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太 郎 山

2003年(平成15年) 6月21日(土)


コース・タイム
 自宅発(5:56) ⇒ 山王峠駐車場(7:18)
  駐車場(7:28) → 登山口(7:34) → 山王帽子山頂(8:33) → 最低鞍部(8:55-9:09) → ハガタテ分岐(9:26) → 小太郎山頂(10:17) → 山頂(10:50-昼食-12:01) → 小太郎山頂(12:42) → ハガタテ分岐(13:28) → 山王帽子山(14:12) → 登山口(14:53) → 駐車場(15:02)
 駐車場(15:15) ⇒ やしおの湯(16:00-50) ⇒ 自宅(17:30)

同行者
 妻

 今週末は,梅雨時にも関わらず,かなり 良い天気 になる予報だった。前日に県外出張 から帰り,疲労感はあったが,出かけてしまった。
 雨でも降っていれば, 庚申山 コウシンソウ を見に行ってもいいと思っていたが,好天なのでそれだけではもったいない。というこ とで,奥日光の 太郎山 に登ることにした。

 39年前の太郎山登山 ・・・「ブロッケン現象」「お花畑のビバーク」 etc
 太郎山 に登るのは実に39年ぶりである。学生時代に友人と登ったのが最後で,それ以降登っ ていない。当時,太郎山に登る人は少なく, 山頂標識 も無かった。そこで,山頂標識を立てようと考え, になる角材と, 山名 を彫り込んだ板とを,担ぎ上げた。
 期日は7月31日, ハガタテ から登り, 太郎山頂 を経由して 志津小屋 に泊まり,8月1日には, 登拝祭 で賑わう 男体山 に裏から登る計画だった。
 ところが,荷が重かったのか,体調が優れなかったのか,コースが予想以上に荒れて いたためか,登りに時間がかかりすぎ,山頂に着いたのは 午後5時 を過ぎていた。テントは持参していたので, ビバーク は怖くはなかったが,飲み水が僅かしか残っていな い。頂上直下の 「お花畑」 でビバークすることを覚悟して,山頂にしばらく留まった。
 しばらくすると,西の方か ら弱い風が吹き出し,辺り一面を覆っていた 霧を吹き払い だした。東側の谷からわき上がってきた霧は,山頂で折り返し,東の方になびきながら 登っていく。すると,殆ど真横にある 太陽の光 を受け,自分の影が霧の中に投影され,影の中の自分の顔のあたりを中心として虹の輪 が取り囲む。 「ブロッケン現象」 である。小学生の時に読んだ科学の本で,知識としては知っていたが,体験するのは初 めてであった。 荘厳さ の中の言葉にできない感動体験を,今でもしっかりと記憶している。
 お花畑 の真ん中にテントを張り,夜を明かした。何匹かの動物がテントの周りを歩き回り, 「ギャッ,ギャッ」 と啼いている。 キツネ だったことは後で知ったことで,気味の悪い思いをした。夜半を過ぎると, 近くに 話し声が聞こえる。何を話しているかは分からないが,人の話し声であることは間違い ない。気味悪かったが,男体山の登拝祭で 頂上に登った人 たちの話し声であることはすぐに分かったが,あまりに も近くに聞こえるので驚いた。

 光徳方面 から 太郎山 に登るのは, ハガタテ というガレ場を登るのが一般的だった。39年前に登ったのもそのコースだった。とこ ろが,たび重なる集中豪雨により崩壊が進み,落石の危険が高くなったため,現在は 通行止め になっている。昔も,落石が多く危険なコースであったのだが,我々は,それを承知で 登っていたのだ。
 現在, 光徳方面 から 太郎山 に登るには, 山王峠 から 山王帽子山 を越えて行くルートしかない。 山王帽子山 の登山口は駐車場からさらに100Mほど進んだ処にある。登山口近くの路肩にも数台 程度の駐車スペースがある。
 山王峠にある 駐車スペース

 登山口


 登山者は多くはないのか, クマザサ が登山道を覆い尽くしている

 散り残った ミネザクラ

 シャクナゲ は殆ど散っていた


 山王帽子山頂 の標石

 コメツガ の新芽  



 山王帽子山 の山頂を過ぎ,反対側に下り始めると, 太郎山 の山頂が見えてくる。 最低鞍部 まで高度にして150mほど下らなければならない。せっかく登ったのに,もったいな い。また,帰りにはここを登らなければならないことを考えると辛い気分だ。
 右の最も高く見えるのが 小太郎山 太郎山頂 は,左側の白く見えるガレの上のピーク

 最低鞍部を過ぎて少し進んだところに ハガタテ道 の分岐がある。

 ハガタテ道 は,崩壊が進み,現在は通行止め中


 小太郎山 を目指して登る



 キバナノコマノツメ

 小太郎山頂の三角点標石  標石の表には 「御料局三角点」 と書かれている。現在はここには三角点はなく,水準点がある。


 正面に岩壁が見える。この岩壁の上に 旧火口 「お花畑」 がある。後方の山は 女峰山



 小太郎山 から 太郎山 の山頂までは,快適な尾根歩きだ。 高山植物 も豊富で,楽しませてくれる。


 小太郎山から先は少しの間 岩稜歩き

 フデリンドウ

 ヒメイチゲ


 キジムシロ ミツバツチグリ に似ているが,葉が異なるので区別できる。

 エゾハタザオ


 コミヤマカタバミ

 ツガザクラ


 イワカガミ の群落

 噴火口跡の お花畑 を見下ろす。中央を横切る道は, 新薙コース の登山道。背後は 大真名子山


 ここで, 新薙コース と合流して 山頂 に向かう。


 山頂 には10人ほどが休んでいた。さらに,途中で追い越してきた 壬生ハイキングクラブ の30人も到着し,賑やかになった。この 山頂標識 は,39年前に私たちが立てたものではない。さすがに残ってはいなかった。


 山頂には,崩れかけた 小祠 が残っていた。


 山頂では1時間ほどかけて昼食休憩をとり,ゆっくりと下山にかかった。往路を辿って 下山したが,登山口まで距離があるので,下山にも約3時間かかった。
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