている。


 振り返って 女峰山頂 を望んだ。山頂の登山者が見える。


 ツガザクラ は,小さいながら精一杯に花を広げていた。下を向いて咲く花は,実を結ぶと上を向い て更に背を伸ばす。

 コメツツジ


 帝釈山頂 には6人のグル−プが昼食を食べていた。ここまで来れば,天気が悪くなっても何とか なるだろうと言うことで,私たちも昼食にすることにした。相変わらず辺りはガスに覆われている。 時折,ガスの切れ間から 女峰山頂 が望めたが,他には何も見えない。

 ホソバイワベンケイ


 ゴゼンタチバナ


 帝釈山頂 から 富士見峠 までは,まっすぐな下り。ところどころ大きな段差もあったが,概ね歩きやすい道だっ た。富士見峠に降り着く少し手前で, ギンリョウソウ の透き通るような花を見つけた。


 だんだんと高度が下がってくるにしたがい, 暑くなってきた  吹く風の温度が違う。山頂の涼しさが懐かしい。  富士見峠 からは林道歩きだが,この付近は荒れており,河原と大差ない状態で,大変に歩きにく い。

 下ってくるにしたがい,徐々に歩きやすくなってきたが,雨が降り出してきた。レイ ンウエアを着るほどではないので,こうもり傘を出して差した。雨はあまり強くならずに,程なく 止んだ。
 富士見峠(2036m) から 馬立入り口(1800m) を過ぎ, 野州原林道の分岐(1683m) までは下りだが,そこから 志津乗越(1785m) まで標高差約100mの登りとなる。この最後の登りがきつかった。体力を消耗した後の 登りであり,足や関節の痛みが出てからの登りだったので,なんとも辛かった。最後は言葉も無く, 黙 々と足元を見て歩いた。
 志津乗越 についたのは3時10分過だった。 約9時間 で一周してきたことになる。女峰山には特別の思い入れもあり,再度チャレンジしたい。

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