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八方ヶ原歩道・雄飛ノ滝歩道

2004年(平成16年) 9月23日(木/祝)

 八方ヶ原の学校平 から 桜沢 に沿って塩原の 塩の湯 まで下る 「前山八方ヶ原線歩道」 というハイキングコースがある。以前から気に入ったコースで,何度か歩いたことがあ るのだが,数年前の台風でコースが崩壊し, 通行止め になってしまった。やっと復旧工事(歩道の付け替え工事)が終わり,通れるようにな った。さらに,新しく スッカン沢 沿いに 「雄飛の滝歩道」 も開通した。
 ここは,隠れた紅葉の名所で,渓谷沿いの歩道はすばらしい。
 唯一の難点は,交通の便が悪いこと。 学校平 までタクシーを利用するか,塩原に車をデポしておくかしないと,縦走ができなかった。 ところが, 雄飛の滝線歩道 が開通して, 縦走 の他に, 周回コース がとれるようになった。
 そこで, 9月23日(秋分の日) このコース 周回コース を歩いてきた。
 学校平 から 雷霆の滝,咆吼霹靂の滝 を経て,高巻きする道を途中まで確認してから分岐点に戻り, 雄飛の滝線歩道 を県道まで戻った。更に県道を学校平まで歩いて戻った。
 舗装道路歩きが長くなるが,十分に楽しめるコースだ。

 コースの見所

 ・ 雷霆の滝(らいていのたき)
 「雷霆」の「雷」はかみなりであり,後ろの「霆」の字は雷の特に強い様を表し,二 つ重ねることで意味をより強めている。滝の音と流れる様を模して「雷霆」と表現したものだ。
 この雷霆と言う単語は「風林火山」に出てくる。『其の疾きこと風の如く、其の徐か なること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、知り難きこと陰の如く、動く こと雷霆の如し』

 ・ 咆吼霹靂の滝(ほうこうへきれきのたき)
 「咆吼」とは,猛獣のほえ叫ぶこと,又はその声を表し,「霹靂」とは雷鳴を表す。 「青天の霹靂」などと使う。
 いずれにしても,滝の音のものすごさを表現した言葉だ。

 ・ 薙刀岩(なぎなたいわ)
 スッカン橋の手前には材木を立て掛けたような岩の柱が並んでいる。その形から「薙 刀岩」と言われている。これは,高原山の噴火によって流れ出た溶岩が冷えて収縮したときに規則 正しい割れ目ができたもので,「柱状節理」と言われる珍しいものだ。

 ・ 雄飛の滝(夕日の滝)
 岩に囲まれた薄暗い場所に差す一筋の光のように見え,夕日が暮れるのも忘れるくら い美しいと言われることから名前の付いた滝である。滝上には滝見台があり,そこから観賞できる。

 ・ 仁三郎の滝(にざぶろうのたき)
 別名を「舞姫滝」という。舞踏場のような滝壺に流れ落ちる滝が,白いスカートをま とった乙女が舞を舞っているように見えることからそう呼ばれている。「仁三郎の滝」はこの滝を 最初に見つけた「仁三郎」の名前を取ったと言われる。


 学校平 (かつてここに開拓団の学校があった)には大きな駐車場と,売店,食堂,公衆トイレ などがある。

 学校平から,桜沢に沿って塩原温泉まで下っていく 「前山八方ヶ原線歩道」 の案内板

 歩道の入口はブロック舗装されている。 右の建物は公衆トイレ

 歩道にはこのような 距離標識 がしっかりと整備されている


 歩道には 山栗 がたくさん落ちていた。野生生物の貴重な食物だ。


 山の神  山の神は,炭焼きなどの山仕事に携わっていた人たちが, 作業の安全を願って祀った もの。昔は,それだけ多くの人々が仕事のために山に入っていたと言うことだ。

 歩道 は良く整備され,2人が並んで歩けるくらいの幅が確保されている。

 雷霆の滝(ライテイの滝)  幅,落差ともに十分あり,美しい滝だ。

 雷霆の滝 付近は絶好の休憩ポイント

 「雷霆の吊り橋」  雷霆の滝の少し下流で,対岸に渡る

 吊り橋から少し下ると, 雄飛の滝歩道との分岐点 に出る。

 分岐から更に少し下ると 「咆哮霹靂(ホウコウヘキレキ)の滝」 に出る。水量が豊富で迫力がある。

 「咆哮」 とは 「猛獣がほえ叫ぶことまた,その声」

 桜沢に流れ込む 「スッカン沢」 に懸かった吊り橋。塩原へはこの橋を渡って下っていく。スッカン沢とは,酸性の強い 水が流れていることから付けられた名前。

 塩原へ下っていく道は,この後で,高巻をするため,斜面をジグザグに登っていく。 その後はしばらくの間山腹を緩やかに下っていいく。 再び,急な斜面を少し下ると,そこは砂防 ダムがあり,車の通れる道に出る。ここから塩原のビジターセンターまでは約1時間かかる。
 分岐まで戻り, 雄飛の滝線歩道 を雄飛の滝に向かって進んだ。 高巻きから河原に降りる 木製階段

 「薙刀岩」 は発達した 柱状節理 が湾曲したもの。

 スッカン沢に懸かる スッカン橋 。これは吊り橋ではなく, 鉄トラス橋 

 雄飛の滝 を見る滝見台

 雄飛の滝

 仁三郎の滝(にざぶろうのたき)  別名 「舞姫滝」

  「素連の滝」 は,対岸の斜面を流れ下る繊細な滝

 雄飛の滝線歩道 も良く整備されている

 新しくできた階段 を登って高巻く

 コンクリート壁に沿って作られた立派な階段を上って 県道 に出る

 雄飛の滝線歩道の入り口標識

 歩道入口から橋を渡った対岸にある 駐車場   30台程度停められる。 公衆電話もあり,ここへタクシーを呼ぶこともできる。


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