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高  山

2004年(平成16年) 2月28日(土)


コース・タイム
 宇都宮自宅発(7:25) ⇒ 竜頭の滝上駐車場(8:35)
  駐車場(8:45) → 尾根(9:32) → 山頂(10:45-昼食-11:05) → 無名峠(11:28) → 熊窪(11:57) → 栃窪(12:22) → 赤岩(12:33) → 休憩(13:00-22) → 菖蒲ヶ浜(13:36) → 駐車場(13:57)
 竜頭の滝上駐車場 ⇒ 宇都宮

同行者
 単独

 良い天気の時に家にいると,なんとなく落ち着かない。2月になって毎週末何処かに 出かけている。風邪も引かず,健康で居られることに感謝しながら,今週もまた出かけた。妻は今 日は留守番ということで,単独行となった。
 候補に挙がったのは, 高山 の他, 切込刈込湖  社山 などだったが,無雪期に何度か訪れて,ルートが分かっている高山に決めた。もちろん 積雪期に登るのは初めてだ。雪の状態が分からないので, スノーシュー アイゼン を両方とももって出かけた。

 竜頭の滝上駐車場 には8時35分に着いたが,既に2台の車が停まっていた。だが,人影はなかった。 アイゼン をザックに入れ, スノーシュー はザックにくくりつけて歩き出した。 登山口から入ると,新しい足跡が1人分あったので, 先行者が1人 いることが分かった。  300mほど入ったところで,足が潜るようになったので スノーシュー を履いた。先行者も同じ所でスノーシューを付けたようだ。


 先行者の足跡は山の裾を巻いて進んでいたが,私は 夏道に沿って斜面を登っていった 。古い足跡には新雪が5cmほど積もっていた。


 小規模の 雪崩 の跡があった。ルートの上を流れ下り,トレースを消していた。気味が悪いので,急い で通り過ぎた。

 スノーシュー では斜面をトラバースしたり,急斜面を登るのは難しい。途中で スノーシュー を脱いで, アイゼン を付けた。急斜面の雪は良く締まっており,足が潜ることは殆どなかった。
 尾根 に出ると,雪は少なくなった。北側の 戦場ヶ原 からの風が強いのだろう,雪は尾根の南側のほうが多い。尾根に出ると,再び 先行者 のスノーシューの足跡が出てきた。先行者は私とは違うルートを取ってここまで来たら しいが,どんなルートなんだろう。確かに,夏道で良くある 斜面のトラバース は,雪道ではあまり歩きたくない。  雪道では, 斜面を直登 して稜線を進む方が安全だ 。たぶんそのようなコースを通ったのだろうが,確認はで きなかった。

 高山の名物は アズマシャクナゲ である。5月中下旬になると,シャクナゲを見物するハイカーで賑わう。シャクナゲの 葉は,葉をを丸めて寒さに耐え,春になるのを待っている。

 雪の斜面に面白いものがあった。雪でできた大きな ドーナツ が立っている。斜面を転がってきてできた円盤の中央部分が抜けてできたのだろうが, こんな面白いものは初めて見た。

 山頂への最後の登り は,斜面の直登である。開けた雪の斜面の直登は緊張する。万が一滑落すれば無事では 済まない。 アイゼン の歯を効かし, キックステップ で一歩ずつ確実に登る。 振り返ってみると雄大な 男体山 の姿がどっしりと構えていた。

 雪の上には,真新しい シカの足跡 が縦横に走っていた。

 登り始めてから 約2時間 で山頂に着いた。山頂も 雪解け が進んでいた。ここで,持ってきたお湯で玉子スープを作り,おむすびを1つ食べた。 風もなく暖かで,眠くなるようなひとときだった。太陽に背中を向けていると,背中の汗が乾いて いく。

 下りは,西側に下り, 熊窪 から 中禅寺湖岸の遊歩道 を歩いて帰ることにした。 山頂の西側 は急な斜面となり,雪は殆ど残っていない。

 斜面を少し降ると,雪も深くなる。振り返って自分の足跡を見る。もちろん 先行者はいない

 先行者の足跡 は雪の上には見当たらなかった。西側の雪のないところを進んだのだと判断した。しか し,この後,先行者の足跡を再び見ることはなかった。ルートでないところを下ったらしい。
 所々にある 赤いテープ を頼りに登山道に沿って下っていった。少し降ると,雪も深くなってきた。ルートは, 一度北に進んだ後,折り返して南に進み,再び折り返して北に戻ってくる。そこで,最も北に進ん だ折り返し点から ショートカット することにした。傾斜はかなりあったが,アイゼンを効かしながら踵から降りていった。 雪もかなり締まっており,危険はなかった。
 分岐点 には 戦場ヶ原方面 から登ってきたと思われる新しい足跡があったが,ルートに沿って登っていったらしく, ショートカットした私と出会うことはなかった。
 分岐から 熊窪 に向かった。踏み跡は全くなく,ちょっと不安もあったが,それよりも,これから先の 出来事に対する,わくわくする興奮があった。
 木の枝についた赤いテープだけが頼りだったが,それも直ぐに見えなくなった。沢に 沿って降ればいいのだが,両側が迫った谷では,谷底に倒木が折り重なっており,谷底を進のは 困難 だった。そこで,地図で現在位置を確認し, 右岸を下る ことにした。行ってみると思ったより簡単だった。少し下ると谷の幅も広がり,谷底を 歩くことができるようになった。まったく足跡のない真っ白な雪の上を,まっすぐに 中禅寺湖 を目指して降った。 熊窪 に近づいたところで, サルの群れ に出あった。雪の上から何かを拾い上げて口に運んでいた。サルたちも,もう少し辛抱 すればおいしい食べ物をふんだんに食べられるようになるだろう。観光客に食べ物をねだる(横取 りする)サルたちとは違い,表情も優しく,かわいらしい。
 熊窪 中禅寺湖畔 に降り,水に手を入れてみた。心なしか,水もぬるんでいるようだった。 ここからは 湖岸の遊歩道 を歩いた。このコースは,年に何回も歩く,私のお気に入りのコースだ。


 遊歩道 には,古くて分からないくらいのたくさんの足跡があったが,最近の足跡はなかった。 その代わり, 動物たちの足跡 が無数にあった。
 ヒトが作った遊歩道を,シカ,サル,タヌキ,などが歩いている。これがなんとも面 白かった。

 日当たりの良いところ は,雪が解けている。でも,日陰の落ち葉の下はまだ凍っている。

 遊歩道 も,ところどころ雪が残っていた。

 暖かな陽射し を浴びて,のどかな山歩きができた。

 菖蒲が浜のスキー場 は家族連れで賑わっていた。リフトには行列ができ,駐車場は満杯だった。
 今日は車を 滝上の駐車場 においてきたので,竜頭の滝の滝壺から滝上の駐車場まで登らなければならない。ここ も,日陰には雪がたくさん残っており,しかも踏み固められてカチカチに凍っている。滑らないよ うに注意しながら登った。 ここは辛かった。

 赤岩 の少し手前で,夫婦2人連れとすれ違った。 「できれば,熊窪から峠を越えて戦場ヶ原の方へ行きたい」 という。 熊窪 から先は, 雪が深く, 傾斜も急で,何よりも ルートが分かりづらい ことを話した。2人の様子から見ても,時間的にも, 無理 だと思ったのだが,はっきりとそう言うことができず,反対 に 「行けそう」 と判断させるような言い方をしてしまった。こんな時には,はっきり 「無理だと思う」 と言うべきなのだろうが, 「余計なお節介」 といわれるのも嫌だし,何よりも自己責任が原則なのだから,自分で判断させればいい ということでそのままにしてしまった。
 この日,出会ったのはこの2人だけだったから,余計に気になる。無事であってほし い。

 先行者が分かった。
 帰宅後,HPを見ていたら,偶然に同じ日に高山に登ったというレポートを発見した。 「ハイキングと百名山日帰り温泉」 というHPを開設している 「サクランボ」 さんだった。

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