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吾 妻 耶 山

2002年(平成14年) 5月25日(土)



コース・タイム
 宇都宮(4:30) ⇒ 金精峠 ⇒ 沼田IC(6:38) ⇒(関越道)⇒月夜野IC ⇒ 駐車場(7:00-朝食)
  駐車場(7:26) → 大峰沼(8:01) → 大峰山(8:50) → 吾妻耶山(10:00-昼食-11:15) → 大峰沼(12:30) → 駐車場(13:00)
 駐車場(13:10) ⇒ 月夜野IC ⇒ 沼田IC ⇒ 金精峠 ⇒ やしおの湯(16:00-17:10) ⇒ 自宅(18:00)
同行者
 妻

 今日は早朝から良い天気だ。1週間ほど前から,どこに行こうかと考えた結果, 「谷川岳の展望台」 」と言われる 吾妻耶山 に行くことにした。他には,尾瀬なども候補に挙がったが,混雑を避けて吾妻耶山にし た。登山口までの距離は,尾瀬の方が(大清水にしろ鳩待口にしろ)短いが,初めて行く興味もあ り,また,「東京付近の山」(実業之日本社)に紹介された吾妻耶山に 「行くなら,レンゲツツジ,シャクナゲが咲く5月」 とあったことなどから決心した。
 宇都宮 の自宅から, 金精峠 を越え, 月夜野 から入った登山口まで 約150km。3時間半 くらいかかると見て,4時半に出発した。 沼田から月夜野まで 関越道 を使い,2時間半で到着した。登山口には砂利敷の広い駐車場があり,車が2台停まっ ていた。

 天気は良く,朝の冷気が心地よい。朝食を食べ,出発した。今日のコースは,高低差 はあまりなく,ゆっくりした山歩きができるはずだ。歩き出して間もなく,左手に分かれる道があ った。この道を少し入ると モリアオガエル の繁殖地になっている 古沼 がある。

 モリアオガエル は,本州から九州の山間部の限られた地域に群棲していて,毎年6〜7月の梅雨期に産 卵のために沼などの水辺に集まり,夜半〜未明にかけて水面に張り出した樹の枝上で一匹の雌に複 数の雄が重なり合い,直径10cmほどの白色泡状の卵塊を産み付ける 樹上産卵 という変わった習性を持っている。卵塊中には300〜500粒程の卵が見られ,2〜3週間 でオタマジャクシとなって水中に落ち,2〜3か月程で変態を終えて陸上生活に移るといわれる。 古沼 のモリアオガエルは 群馬県指定の天然記念物 になっており,付近一帯は県の 自然環境保全地域 に指定されている。 古沼 は,渇水状態で水面が極端に小さくなっており,このままではモリアオガエルの繁殖に も影響が出そうだ。元の道まで戻って,更に少し歩くと 大峰沼 に着く。

 大峰沼 は,標高約1000mの所にあり,沼の中には大きな 浮島 がある。しかしこの沼も渇水で殆ど水がなく,浮島も沼の底についてしまっていた。沼 の畔に1本だけ レンゲツツジ が花を付けていた。時期が遅かったのか,このほかには,ガイドブックに書いてあった レンゲツツジ シャクナゲ も見られなかった。

 大峰沼 から少し進んだ所にある分岐を左にとって, 大峰山 に向かった。大峰山から尾根伝いに 吾妻耶山 へ行くコースを選んだ。大峰山への登りがこのコース唯一に近い登りで,200m強を一気 に登る。斜面に付けられたジグザグコースで歩きやすい。大峰山の山頂付近の尾根には無線のアン テナ塔がいくつか建てられている。作業道も通じており,大型の作業機械がエンジン音を立てて作 業していた。2階建ての 展望台 があったが,周囲の樹木が生長してしまい,見晴を妨害している。このような例は今ま でにも何度か出会ったが,見晴しのためにはじゃまな木を切るべきなのか,自然のままが良いのか 悩んでしまう。 大峰山山頂 は大きな樹木に囲まれ,見晴らしはないが,ここには 一等三角点 があった。


 北東方向には 武尊山 が見えた。この角度から武尊山を見るのは初めてだ。いつかは登ってみたい山なのだが, まだ機会がなく登っていない。
 尾根伝いに 吾妻耶山 へ向かった。100mほど降ってから,200mほど登り返すのだが,急な登りではない。


 吾妻耶山 山頂 には 小さな祠 があり,信仰の山であることを示している。その祠の先が北に開けており, 谷川連邦 を間近に見ることができる。


 まず,正面の 谷川岳 が目に飛び込んでくる。山頂から右手前に伸びているのが 天神尾根 で,右奥に伸びているのが 西黒尾根 だ。 天神尾根の左側の雪が融けたあとの黒い山肌が, 「牛」 の姿に見えるという。そう言われてみると,確かにそう見える。 天神尾根が背中になり,山頂の方を頭にしてたたずんでいる 。これも「雪形」という。



 左には, 万太郎山 から 仙ノ倉山,平標山 への稜線が続く。谷川岳の右側には, 白毛門,笠ヶ岳,朝日岳 がひとかたまりになって見える。



 更にもう少し右に目を移せば, 武尊山 のどっしりした姿が間近に見え,その右奥には 奥白根山 の特徴的な形を持つ日光連山が望める。更に大きく右に目を移せば, 赤城山 の姿も見える。双眼鏡で谷川岳を覗くと,天神尾根上部の雪渓を登っているパーティー の姿も確認することができた。 足元 に見える大きな建物群は 水上温泉。  ワラビを採りに来たという地元の人から,天神尾根の雪型の話を聞いた。
 吾妻耶山からの帰路は,山腹を通る道を選んだ。どこで道を間違えたか覚えがないの だが,途中で道を失った。ほどなく正しい道を探すことができたが,作業道の多い低山では,十分 に注意しなければならない。


 途中で,きれいな植物を見つけた。小さな8〜9枚の葉が輪生しており,小さな白い 花を咲かせている。帰宅して図鑑で調べたら, 「クルマバソウ」 と言うのだそうだ。そのものズバリの名前で,もう忘れない。


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