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茶 臼 岳

2004年(平成16年) 2月21日(日)


コース・タイム
 宇都宮(自宅)(7:30) ⇒(高速道)⇒ 那須大丸駐車場(8:35)
  大丸(9:04) → ロープウエイ駅(9:36) → 峠の茶屋(9:55-10:00) → 峰の茶屋(11:00-07) → 山頂(11:55-12:15) → 峰の茶屋(12:50-55) → 休憩(13:30-14:00) → 峠の茶屋(14:08) → ロープウエイ駅(14:20) → 大丸(14:38)
 大丸駐車場 ⇒ 宇都宮自宅 

同行者
 妻

 那須 峰の茶屋 付近の強風はすさまじい。私も2年ほど前の9月に 朝日岳 に登ろうとして,あまりの強風に 途中で引き返した ことがある。特に,冬季の強風はものすごく,遭難者が出ることもあるくらいだ。
 今年も,2月15日に行われた,栃木県山岳連盟主催の 冬山安全教室 でも,中の茶屋 跡まで行けず,峠の茶屋付近で雪洞訓練をせざるを得なかったという。
 冬型の気圧配置の時には,三斗小屋方面から抜けてくる風の通り道となり,風速が倍 加する。 移動性高気圧 に覆われたときがチャンスなのだが,そんな天気はひと冬に幾度もない。
 ところが,この週末, 日本全土が大型の移動性高気圧に覆われる と言う予報が出た。千載一遇のチャンス到来と言うことで, 那須 に出かけることにした。 茶臼岳 には今までに何度も登っているが,積雪期に登ったことはない。初挑戦だ。

 大丸 の駐車場に着いたのは8時35分。自宅から65分で着いた。さすがに,高速道を使う と速い。 大丸 の駐車場に停まっている車は,まだ少ない。正面に 朝日岳 が朝日を受けてが輝いている。

 大丸より上の道路は閉鎖中 だ。いつも駐車している 峠の茶屋駐車場 までは,ここから40〜50分かけて歩かなければならない。


 準備をして, アイゼン を付けて出発した。ルートがよく分からないが,車道を横切りながら, 踏み跡 をたどっ て登っていった。傾斜もかなりあり,汗をかいた。
 シーズン中賑わっている ロープウエイ駅 も今は静かだ。

 峠の茶屋 は冬期閉鎖中だが,小屋の前で休憩にした。登山口の左にある 鳥居 も,1mほどを残して雪に埋もれていた。ここには風が当たらないので,雪がたっぷり とあった。


 ここから急な斜面を一気に登り,稜線へ出る。灌木が生えているところで,まだ風は 殆ど吹いてこない。
 徐々に高度を上げていくと,灌木もまばらになり,正面から吹き付けてくる風も強く なってきた。
 ここで, 奇妙なもの を見た。 踏み跡に沿って,雪が固まって土手のようになって続いているもの だ  踏みつけられた雪は固まり,風で飛ばなくなるため,土手のように盛り上がって残る ことになる。いかに風が強いかを証明するようなものだ。


 ここまで来ると,ミミズクの耳のような 2つの尖塔 が見えてくる。見慣れた双耳峰も,雪をかぶると,また違った雰囲気になる。

 正面に 峰の茶屋 が見える。ここから 峰の茶屋 までは雪は殆どない。強風で吹き飛ばされてしまったのだ。 岩がむき出しになっている。


 峠の茶屋の登山口より 峰の茶屋 まで60分かかった。無雪期は45分程度で来られる道だが,今日はアイゼンを付けて の歩行なので,まあまあの時間だった。
 今日は穏やかだといっても,時々,体を持って行かれそうな強い風が吹きつけてくる。
 登ってきたルート を振り返る。雪はあまり見えない。


  朝日岳 に登るため,剣が峰を登る人が見える。無雪期は 剣が峰 の右側をトラバースするのだが,積雪期は落石や雪崩で危険なため,剣が峰を越えて行 くのだ。逆に, 無雪期は,剣が峰は崩壊がひどく,登山禁止 になっている。


 山頂へ向かうが,この道も雪は少ない。 山頂 へ向かうルートから山頂を望む。


 山頂付近 は,強風と地熱のため,雪が殆ど無い。 峰の茶屋 から45分で山頂に着いた。夏時間と大差なかった。

 山頂は風が強いため 「エビのしっぽ」 が発達していた。しかし,今日は気温が高く, 山頂の祠 についたエビのしっぽも,融け始まっていた。


 山頂から見る景色はさすがに一級品だ。残念なことに,今日は気温が高いため,遠方 は霞んでしまい,よく見えない。しかし,近くの, 流石山 から 大倉山 にかけての稜線は真っ白に輝いている。


 今日は,初挑戦ながら無事に山頂を踏むことができた。今日は 土曜日 でもあり,もっと多くの登山者がいるものと思っていたが,予想外に少ないので驚いた。 今日一日で出会った登山者は 10人程度 だった。 アイゼン を付けている人が多かったが, 軽アイゼン の人もいたし,アイゼンを 全く付けていない 人もいた。
 もっとも,今日歩いたコースの状態ならば,アイゼンは付けなくとも歩くことはでき た。 大丸から登山口を経て中の茶屋跡まで は雪が多かったが,凍結はして居らず,防水の効いた登山靴なら十分に歩けた。また, 中の茶屋跡から峰の茶屋 まではレキがむき出しで,アイゼンを付けているとかえって歩きにくい。 峰の茶屋から山頂 までも,一部を除いて雪は少なく,アイゼンを付けない方が歩きやすい。ただ一カ所, 山頂直下の 雪渓をトラバース気味に登るところ だけは,スリップすると大事故になるので,足元はしっかりした方がいい。

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