閉じる
黒 斑 山

2003年(平成15年) 5月18日(日)


コース・タイム
5月18日(日)
 宇都宮(5:04) ⇒ 足利(6:23) ⇒ 伊勢崎IC(6:31) ⇒ 横川SA(7:03-軽朝食15) ⇒ 佐久IC ⇒ 車坂峠(8:15)
  登山口(8:33) → 赤ゾレの頭(10:12) → トーミの頭(10:34) → 黒斑山(10:55-昼食-11:56) → 登山口(13:54) 
 駐車場(14:00) ⇒ 沼の平 ⇒ 高峰温泉(14:53-泊)
5月19日(月)
 高峰温泉(9:15) ⇒ 旧碓氷峠 ⇒ 中軽井沢(昼食) ⇒ 松井田妙義IC ⇒ 伊勢崎IC ⇒ 宇都宮(14:09)

同行者
 妻

 5月19日は24日の土曜勤務の振り替えで休みになる。そこで,泊まりがけで出か けることにした。とにかく 温泉 に入りたい。山歩きができて温泉に入れる宿を探した。
 この時期,よほどの高山でない限り雪は心配ないだろう。ということで, 高峰温泉 に泊まり, 黒斑山 に登ることにした。
 ここには, 昨年3月 に行ったことがある。 車坂峠 にある 「高峰温泉ホテル」 に泊まり, 黒斑山 に登った。山にはまだ雪があり,軽アイゼンを付けて登った。雪の斜面を登るのは初め てだったが,なんとか頂上まで行くことができ,雪をかぶった 浅間山 に感動した。
 今回の天気は,初日の方が良いようなので,朝早く自宅を出発し, 黒斑山 に登ってから宿に泊まることにした。
 宇都宮から足利を通り 伊勢崎IC から 北関東道 に乗った。ここから 高崎JCT で関越道に出, 藤岡JCT 上信越道 に出る。道路は空いており,快調に進んだ。 横川SA で, 軽く朝食を食べた。 佐久IC で一般道路に出, 高峰高原 に向かった。
 道の両側では サクラ が咲いている。 車坂峠 までの道を 「チェリーパークライン」 と呼んでいるが,その意味が分かった。この時期,両側に植えられた サクラ が花を付けている。開花は,標高の低いところから始まり,徐々に高度を上げていって, やっと峠辺りまでやってきていた。車坂峠までは定期バスも通じており,マイカーでなくても来ら れる。


 思ったより早く 車坂峠 まで来ることができた。 高峰高原ホテル 前の駐車場に駐車させてもらい,出発の支度にかかった。今日のザックは,雨具のほか, 軽アイゼン やザックカバー,スパッツも詰め込んだので,いつもより重い。薄曇りで,時折陽も射 してくる空模様で,寒くはない。時間はたっぷりあるので,ゆっくりと歩いた。靴は,先月購入し た アク・アイガー というマウンテンブーツを履いた。まだ,足にはなじんでおらず,外側の指先が当たっ て痛い。靴を保管するときに,靴の内部に木の棒を挟み,横幅を広げる工夫をしているが,その効 果があるのか,随分と痛みは軽くなってきた。妻も, シリオ のマウンテンブーツを履いている。こちらは少し遊びが多すぎるようだ。
 峠周辺では,まだやっと 芽吹き が始まったばかりだった。

 登り初めて直ぐは カラマツ の中を登っていく。ちょうど芽が吹き出したばかりで,とても可愛らしい。これならば, 日光で見つけられなかった カラマツの雌花 に会うことができるかも知れない。キョロキョロしながら歩いたが,チョット見ただけ では分からなかった。帰路に念入りに探すことにして,まず,山頂を目指した。

 昨年3月に来たときには,一面が雪で覆われていたが,今は,雪は,日陰のごく一部 に残っているだけとなった。
 ガレを横断する  積雪期には,雪の斜面になっていたところだ。

 地面には大小のレキが露出しており,雪の時より歩きにくくなっている。前回来たと きは, 車坂山 のピークを過ぎたところで,中コースの方に入り込んでしまったが,雪が消えてしまう と,その場所に道や踏み跡は見られない。この辺りという場所を左に見ながら,右の斜面を登った。
 徐々に高度を上げて行くに従い, カラマツ の樹高は低くなり,足元近くまで枝を広げているものも出てきた。一本の木でも,日当 たりの違いなのか,伸びている葉芽の長さが場所によって違っている。
 槍が鞘 の避難壕は,前回見たときよりかなり大きく見えた。前回は,半分くらいが雪に埋もれ ていたのでそのように見えたのかも知れない。
 ここから少し登ると, 赤ゾレの頭 に出る。

 ここから見る浅間山は, 黒斑山頂から見る浅間山 より美しい気がする。 浅間山の左側には, トーミの頭 と,そこへ登る道が見える。トーミの頭へは,ここから少し下り,登り返さなければな らない。急なガレの登りだが,浅間山を右に見ながらの登りで楽しい。

 トーミの頭 には,崩れかけた標識がある。

 岩陰に 「非常用サイレン」 と書かれた木箱があり,その中に 手回しのサイレン が入っていた。もし,噴火などの 異常事態が発生したら  このサイレンを鳴らして,近くの登山者などに知らせてほしいと書いてある。


 黒斑山の山頂手前から 湯の平 に下る道がある。 草滑り と名付けられた急な坂道がよく見える。

 草滑りへの分岐表示

 振り返ると, 蛸が鞘の避難壕 が見える。この程度で身を守れるかどうかは別問題として,活火山への対策は取られて いる。

 黒斑山から更に先に進むと, 蛇骨岳 に至る。

 山頂標識 の前で写真を撮った。前回訪れたときの写真では,標識の下部3分の2以上が雪の下に 埋まっていた。改めて,その時の積雪量を確認したことになった。

 山頂 まで来ると,それまで 前掛山 に隠れていた 浅間山の山頂 が見えるようになり, 火口 からは 薄青色の噴煙 が立ち上っているのが見えた。時おり塊状の噴煙を上げており,活動がかなり活発だと いうことが分かる。

 山頂 を望遠レンズで捕らえた。手前の稜線が 前掛山 ,その奥が 浅間山 で,噴火口から薄い煙が立ち上っているのが見える。

 蛇骨岳 から,更に目を右に移せば, 仙人岳,鋸岳 と, 浅間山の外輪山 が続いている。

 鋸岳 の先は Jバンド となり, 外輪山はここで終わる

 山頂から少し戻り, 監視カメラの鉄塔 の前で昼食にした。


 昼食を食べながら目の前に広がる 浅間山 の山腹を眺めた。大型スクリーンに映し出される映画を,最前列で見るような細密さと 迫力で,迫ってくる。なんとも素晴らしい。双眼鏡を手にして山腹を覗くと,一本の登山道がまっ すぐに登り,前掛山の影に消えるまでがしっかりと見える。この登山道は,一時期,規制が解除さ れたが,現在は 再び通行止め となっており,風雨のためかかなり痛んでいるように見えた。時折薄日が射す天気で, 風も弱く,穏やかだった。昼食に1時間ほどかけてから,ゆっくりと下りかかった。
 下りでは,ぜひ, カラマツの雌花 を見つけたいと思い,芽を吹き出し始めたカラマツを,詳しく見ながら歩いた。たびた び立ち止まって調べたが,なかなか見つからなかった。中程まで下ってきたとき,やっと一つ見つ けることができた。その後登山口までの間で更に2カ所で雌花を確認した。
 カラマツのような 裸子植物 では花びらはなく,花びらのように見えるものは 「鱗片」 という。中央が薄黄色で両側が薄紫の花はとても可愛い。また,木によって微妙に色が 違うのも面白い。





  帰路, 車坂山 の小鞍部からの登り道で,足元に小さな白い花が咲いていた。 ヒメイチゲ だった。先日, 日光戦場ヶ原 で見たものより一回り小さい。でも,三枚の葉を精一杯広げてその真ん中に白い花を咲 かせている。その姿は,何とも可愛い。


 登山口 に降りたのは2時少し前。まだ宿に行くのは早いので,車で, 高峰林道 を通り, 地蔵峠 まで行ってみることにした。 高峰林道 は未舗装で,崖の上から落ちてきたと思われる大きな石なども見られ,慎重な運転が必 要だ。
 実は,この道路は25年ほど前に一度通ったことがある。その時私たちは,まだ小さ かった子どもたちと 奈良原 に滞在していた。 黒斑山 に登るため, 奈良原 から 地蔵峠 通り, 湯の丸林道 から 高峰林道 をぬけて 車坂峠 まで走ったのだ。当時を思い出すと,もっと道は狭く,路面ももっとでこぼこしていた ような気がする。
 池ノ平 には立派な駐車場ができていた。駐車場から池ノ平までは直ぐだが,今日は行かないこ ととした。
 地蔵峠 は, 小諸から鹿沢温泉に抜ける道 の峠にある。古来から通行の要所であった。そのため,小諸の 新張(みはり) から 鹿沢温泉 まで 100体の地蔵 を安置したという。現在は,僅かしか残っていないが,10番区切りの地蔵様は大きく, 現在まで残っているものも多い。 地蔵峠 のお地蔵様は 八十番 「聖観音」 が祀られている。

 浅間連峰周辺案内図

 沼の平湿原


 湯の丸高原



 今回, 高峰温泉 高峰温泉のホームページ)に宿泊したが, 大いに満足した。清潔な部屋と,素晴らしい温泉,そして 若いスタッフの爽やかな応対 ,特に,細かな気配りに感心した。夕食時に,各テーブルを廻り,それぞれの明日の予 定を聞き,相談にのったり,アドバイスをしたりしていた。簡単なようだが,山のこと,地域のこ とに精通していないとできないことだ。私たちは,宿から 篭ノ塔山 まで往復する予定だと話したら,車で池ノ平駐車場まで送ってくれると言う。そうすれ ば縦走コースがとれるので有り難い。さっそくお願いした。結局は天候が悪く,その山歩きは中止 となってしまった。
 次の日は, 高峰温泉 から 高峰林道, 湯の丸林道 を通って 地蔵峠 にぬけ, 奈良原 を通って 東部町 へ下った。
 18号線をゆっくり戻り, 旧碓氷峠 まで行ってみたが,霧の中で何も見えなかった。休日ではないので, 峠の茶屋 は閉じていた。
 その後, 中軽井沢の駅前 まで戻り, 「かぎもと屋」 のそばを食べた。正午前と言うこともあって,客は少なかったが,25年前と味は変わ らず,おいしかった。

参考
高峰林道・湯の丸林道 交通規制
 ・ 高山植物の保護のため,6月から夜間通行止め。
 ・ マイカー規制(2003年)
   規制日  7月 12,13,19,20,21,26,27
          8月 2,3,9,10,14,15,16,17,23,24
   規制日には,高峰温泉,地蔵峠間でマイカーの通行が止められ,シャトルバスが 運行される。
 詳しいことは, 高峰温泉のホームページ

 ページトップへ