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尾 瀬 テント泊

2005年(平成17年) 6月25日(土)-26日(日)


コース・タイム
6月25日(土)
 宇都宮(4:50) ⇒ 戸倉駐車場(6:30)   戸倉(6:45) ⇒(乗合タクシー)⇒ 鳩待峠(7:15)
  鳩待峠(7:40) → 横田代(9:10-45) → アヤメ平(10:15-50) → 竜宮(12:40-13:10) → 見晴テント場(13:40-泊)
6月26日(日)
  見晴テント場(7:25) → 東電小屋(8:10-15) → ヨッピ橋(8:30-50) → 三叉路(9:30-50) → 山の鼻(10:30-11:15) → 鳩待峠(12:20)
 鳩待峠(12:50) ⇒(乗合タクシー)⇒ 戸倉駐車場(13:10)   戸倉駐車場(13:30) ⇒ 白根温泉(14:00-15:00) ⇒ 宇都宮(18:00)

同行者
 妻

 最近, テント泊 をしたくなって, テント を購入 した。2人でテント泊ができるように, シェラフ も新しく1つ買い, エアーマット なども買った。
 テントも軽量化が進み,私でも担いで歩けるようになったのが大きな理由だが,若い 頃に経験した 「自由さ」 に対する憧れも大きかった。
 山小屋泊も,手軽で魅力があるが, シーズン中の休日 混雑 がひどく,場所によっては殺人的な状況になる。仕事の関係で,休日の山行が中心とな る現在,テント泊はかなり魅力がある。
 テントの 使い初め をどこにしようかと考えたが,いきなり稜線のテント場では厳しすぎるので,水道,ト イレなどが完備している 尾瀬 見晴しキャンプ場 でテントを張ることにした。
 天気予報も,好天を告げていたので,いよいよ実行した。

6月25日(土)
 鳩待峠  背後には,先月初めに登った 至仏山 が見えていた。
 登山口にいた指導員の話によると,今年は 残雪 が多く,登山道の 7月開通 のためにロープ張りなどが急ピッチで行われているが,思うように進んでいないという。 それにしても良い天気だった。この時間から, 強い陽射し がジリジリと照りつけていた。

 サンカヨウの花  ここの サンカヨウ は,図鑑で見るものより, 葉の縁の切れ込みが大きい  あるいは別種なのか?

 多くの ミズバショウ は盛りを過ぎ,化け物のような大きな葉を広げていたが, 横田代 の隅でで見かけたものは,ちょうど良い大きさだった。花の後,種子の育った芯の部分 はタンパク質が多く, が好んで食べに来るのだそうだ。

 今日の荷物  私の荷物は,約 18kg

 今日の荷物  妻の荷物は約 12kg

 タテヤマリンドウ が強い陽射しに,花びらを精一杯広げていた。

 チングルマ 尾瀬ヶ原 では咲き終わって綿毛になっているものもが多かったが,ここ 横田代 ではいまが満開だった。

 横田代 至仏山 を振り返る。ここで, ボッカさん,ハイジさん,エミさんたちと合流 し,竜宮まで一緒に歩いた。

 アヤメ平の湿原復元工事 は,始まって30年以上経つが,復元のスピードは遅い。自然を壊すのは簡単だが,元 に戻すのには大変な時間が必要になる。

 タケシマラン  葉裏につり下げられる花は,とても小さい。


 白い花びらを持つ シロバナエンレイソウ は珍しい。別名 ミヤマエンレイソウ という。


 ナガバノモウセンゴケ は,北海道の他には, 尾瀬地区 と奥鬼怒の 鬼怒沼 にしか自生していないという。

 見晴のテント場 に着いた。テント場では,陽射しを避け,大きな木の下にテントを張った。でも,これ が 間違いだった。 ブユ の大群に襲われた。テント場を管理している燧小屋で 蚊取り線香 を買ってきて,なんと か凌ぐことができた。
 グランドシートを広げ

 ペグを打ち,綱を張る  練習の意味もあり,基本通りに設営した。


6月26日(日)
 テント記念  一夜を明かしたテントの前で記念撮影。テントは,外から見ると小さいが,中は想像 したよりはずいぶん広い。


 タヌキラン  「ラン」 と言う名前がついているが,これは カヤツリグサ の仲間。花穂が狸のしっぽに似ているという。

 山小屋の脇に咲いていた キヌガサソウ (植えたものらしい) 大きな葉と白い花びらは豪華だ。日本固有の1属1種の植物だ という。

 ハクサンチドリ には色の濃いものと薄いものがあった。これは淡色のもの。


 オオバタチツボスミレ は平地でも良く見られる タチツボスミレ の仲間。花が大きく華やかだ。

 ウワミズザクラ  桜でもソメイヨシノなどと花の形が全く違う。 シウリザクラ に似ているが,葉柄の付き方で区別できる。


 東尾瀬ヶ原橋   老朽化が進み, 定員3人 と書いてあった。

 ヒオウギアヤメ アヤメ と違い,外に垂れ下がる3枚の大きな花びら (外花被) の間に立つ,3枚の細長い花びら (内花被) が見えない。

 ヨシッポリ田代 は,尾瀬で 熊の目撃情報 が最も多いところだ。その入り口に 熊よけの鐘 が用意してあった。備え付けの金槌でたたいてから通るようにと書いてあった。



 クワガタソウ  とても小さい花で,撮影するのに苦労した。木道の上にはらばいになって撮影した。
 ズミ  尾瀬ヶ原の周辺部と,拠水林では ズミ が花を付けていた。ズミは,湿原の乾燥化によって進出してくる代表的な植物だ。


 ヨッピ橋  しっかりした吊り橋だが,歩くとかなり揺れる。数十年前に,今にも切れそうな先代 の吊り橋を渡ったことがある。山の鼻からここまで来て引き返すハイカーが多かった。日帰りコー スにはちょうど良いのだろう。

 浮島  池塘の中の小島が,底の部分が沼底から離れると 浮島 となり,風に流されて,水面を移動するようになる。

 ミツガシワ  池塘に咲く ミツガシワ  水面に映った姿が面白い。 3枚の葉 が特徴的


 ミツガシワの花  拡大してみると,花びらの表面にある白い糸状の毛が面白い


 ヒメシャクナゲ はこの時期の尾瀬ヶ原を代表する花だ。小さい花だが,群生していると遠くからでもよ く分かる。

 ニッコウキスゲ は時期的にはまだ早いので,咲いていたのは僅かだったが,蕾はたくさん付いていた。

 ワタスゲ は尾瀬の夏を代表する花だ。と言っても,この白いのは花ではなく,咲き終わった後の 綿毛だ。

 尾瀬周辺の樹林帯では,大小様々の マイヅルソウ が花を付けていた。



 今回のテント泊は 「大成功」 と言っていいだろう。 次回のために,改善点,反省点を挙げると。
1 エアーマットをもう一つ買う。
 今回は, エアーマット を1つと, スポンジマット を1つ持って行ったが,スポンジマットは持ち運びがかさばり,寝ても寝心地が悪い。
2 虫対策を考える。
 蚊,ブユなどはどこに行ってもいるものと思わなければならない。今回は, シートの虫除け を持って行って手足や顔に塗ったが,かなり効いたようだ。ただし,時間が経つと効果 が薄れるようで,何度か塗り直しをしたが,手足など何カ所か刺された。シートの虫除けは,テン ト泊にかかわらず,これからも山行の必需品になるだろう。
 蚊取り線香 を小屋で買って使ったが,これも効果があったようだ。テントの入口で煙を立てておく ことで,テントの入口を開けてバーナーなどを使うことができた。電池式の蚊取りもあるが,軽量 化を考えると「蚊取り線香」は良いかもしれない。
3 食事計画を十分に考える。
 今回は全てファーストフード系だったので,調理と言うほどのことはしなかったが, 何かを作ってみるとまた,楽しくなるのだろう。
 山行における食事は, エネルギー補給 と同時に, 精神的な満足感や喜び を味わうものである。食べたいものを食べることで, 精神的ストレスが開放され,疲労も癒される 。そんな角度から,もう一度食事計画を考え直してみる必要がある。
 とにかく,好天に恵まれ,楽しいテント泊を実行できた。尾瀬は「端境期」だが,多 くの花に遭うことができ,十分に満足した。18kgの荷物を担いで一日行動する大変さも体験で きたし,もう少し担げそうな自信も湧いた。

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