閉じる
西 ノ 湖

2003年(平成15年) 4月19日(土)


コース・タイム
 宇都宮(7:55) ⇒ 竜頭の滝駐車場(9:15)
  駐車場(9:24) → 滝上(9:34) → しゃくなげ橋(9:47) → 小田代ヶ原(10:30) → 休憩所(10:41) → 弓張り峠(10:49) → アザミ橋(11:35) → 吊り橋(11:47) → 西ノ湖(11:53-12:10) → 千手バス停(12:54-昼食-13:44) → 熊窪(14:08) → 赤岩(14:53) → 菖蒲ヶ浜(15:24) → 駐車場(15:34)
 竜頭の滝駐車場 ⇒ 宇都宮

同行者
 妻

 この週末は天気が下り坂である。今日はなんとか持ちそうだが,明日は雨という予報 だ。何処へ行こうかと考えたが, 奥日光の西ノ湖 に決めた。 カラマツ の芽吹きや アカヤシオ の開花には早すぎるが,春の風を感じながら, 静かな山歩き ができると考えた。この時 期に 西ノ湖 に行くのは初めてだ。
 朝の宇都宮は霧が出ていた。夏であれば,朝霧は好天の証拠ということだが,この時 期では分からない。その霧も,日光に近づくに従い徐々に晴れ, 竜頭の滝 の駐車場に着く頃のは薄日も射してきた。風は南から南東の風で,強い風ではなく,冷 たくもない。駐車場の車も僅かで,シーズンの境目だということを感じた。ただ, 中禅寺湖 では,この日,船による釣りが解禁され,多くの釣り人が出ていた。


 竜頭の滝 に沿って 滝上 まで登り,そこからは 湯川 に沿って 石楠花橋 まで進んだ。

 竜頭の滝 から少し進んだところで 「シカ侵入防止ネット」 を通過する。このネットは 2002年1月 に完成したもので,歩行者が通過するところには,専用のゲートが設置されている。

 シカ侵入防止柵 についての説明

 シカ侵入防止ネットは,栃木県によって 1998年 小田代原 の周囲に設置されたのが最初で,その成果を踏まえ,環境省が, 2001年度の冬 戦場ヶ原全体 を取り巻くネットを設置した。 しかしこれは恒久的なものではなく,植物の回復状況 を見ていずれは撤去される。
 私たちは, 石楠花橋 を渡ってから右に入り, 小田代原 を目指した。この付近の カラマツ林 は特に見事だが,当然ながらまだ芽吹きの気配はない。冬の間に落ちた枝が,歩道上に 散乱している。一面の クマザサ も,踏み付けられたように押し倒されているが,これもまた積雪の影響によるものだ。

 小田代原 に近づくに従い,歩道面が雪で覆われるところが増えてきた。殆どの場所は,固く締ま っているが,残雪が多いところでは,何回か踏み抜いてしまった。

 小田代原 でも雪解けが進み,一部に水が溜まっていた。

 小田代原 から舗装道路に出て, 弓張り峠 に向かった。舗装道路には雪は全くなかった。 赤沼 千手ヶ浜 を結ぶ 「低公害バス」 来週末(4月26日) から運行を再開する。 弓張り峠 から アザミ橋 へ向かう道路をのんびりとあるいた。
 途中, 古い橋 が,そのまま残っているところがあった。かつて,車の乗り入れが自由だった頃,私も 車で吊り橋の手前まで乗り入れ,西ノ湖に行ったことがあるが,その時にこの古い橋を渡った記憶 がある。


 昨年8月に来たときには,このあたりで シカ の姿を見たのだが,今日は何も見えない。シーズン中は多くのハイカーで賑わうこのコ ースも,今日は気持ち悪いほど静まり返っている。ハイキングコースに入ってから,これまでに出 会った人はたったの4人。 小田代 までの歩道で追い越した2人と,小田代の舗装道路ですれ違った2人だけだった。
 いたるところに 「クマに注意!」 の看板があり,なんとも不気味だった。クマは本来,冬は冬眠するはずなのだが,昨年 12月に 菅沼から白根山登山道を 300mほど入ったところで クマを目撃 したという情報もあり,冬だから安心というわけでもない。そこで今日は,リュックに 付けた鈴をしっかり鳴らしながら歩いた。
 アザミ橋 から 西ノ湖 へ向かう歩道にも,冬の間に落ちた木の枝が散乱していた。

 西ノ湖 は,中央部分だけが僅かに解けていたが,その他はまだ真っ白に凍結していた。 水量は極端に少なかったが,冬はこのくらいが普通なのかもしれない。

 ここで昼食にしようと,切り株に腰を下ろして湯を沸かしはじめたら,突然雨が降っ てきた。空は明るいので,大降りにはならないだろうが,とりあえず,荷物をまとめて引き上げた。  千手ヶ浜のバス停 に休憩所があり,雨をしのげるので,そこで昼食にすることにして,西ノ湖を後にした。
 このあと,駐車場に帰着するまで,小雨がパラついていた。
 西ノ湖 から 千手ヶ浜 に向かう遊歩道 「千手の森歩道」 は,いつ来ても静かで良いところだ。遊歩道から樹林の中に入ることは禁止されており, それだけに,自然に近い姿で保存されている。
 今回特に目立ったのは,ごく最近に 切り倒された木 がたくさんあったことだ。この中には,歩道上に倒れたために,切られて取り除かれた ものもあるが,それ以外にも根元から切り倒された木もあった。たぶん, 森林保護 のために,立ち枯れたものなどを意図的に伐採したものだと思うが, 少なくない数 だったので驚いた。ただ,切り倒されたものは, 搬出せずにその場に放置 し,自然に朽ちていくことに任せていた。
 千手ヶ浜のバス停 で昼食にしていると, マウンテンバイク に乗った男性 が1人, 千手ヶ浜方面 へ走っていた。 弓張り峠 から 千手ヶ浜 までは下り坂で,殆どペダルを踏まずに来られるだろうが,帰りは大変だろうなと思っ た。
 男体山 を背景に千手ヶ浜で写真をとった。


 千手ヶ浜 菖蒲ヶ浜 の間の 中禅寺湖北岸遊歩道 も静かで良いところだ。いろいろな時期に来ているが,この時期に来るのは初めてだ。 遊歩道は,冬を越えてかなり荒れていた。落石のために 手すりが壊された 場所も数カ所あり,早急な修復が必要だ。もうじき アカヤシオ の時期となり,ハイカーが押し寄せるだろう。
 途中の 栃窪 と呼ばれる湖岸に,大きな オオヤマザクラ の木があり,中禅寺湖の方に枝を張り出している。花が咲くと見事だ。


 日陰の遊歩道上で, 自転車 のタイヤの痕を見つけた。なんと,先ほど見た マウンテンバイク は,この遊歩道を通って行ったのだ。もちろん,自転車に乗って走れるところばかりで はなく,担いで歩かなければならないところも多い。チャレンジ精神と勇気を讃えたいが,たぶん この遊歩道は 自転車の乗り入れを禁じている はずだ。世の中には,社会の決まりなど,自分の都合良いように解釈する人もいるが, これもハイカーの少ないこの時期だからできることで,ハイシーズンの時期では危険が多く無理だ ろう。
 この季節になると,午後3時をすぎてもまだ夕暮れの気配はない。

 ページトップへ