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燧 ヶ 岳

2002年(平成14年) 10月12日(土)



コース・タイム
 宇都宮(4:00) ⇒ 山王峠 ⇒ 御池駐車場(6:48)
  御池(7:06) → 広沢田代(8:03-16) → 熊沢田代(9:04-12) → 爼ぐら(10:38-45) → 柴安ぐら(11:10-昼食-50) → 爼ぐら(12:12) → 長蔵小屋(14:35-50) → 沼山峠(15:45)
 沼山峠(15:50) ⇒(バス)⇒ 御池(16:05)
 御池駐車場(16:20) ⇒ 尾瀬アルザの郷(16:40-17:42) ⇒ 宇都宮自宅(20:21)

同行者
 キクさん,Tさん,妻

 1 尾瀬御池駐車場まで
 この3連休(10/12,13,14)は,数日前からの天気予報でも,天気が安定 し,絶好の行楽日和になると伝えていた。先週の 谷川岳 に続き2週連続になるのだが,今週は 燧ヶ岳 に登ろうと決めていた。同行は,キクさんとTさんの二人。キクさんに我が家に来ても らい,今回は私の車で出かけた。どうも,他人の運転する車に乗せてもらうと,車酔いすることが ある。
 4時ちょうどに自宅を出発し,途中でTさんを乗せ,鬼怒川温泉経由で 尾瀬御池 に向かった。車のカーナビは東北道を通り,塩原経由のルートを示していたが,この時 刻なら,鬼怒川温泉経由でも大差はない。途中, 道の駅「たじま」 でトイレ休憩をしたが,こんな時間なのに,駐車場は満車状態だった。尾瀬に行く車が 多いのだろうか。
 だんだんと車の数は増えて行き, 会津田島 から先は, 行列を作っての走行 だった。こんなに車が多いのでは,御池の駐車場に車が置けないのではないかという不 安が湧いてきた。 七入 では,もう交通整理員が出て,車の誘導をしていた。 「先に進め」という指示は,御池に駐車できることを示している  ひとまず安心した。
 2時間45分で 御池駐車場 に着いた。 3年前の秋に,単独で来たときにはこの駐車場は無料だったのだが,今は有料になって いた。1回1000円だった。7時が始発という 沼山峠行きのバス が,エンジンをかけて停車していた。臨時切符売り場にいた係員に聞いたところ,今日 は時間を決めないで ピストン輸送 だそうだ。座席が埋まり次第発車するという。 山頂から尾瀬沼方面 に下ったときのことを考えて,念のため, 沼山峠発 の最終についても確認したところ,午後5時と言うことだった。

 2 山頂まで
 身支度をして駐車場を出発したのは7時を6分ほど過ぎていた。少し寒いが,歩き出 せば暖かくなるだろう。

 木道の表面が 霜で真っ白 になっているが,多くの泥靴で踏まれ,白い部分は僅かしか残っていない。
 肩に提げた温度計は 4℃ を示している。予想はしていたが,足場が悪い。ぬかるみは深くはないのだが,多くの 足で踏まれているため,一面が泥だらけである。途中でTさんがスパッツをつけた。もう少し高度 が上がれば, 岩含みの道 になるはずなので,私はスパッツはつけずに歩いた。

 広沢田代 はかなりの広さを持った湿原で,中央付近にいくつかの 池塘 が集まっている。湿原に飛び出した途端に,鮮やかな草もみじが目に飛び込んでくる。 後ろを振り返ると, 会津駒ヶ岳 大津岐山 の上に姿を現してきた。 会津駒ヶ岳 の山頂から 中門岳 にかけてのなだらかな稜線が,とぎれとぎれに見える。もう少し高度が上がれば,もっ とよく見えるようになるだろう。

 再び急な斜面を登る。途中,灌木の開けたところから 広沢田代 を俯瞰する。まるで,箱庭みたいに見える。背後の 会津駒ヶ岳 も背を伸ばし,その特徴ある頂を見せている。

 50分ほどで 熊沢田代 に着いた。 熊沢田代 は,傾斜のある細長い湿原で,中央にある2つの 池塘 の間を通って木道が設置されている。
 湿原の入り口に立つと,湿原全体とその奥に, 燧ヶ岳の山頂 が望める。 水平にも垂直にも広がりを持つ大パノラマが目の前に広がる。 燧ヶ岳の山腹 には登山道もはっきり確認できる。

 左に目をやれば,懐かしい 日光の山々 の特徴ある稜線が確認できる。 赤薙山 から 女峰山,帝釈山 へのライン。 小真名子山 の右には 大真名子山と太郎山 が重なって見える。もう少し登れば, 男体山や白根山 の姿も見えるはずだ。
 ここから山頂までのコースは, 岩のゴロゴロしたガレの直登があり,かなりきつい。 多くの登山者が休憩をとっていたが, 途中で休むと後がきつくなるので一気に登ってしまった。 Tさんの調子が悪い。車に酔ったため,食べ物が食べられなかったのだ。Tさんの状態に今まで気 づかず申し訳なかった。この後,山頂までは僅かな距離だったが,ゆっくり登った。山頂へは北側 の シャクナゲ の林の中を登る。日陰には数日前に降った が溶けずに残っていた。突然に 爼ぐら の山頂に飛び出す。

 3 山頂で
 まず, 富士山 の姿を探す。すると,頂に雪の白さを持った特徴ある形が 赤城山 の右肩の高い位置に浮かんでいる。間違いなく富士山である。 爼ぐら 山頂は,多くの登山者で,足の踏み場もないほどに混雑している。順番待ちをして,記 念写真を撮る。 燧ヶ岳 の山頂には4つの峰がある。 爼ぐら,柴安ぐら,ミノブチ岳,赤ナグレ岳 である。最高峰は 柴安ぐら で2356m,次が 爼ぐら で2346m, 赤ナグレ岳 2249m, ミノブチ岳 2220mとなる。
 「燧ヶ岳山頂」 の標識は 柴安ぐら にある。そこで,私たちも 柴安ぐら を目指した。荷物を 爼ぐら にデポしておき,空身で往復する人の姿も目立ったが,私たちは, 柴安ぐら で昼食にするつもりなので,荷物を持ったまま歩いた。片道30分もかからない道だ が,Tさんの具合が良くない。 キクさんがTさんのザックを持ち,ゆっくり登った。  山頂 はここも混雑していたが, 記念写真を撮り ,隙間を見つけて腰を下ろした。



 陽射しは強烈だが,気温が低く,じっとしていると汗が冷えて寒い。ポットに入れて 持参したお湯でモズクスープを作って飲んだ。食事の後,パノラマを写真に収めた。持参したカメ ラは,今年3月に購入した2台目デジカメ  SONYのDSC-P5 ,小型のデジカメで,高性能だが,操作に慣れないためか失敗作もある。露出が,極端 にオーバーしてしまうことや,接写の際のピンボケなど,操作をマスターすれば防げるのだと思う けれど。
 尾瀬ヶ原と至仏山


 尾瀬沼の背後に日光連山

 隣のマナイタグラは多くの登山者で賑わっていた。


 4 下山
 さて,下山をどの方向にするか相談した。登った道を 御池 に下るか, 沼の方 に下りて, 沼山峠 からバスで 御池 に戻るか。登ってきた道が,ぬかるんでいたことと,段差がかなりあり,そこを下るの は気乗りがしないことなどから, 長英新道を下り,大江湿原から沼山峠に向かう ことにした。時間は十分にある。この選択は正しかった。道のぬかるみも殆ど無く,段 差も少なかった。傾斜も緩く,たいへんに歩きやすかった。この道ならば,登るのも楽ではないか と想像できた。
 下山途中, ミノブチ岳 から 柴安ぐら を振り返った

 葉を落とした ダケカンバ が白い幹を光らせている。

 長英新道 を降って,尾瀬沼畔の歩道に出た。

 大江湿原の草紅葉



 ゆっくり歩いて2時間20分で 長蔵小屋 に着いた。小屋付近はいつもながら混雑している。都会の雑踏と大差ない。
 一休みして 沼山峠 に向かった。途中に展望所があるが,樹木が伸びてしまい,かつてほどの展望は得られ ない。このコースは, 沼山峠休憩所 の手前50mほどを除き, 全部に木道が敷設 されている。
 1時間ほどで 沼山峠 に着いた。バスは,朝に確認したとおり,座席が埋まり次第に発車するピストン輸送を しており,私たちが乗ると間もなく出発した。私たちが乗ったバスは, 御池 を経由して 七入 の駐車場まで行く。 御池の駐車場 に戻ったときには,駐車場の車は半分ほどになっていた。
 好天に恵まれ,すばらしい一日だった。

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