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尾  瀬

2005年(平成17年) 10月10日(日)-11日(月)


コース・タイム
10月10日(月)
 宇都宮(3:50) ⇒ 御池駐車場(6:20)  御池(7:00) ⇒(バス)⇒ 沼山峠(7:20)
  沼山峠(7:30) → 長蔵小屋(8:40-9:00) → 沼尻(9:55) → 見晴原の小屋(11:40-昼食-12:30) → 温泉小屋(13:00-泊)
10月11日(火)
  温泉小屋(7:40) → 平滑ノ滝(8:00) → 三条の滝(8:40-45) → 御池方面分岐(8:55-9:05) → うさぎ田代(9:30) → 段吉新道分岐(9:40) → シボ沢橋(10:35) → 渋沢温泉分岐(10:55) → 西田代(11:17) → 横田代(11:25) → 上田代(11:40-昼食-12:30) → 駐車場(13:00)
 (入浴-尾瀬御池ロッジ) 御池(14:00) ⇒ 宇都宮(16:45)

同行者
 妻

 毎年,10月になると, 涸沢 の写真が雑誌や新聞で紹介され,生の姿がTVで中継される。今までは,指をくわえて 眺めることしかできなかったが,今年はぜひとも出かけようと,早くからその計画を立てて準備を 進めた。山小屋が混雑するということで, テント泊 をしようと テントを購入 し,装備も必要な物を揃えた。
 しかし,事情により涸沢に行くことが難しくなったので,その代わりに 尾瀬でテント泊 をしようとにしたのだが,今度は私が風邪をひいてしまい,計画は挫折してしまった。
 10月にはいると TVの旅番組 では 紅葉の尾瀬 を連日のように放送している。これを見て,平日ならば山小屋の予約も取れそうなので, 平日小屋泊まり という計画で尾瀬行きを復活させた。

10月10日(月・体育の日)
 今日は 3連休最後の休日 なのだが明日が平日なので, 温泉小屋 の予約が取れた。しかし,紅葉期の尾瀬は,平日でもかなり混雑することは知っている。 大半は 日帰りハイカー であり,駐車場は早くから満車になる。 御池駐車場 が満車になると,麓の 七入 で止められ,七入からバスに乗らなければならなくなる。
 そこで,確実に,御池駐車場に駐車するため,宇都宮を4時に出発した。御池駐車場 に着いたのは6時20分頃で,この時間では駐車場は2割程度が埋まっているに過ぎなかった。宿 で一緒になった人の話などを聞くと,結局 この日は遅い時間でも全部御池駐車場まで上がることができた という。

 御池駐車場 


 御池駐車場から 沼山峠 へは,シャトルバスで向かう。通常の始発は7:00となっているが,混雑期は臨時ダ イヤで運行しているようで,6:30にもバスが1台出て行った。私たちは7:00発のバスに乗 った。バスの中では, ボランティアガイド が, ブナ林 について解説をしてくれた。 ブナもみじ  ブナあらし など知らないことも聞くことができ,よかった。
 沼山峠 で身支度を調え,バスで一緒に来た人たちが出発した後,ゆっくりと出発した。尾瀬で は 木道 の整備が進み,ほとんど土の上を歩かなくてもいいほどになった。おかげで,今日のよ うな長雨の後でもぬかるみを歩くことが少なくなり,とても楽になった。しかし, 濡れた木道 はとても滑りやすく,注意しながら歩いたにもかかわらず,何度も足を滑らせ,尻餅を つきそうになった。かかとに重心を置くと滑りやすくなる。 足の平全体で着地 し,足を上げるときも,地面を蹴るのではなく,足の平全体で押すようにするとすべら ないことがわかった。
 もう 花の時期は終わり  咲いているものは ツルリンドウ など僅かだった。 シラタマノキ の真っ白な実(これは萼片が肥厚したもので,本当の実はこのなかにある)と, ゴゼンタチバナ の真っ赤な実が目立っていた。 マイヅルソウ の実は赤く透き通っており,思わず口に入れたいほど美味しそうだった。
 シラタマノキ 

 マイヅルソウの実

 ツルリンドウ

 大江湿原 の草紅葉は終わりに近づいており,茶色を濃くしていた。ガスのかかった 尾瀬沼 を背景に立つ 大江湿原 三本唐松 の姿は,いつ見ても絵になる。湿原の周囲の林には カエデ などの色鮮やかな紅葉もあり楽しませてくれた。
 大江湿原 と,そのシンボル 三本唐松

 途中で見つけた カエデ

 ツリバナ

 長蔵小屋 で休憩した。いつもネットで見ている 尾瀬沼ライブカメラ をみつけ,毎時11分に画像が更新されるので,それに写ろうかと思ったが,時間が中 途半端だったので,諦めて 沼尻 に向かった。
 沼尻の少し手前を歩いているとき,沼の方から モーターボート の音が聞こえてきた。尾瀬沼では緊急時以外ボートの使用は禁止されているはずだ。何 事かあったのかと見ていると,沼尻に着いたボートから 怪我人を乗せるソリ を脇に抱えた数人が降りてきて,そのまま 尾瀬ヶ原 の方に向かって早足で歩いて行った。けが人が出たらい。
 沼尻休憩所 で休憩した後,見晴に向かった。
 白砂湿原

 白砂乗越 の少し先の林の中で,先ほどの 救助隊員 がけが人の手当をしていた。スノーボートの上に乗せたけが人の左足に添え木をして固 定していた。けが人の顔色は蒼白で,苦痛に耐えていた。これから,開けたところまで運び,そこ に ヘリコプター を呼ぶらしい。
 女性の救助隊員が, 「木道がたいへんに滑りやすくなっているので十分に注意してくだ さい」 と声をかけてくれた。この怪我人も滑って転倒したのかも知れない。
 林間の道

 見晴らしの手前まで来ると,時々晴れ間も見え,陽も射してきた。陽が当たると,紅 葉が一斉に輝き出す。
 見晴 では,6月にテントを張った テント場 まで行ってみた。見えるところにはテントが1張り張ってあったほか,到着してこれか らテントを張ると思われるグループが2グループほどいた。
 原の小屋 の休憩所に入り, キノコ汁 を注文した。キノコ汁にはめずらしい カノシタ が入っていた。独特の香りがあるキノコだ。
 昼食を摂り,出発した。予定では,これから 竜宮 まで行き, ヨッピ橋 から 東電小屋 を廻って 温泉小屋 に行くことになっていたが,空模様が怪しくなってきたので, 温泉小屋 に直行することにした。
 弥四郎小屋 の前まで来ると,若い娘さんに声をかけられた。山仲間の ボッカさんの娘さん だ。彼女が,山の鼻の 至仏山荘 に手伝いに来ているということは聞いていたが,まさかここで会えるとは思っていなか ったのでびっくりした。わざわざ会いに来てくれたのだ。
 下田代の草紅葉とシラカバ
 温泉小屋の窓から眺めた紅葉



 温泉小屋 には13時に着いたが,受付は13時半からということで,小屋の中で時間を潰した。 温泉小屋には本館と別館があり,本館は全て個室で,個室料金が必要だ。ちなみに,今日は個室は 満室だという。
 別館の8畳間をあてがわれた。やがて船橋から来たという御夫婦が到着し,この部屋 は 4人 になった。十分に伸び伸びできた。
 温泉は, 自然に湧き出した鉱泉を加熱 しているということで, 入浴時間は3時30分から8時まで ということだった。沸くのを待って一番に入ったが,きれいな温泉で気持ちよかった。 やはり, 石けんやシャンプーは使えない
 夕食は,TVで放送していたものと同じで, ブリの照り焼き が付いた。そのほかも美味しかった。 熱燗の日本酒が600円 だった。これからは生ビールではなく熱燗の季節だ。この温泉小屋の営業も 10月15日 までだという。冬がすぐそこまで近づいている。

10月11日(火)
 夜は,小屋の周囲はガスに覆われていたが,夜明けとともに晴れていき,出発の頃に は見通しが良くなった。
 朝食後,御池に向かって出発した。

 温泉小屋のホームページに 御池駐車場のコインを差し上げます と書いてあったので,受付に言うとコインをくれた。御池駐車場は 1回1000円 なので,戸倉の駐車場が 1日1000円 なのに比べると安いが,コインをもらったので無料となった。自家用車族にとっては 有り難いサービスだ。 コインは水芭蕉をかたどった可愛いものなので,記念に写真を撮った。


 段吉新道 三条の滝 への分岐から先は道が 細く なり,傾斜も になる。
 決して急いでいたわけではないが,ここまでに何組かを追い越し,ついに団体に追い ついてしまった。 木製の階段 が濡れており,滑りやすい。 ロープを使いながら一人ずつ後ろ向きで降りていくので, 渋滞 している。ここでは追い越すこともできないので,我慢してついて行った。
 紅葉は, 三条の滝 より 平滑の滝 の方がきれいかもしれない。


 三条の滝 は滝見台から眺めるが,標準レンズでは1枚の写真に納まらない。この写真は,2枚に 分けて写したものを,「フォトステッチ」と言うソフトでつなぎ合わせたものだ。


 三条の滝 から 段吉新道 までは,急な登りだ。しかし,滑りやすい木道よりは安心して歩ける。下田代から御池 まで,燧ヶ岳を巻くようにつけられた歩道は, 燧裏林道 と言い,ファンの多い紅葉の名所だ。

 途中で,団体に道を譲ってもらい,追い越して先に出た。少し歩くと,前後に人影が 無くなり, 静かに歩くことができた ブナ の大木に混じった カエデ がほどよく色づいて,とてもいい雰囲気だった。  紅葉は,陽の当たった葉を裏側から見るのがきれいだ。 オオカメノキ がきれいに色づいていた。

 シボ沢 に架かる吊り橋。この橋の上から下流方向に 平が岳 を望むことができる。

 横田代
 写真が傾いているように見えるが,これは 湿原が傾いて いるためであり,写真はほぼ水平を写している。

 上田代
 ここで 即席麺 を作って食べた。先ほど追い越してきた団体が,木道を通りながら 「おいしそう」 と声を掛けて通り過ぎていった。どういうわけか,山で食べる即席麺はほんとうにおい しい。


 上田代 から駐車場はすぐだ。
 駐車場の車は,いっそう少なくなっていた。 「はとバス」 」の黄色い車体が3台停まっていた。東京から直行したのかと思い,運転手にたずねる と,昨夜は麓のホテルに泊まってきたという。はとバスには, 尾瀬散策コース というものもあるらしい。
 尾瀬御池ロッジ で入浴した。天然温泉ではないが,広い浴場でゆっくりすることができた。1人500円。  入浴後,帰途についた。

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