谷 川 岳

期日 2002年(平成14年) 10月5日(土)
 


コース・タイム
 宇都宮(1:08) ⇒ 金精峠 ⇒ 鎌田 ⇒ 沼田 ⇒ 水上(3:22) ⇒ 土合(ロープウエイ土合口駅)駐車場(3:45)
   駐車場(5:43) → 指導センター(5:50) → ガンゴウ新道口(6:18) → ガレの頭(8:34) → トマの耳(10:21) →
         → オキの耳(10:36-11:27) → ガレの頭(12:53) → ガンゴウ新道口(14:42) → 駐車場(15:08)
 駐車場(15:29) ⇒ 水上 ⇒ 沼田 ⇒ 鎌田 ⇒ 薬師の湯(17:00-40) ⇒ 金精峠 ⇒ 自宅(19:20)

同行者
   チコ

1 谷川岳
 前回,秋の谷川岳を登ったのは,3年前の1999年10月10日の体育の日だった。その一月前の9月11日に,谷川岳の登山に向かったのだが,濃霧のため,下から歩いて登るのを諦め,ロープウエイ経由の登頂となった。そのために,再挑戦したのだった。そのときは,西黒尾根を登り,ロープウエイを使って降りてきた。次はぜひ,厳剛新道を登りたいと思っていた。
 実は,
厳剛新道には,もう一つ意味があった。チコが,若いときにチコの兄と2人で厳剛新道を登ったのだが,頂上の直ぐ下にまで行きながら,登頂できずに引き返したのだそうだ。そのため,ぜひ,厳剛新道から登り,山頂に立ちたいと思っていたのだ。
 今日明日と,私たちの所属しているハイキングクラブでは鳥海山に出かけている。私は明日に仕事が入り参加できないので,今日,日帰りで行ける所として,
谷川岳を選んだ。谷川岳登山は,かつては上越線の夜行に乗り,土合で降り,駅から歩いて登ったものだった。そのころ谷川岳に登るものの多くは,一の倉沢マチガ沢の岩登りをするものが多く登山道を登るものは今ほどは多くなかった。
 私が初めて
谷川岳に登ったのは,1982年38歳の時だった。職場の仲間と7人で土合から登り,土樽に抜けてきた。土合まで車で行き,土合山の家に車を置いてもらった。そこから歩いてロープウエイ駅まで行き,天神平までロープウエイを使った。その日は山頂直下の肩の小屋に泊まった。肩の小屋は,当時は営業をしており,食事付きで泊まることができた。次の日に,一の倉岳,茂倉岳,武能岳と縦走し,蓬峠から土樽に下り,土樽山の家に宿泊,次の日上越線で土樽から土合まで戻り,車で帰宅した。夕立に追いかけられながら飛び込んだ肩の小屋のことや,山頂で迎えた日の出の素晴らしさ,歩いても歩いても着かない蓬峠からの下りのことなどを覚えている。
 前回の
谷川岳登山は,紅葉の最盛期で,岩壁と紅葉,クマザサの緑など,鮮やかすぎるほどのパノラマを満喫できた。また,そのため,混雑も最盛期で,下りのロープウエイも行列を作って待たされたし,帰路の道路も大渋滞した。今回は,そのときより5日ほど早いので,紅葉の様子が心配だったが,山頂付近は十分に色づき,前回にも劣らない素晴らしい紅葉を満喫できた。しかし,麓付近の紅葉はまだ色づき始めたばかりで,これからが見頃になる。
2 登山口まで
 午前1時に自宅を出発した。日光から金精峠を越え沼田から谷川岳に向かった。2時間40分ほどで谷川ロープウエイの駐車場に着いた。さすがに駐車場の中の車はまばらで,仮眠をとっている車が多かった。私たちも,外が明るくなるまで車の中で休むことにした。4時半を過ぎる頃から,動き出す人が出始めたので,私たちも,パンとお茶で腹ごしらえをして,出発の準備をした。
 駐車場は6階がロープウエイ乗り場へ行く出口で,出口を出た登山者の多くはロープウエイ駅に入っていく。ロープウエイの営業開始はシーズン中の週末は6時になっているので,間もなくである。ロープウエイ駅を左に見ながら右にカーブした道路を歩いていく。道路閉鎖用のゲートの前に登山指導センターがあり,何人かの登山者が集まっていた。ロープウエイ駅に入っていく登山者と,ここにいる登山者は明らかに異なっている。荷物や装備なども詳しく見れば異なっているのだが,一見して分かるほどではない。何が違っているのかというと,「雰囲気」が違うのである。私たちもその仲間になるのだと言う誇らしさと緊張感を感じた。
 入山届けを出して歩き始めたのは5時50分になっていた。かたまり状の低い雲が空を覆い,青空の範囲は少なかったが,徐々に雲が消えてゆき,
マチガ沢厳剛新道口に着いた頃には青空が広がっていた。風はなく,気温もそれほど低くない。ゆっくり歩いたが,もう,汗をかいた。

 西黒尾根を登る場合の登り口は2つある。そのうち,尾根の先端からの登り口の標識が壊れて倒れていた。こちらの登り口から登る方が傾斜が緩く,登りやすいのだが,現在は,ロープウエイ駅に近い方の登山口を利用する人の方が多い。
 道が
マチガ沢の方に曲がると,山頂(トマノ耳)が見えてくる。マチガ沢の駐車場にはたくさんの車が停まっていたが,まだ何台かは停められる余裕があった。ここまで車で来れば,片道30分ほど節約できる。しかし,ロープウエイ駅からここまでの道は,シーズン中の週末は自動車乗り入れが禁止される。今年は,来週末(10月12日)から規制が始まる。
3 厳剛新道
 厳剛新道の登山口には,肩の小屋が工事中のため使用できない旨の張り紙が出されていた。肩の小屋は,管理人を常駐させるための改修工事のため10月31日まで閉鎖される。

 登山道は良く整備され,歩きよい。一部水の流れている所もあったが,足を着くところはしっかりとしており,安心して歩けた。

 幾組かのグループと前後して登ったが,壁登りをするのだろうと思われる,ヘルメットをかぶった2人連れもあった。 マユミが実を付けていた。

 背後に白毛門が見えてきた。

 「第一見晴」と標識のある所からは,マチガ沢の上部全体が見渡せる。

  第一見晴


 ここから,谷を横切り岩場に向かう道がある。先ほど,私たちを追い抜いていった2人連れがそこを歩いている。

 傾斜は徐々にきつくなるが,岩場にも適度に手がかり足がかりがあり,苦労しないで登ることができた。


 2時間20分ほどで西黒尾根の稜線に出た。
 ここは,「
西黒尾根ガレ沢の頭」と呼ばれているが,かつては「憬雪小屋跡」と言われていたところだ。
 「
ガレ沢」というのは,ここからマチガ沢の反対側に下る沢で,ザンゲ沢熊穴沢等と合わさり西黒沢となる沢だ。
 今は,この沢の名前をとって「
ガレ沢の頭」と呼ばれている。

4 西黒尾根
 ここからは森林限界を出てむき出しの尾根歩きとなる。陽射しも一段と強くなり,汗が噴き出してくるが,気温が低いため,夏のような苦しさではない。厳剛新道の登りが覚悟していた程ではなかったので,登りがきつく感じる。これから登る,西頃尾根上部の南斜面

 ザンゲ岩が見える。登山道はあの横を登る。
 岩稜歩きは,緊張感はあるが,視界が開けていて気分がいい。

 振り返ると,西黒尾根が,ずっと先の方まで見渡せる。

 たくさんの登山者で賑わうトマノ耳が見える。

 ザンゲ岩を過ぎて少し登るとクマザサの斜面となり,肩の広場のシンボル的存在の方向指示塔が見えてくる。直接トマノ耳に向かう道は通行止めになっており肩の広場を経由してトマノ耳に向かう。

5 山頂
 谷川岳には2つの山頂がある。「トマノ耳」と「オキノ耳」である。両方に「谷川岳山頂」という標識が立っている。「トマ」とは「手前」と言う意味であり「オキ」とは「」と言う意味である。標高はトマノ耳が1963.2m,オキノ耳が1977mでオキノ耳の方が高いが,三角点のあるのはトマノ耳の方である。もっとも,三角点が設置されるのは,最高点に限ったことではない。

 トマノ耳は混雑しており,山頂標識の前では,記念写真を撮ろうとする人が順番待ちをしていた。
 私たちも写真を撮ろうとしたが,所かまわず座り込んでいるハイカーがじゃまになり,良い写真が撮れなかった。
 以前は,写真を撮るのにじゃまになるところには座らなかったものだが,ここでも,自己中心者が大いばりしていた。


 ここでは長居をせずにオキノ耳に向かった。

 トマノ耳からオキノ耳に向かって歩いているとき,左足の腿がつった。後ろに踏み出した足を引きつけるとき,腿の前の筋肉に痛みを感じた。山歩きをしていて初めての経験だった。とにかく,足を引きずりながらオキノ耳まで歩き,オキノ耳の少し先の道の脇に腰を下ろし昼食にした。

 おむすびを食べながら,360度,遮るもののない展望を十分に楽しんだ。時々,ポッカリ浮かんだ雲が頭上を通過する。汗をかいたシャツが冷えて寒い。水蒸気が多いのか,遠景がなんとなく霞んでおり,すっきりとしない。 直ぐ目の前の岩場を登ってくるクライマーがいた。

 肩の小屋は,注意書きに書かれていたように,工事中だった。

6 下山
 下りは,天神尾根を下り,ロープウエイで降りても良いと思っていた。妻にどうしようかと聞くと厳剛新道を下りたいと言う。厳剛新道を下ることでこの登山を締めくくりたいらしい。足に不安はあったが,歩いてみると,痛みは全く感じない。これなら大丈夫だと判断して厳剛新道を下ることにした。登るときには何の問題も感じなかった岩場が,下るときには下りにくい。後ろ向きになればいいのだろうが,前向きのままで降りようとするとかなり難しい。左足をかばって歩いていたら,右膝が痛くなってきた。そこで今度は,右膝をストックでかばいながら降りた。
 
第一見晴まで降りてきて,傾斜が緩くなり,やっと楽になった。下りも,思った以上に時間がかかった。ガレ沢の頭から厳剛新道まで1時間50分かかった。



ロープウエイ駐車場まで歩いてるわたしたちの横を,何台もの車がスピードを上げて通り過ぎていく。
 この道には「
路肩と登山者に注意」という特別な標識が立っている珍しい道路なのだから,もっとゆっくり走ってもらいたかった。

 駐車場を後にしたのは15時30分。白根温泉薬師の湯で入浴し,金精峠を越えて帰宅した。

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