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西 ノ 湖

2003年(平成15年) 5月10日(土)


コース・タイム
 自宅発(6:19) ⇒ 竜頭の滝駐車場(7:24)
  駐車場(7:35) → (朝食) → 赤岩 → 千手ヶ浜(9:57) → 千手の森遊歩道 → 西ノ湖(10:50-11:14) → 西ノ湖入り口(11:35-52) ⇒(バス)⇒ 弓張り峠(12:02) → 戦場ヶ原(12:50-昼食-13:37) → 石楠花橋→滝上(14:33) → 駐車場(14:41)
 竜頭の滝駐車場(14:53) ⇒ やしおの湯(15:30-16:40) ⇒ 自宅(17:50)

同行者
 妻

 4月19日以来 3週間ぶりに同じコースを歩く  ただし,今回は逆コースとし,帰路に アザミ橋 から 弓張り峠 まで,運行しはじめた 低公害バスを使う ことにした。
 一昨年の5月13日 にこのコースを歩いたが,そのときは アカヤシオ が満開で,大変に感激した。今年はどうなのか楽しみだった。
 今朝の 宇都宮 は曇り空ではないが,全体に もや が懸かり, 日光連山 は見えない。朝もやは好天の兆しとも言うので,期待して車を日光に進めた。さすがに 日光道路 も今までの土曜日よりは車は多めだ。 いろは坂 を登るに従い,もやが晴れ,陽が射してきた。 竜頭の滝駐車場 も停まっている車は殆ど無い。ここでトイレを済ませ,身支度をして歩き出した。
 頬に当たる空気が爽やかで心地よい。長袖のシャツで歩き出したが,ちょっと寒いく らいだ。
 日光プリンスホテル の裏をまわって遊歩道路にでると, チツボスミレ の控えめな花が迎えてくれた。この タチツボスミレ は,山地だけでなく,平地でもいろいろなところで見られるが,その大きさや花の色に 個体差が大きい。実は,またそのことが楽しさを与えてもくれている。


 白い小さな花が足元で咲いている。 ワチガイソウ の花だった。 ミツバオウレン に似た花だが,ミツバオウレンより花びらが幅広で,葉は細長い。この仲間に, ヒゲネワチガイソウ があるが,こちらは花びらがもっと細く,枚数が多い。

 この 遊歩道 は,いつも良く整備されており,安心して歩くことができるが,冬の間に傷んだところ の復旧は,まだ完全ではない。しかし,通行に危険を感じるほどではなく,ゆっくりと花を見なが ら歩くことができた。
 シーズン中にこのコースを歩くときは,混雑を避けるため,早朝に自宅を出, 歩き出してから朝食をとる ようにしている。いつも朝食をとる場所は,遊歩道の入り口と赤岩の中間点付近にある 場所で, 大きな岩 が湖の方に突きだしているところだ。あまり広くはないが,ベンチのような岩もあり, 腰掛けて休むのに絶好の場所だ。 ここでいつものように朝食にした。
 周囲には アカヤシオ トウゴクミツバツツジ があり,時期が合えばきれいな花に出迎えられる。


 数年前から,このコースを歩くとき必ず写真を撮る場所がある。それは, 「トチノキのある浜」 という説明板のある入江で,湖岸の砂浜に枝を張り出した 桜の木 の所だ。
 ところが,いままで,その桜の花が咲いているのを見たことがなかったのだが,今日 は初めて満開の桜を見ることができた。正確な名前は分からないが,たぶん 「オオヤマザクラ」 だと思う。ピンクの色が濃く,赤褐色の葉が同時に顔を出す。 満開の桜の下で念願の写真を 撮ることができた。


 千手が浜 は静かだった。始発のバスが到着してから20分ほど経っているので,乗ってきたハイ カーたちはもう歩き出したのだろう。
 千手ヶ浜からは 「千手の森遊歩道」 を歩いて 西ノ湖 に向かった。いつ歩いても静かないい遊歩道だ。途中,右側の川沿いの林の中には,以 前からプランクトンネットを空に向かって固定したようなものが設置されていたが,その数が以前 より倍増していた。冬の間は取り外すようで,3週間前に来たときには設置されてはいなかった。 これは, 落ちてくる種子を集めて調べる ためのものなのだそうだ。
 足元では, コミヤマカタバミ の白い花が咲き始めていた。

 西ノ湖 は,3週間前とは見違えて 増水 していたが,湖水は透き通っており, たくさんの魚 が泳いでいた。まだ時間が早いので,昼食は戦場ヶ原で食べることにして,西ノ湖を後 にした。数組のハイカーとすれ違ったが,バスが西ノ湖入り口に到着したのだろう。軽装で家族連 れのグループもおり,一気ににぎやかになった。
 吊り橋から アザミ橋 までの両側は,カラマツの自然林で,私は 芽吹きの時期のこの道がとても好きだ。 静かな落ち着いたいい道だ。3週間前に来たときに散乱していた木の枝もきれいに片づ けられていた。
 アザミ橋 から 弓張り峠 まで 低公害バス(ディーゼルと電気によるハイブリッドバス) に乗った。まだバスの乗客は少ない。 弓張り峠 でバスを降り, 小田代原 の北を通って 湯滝 に向かう道を辿った。
 昨年4月28日 に,高山に登り, 弓張り峠 から 西の湖 に向かったとき, カラマツの雄花,雌花 を見つけ,写真に撮ることができた。小田代原の周囲を歩く今日のコースでは,カラマ ツの近くを通過する。そこで,何とか写真に収めようと,
カラマツの雌花 を夢中になって探した。 雄花 は見つけられたが, 雌花 は見つけられなかった。


 小田代原 から 泉門池 に向かう樹間の道は,いつ歩いても気持ちいい。夏は,日陰を提供し,冬は寒い風を遮 ってくれる。
 歩きながら足元を見ると,白い小さな花が咲いている。 ヒメイチゲ だ。あまりにもかわいらしく,気づかずに通り過ぎるところだった。 アズマイチゲ に似たその花は,小さくとも,しっかりと自己主張している。


  戦場ヶ原 自然研究路 に出たところにある「ハリギリ広場」のベンチで遅い昼食にした。おむすびを食べてい ると,私の背後に シカ が近づいてきた。妻に教えられ振り向くと,立派なメスジカが1頭,10mほど離れた ところに立っていた。ここは 「シカ侵入防止ネット」 の内側の場所だから,本来ならシカは入れないはずなのだが。

 「シカ侵入防止ネット」 は2002年1月に完成したもので, 戦場ヶ原 を大きく囲んでいる。歩行者がネットを通過するところには, 専用のゲート が設置されているが, 戦場ヶ原 はその中央を 自動車道路 (国道120号)が通過しており,完全に封鎖することはもともと不可能なのだ。
 シカは別に逃げようともせず,私たちの近くを通り, 湿原 の方へ歩いていった。ここにはベンチがたくさん設置されており,ここで昼食にするハ イカーも多い。どうやら,その残飯をねらっているらしい。
 ここから, 湯川 の流れに沿って付けられた 「自然研究路」 を歩いて 竜頭の滝 へ向かった。 湯川 では,釣りが解禁となり,多くの釣り人が出ていた。ところが,彼らは,川の流れに沿 って川岸を 我が物顔 に歩いている。彼らの歩いているところは 植生が剥がされ  黒い地肌 がむき出しになっている。なんとも痛々しい限りだ。我々ハイカーは, 湿原保護 のため,木道を外さないように注意して歩いているのに,何とかならないものかと思っ た。 渓流釣り のできる場所はほかにもたくさんあるのだから, 湯川 全面禁漁 にしたところで,彼らにとって大きな不利益にはならないはず。行政の英断を望みたい。

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