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高  山

2006年(平成18年) 3月21日(火)


コース・タイム
 宇都宮(7:30) ⇒ 竜頭の滝上駐車場(9:00)
  駐車場(9:25) → 斜面下(9:45) → 稜線上(10:45) → 頂上(12:35-軽昼食-55) → 無名峠(13:25) → 高山入口(14:00) → 駐車場(14:35)
 駐車場 ⇒ 宇都宮

同行者
 妻

 いつもよりはやや遅く,宇都宮の自宅を7時30分に出発した。
 第二いろは坂 は,前日降った季節外れの雪が,所々に残り, 凍結状態。 途中でチェーンを付けている車や,立ち往生している車が数台有った。私の車はFFだ が,この秋に取り替えた 新しいスタッドレスタイヤ は快調で,轍に数回ハンドルをとられたが無事に登り切った。

 中禅寺湖畔 の道路も同じ状態で,除雪車が雪かきをしていた。 竜頭の滝 の公衆トイレで用を足そうとしたが冬季閉鎖中で,仕方なく 赤沼 の公衆トイレまで行って用を足し, 竜頭の滝上駐車場 まで戻って車を停めた。
 駐車場 は完全に除雪されていた。先客は1台のみで,山歩きの準備をしていた。私たちが出発 する頃にもう1台来て 3台 となった。

 駐車場の裏の林に入って,雪の状態を確かめたが, 10cm ほど積もった雪の下は木の葉で,雪解けがかなり進んでいることが分かった。 スノーシュー は,この状態なら不要かと思ったが,念のため担いでいくことにした。結局は使うこと はなく,単なるロードウエイトの役目に終わった。
 高山登山口 から山道に入ったが,先行者のトレースは全くなく,ここ数週間にここを歩いた人はい ないようだ。

 夏道は北側の斜面を トラバース的に登っていく のだが,途中に2カ所ほど 雪崩 の危険の高いところがある。 (地図の×印)  以前に雪崩が起き,死者が出たこともあるところだ。
 今日は, 新雪が10cmほど ということで,雪崩の危険はさほど高くはないのだが,ここを避けてルートを取った。 斜面の麓を北側に回り込み,北側の尾根を直登し稜線に出るコー ス (地図のA
 麓を歩きながら斜面を見ると,小規模な雪崩は起きているらしく斜面の下部には 大小のデブリ が見られた。やはり,夏道はできれば歩かない方がいい。
 尾根を直登するこのコースは積雪期には一般的なコースだと聞いているのだが,どっ こい, この斜面に苦労させられた。
 斜面の麓 では,新雪の下は, 古い雪が30cm ほど融け残りザラメ状になっていた。表面はかなり固まっており,つぼ足で歩いても潜 るようなことはなかった。斜面を登る前に アイゼン を着けた。


 それほど急に見えなかった斜面は,徐々に角度を増していき,それに伴い,古い雪が アイスバーン になっていった。岩混じりの斜面で,立木を手がかりにできるのだが,枯れた木が多く, うっかりつかんだ木が折れ,1mほどすべり落ちた。木が生えていたので大事にはならなかったが, ハッとした。
 アイスバーン では靴底を斜面と並行にし, アイゼンの歯を氷の面に直角 当てなければならないことを,身をもって体験した。しかし,斜面が急であり,靴底を 斜面と並行にするのが難しい。直登したり,ジグザグのコースを取ったりしながら,スリングを木 にかけて手がかりにしたりして,なんとか 稜線 に登り着いた。

 110mほどの標高差 の斜面を 1時間 かけて登った。立木が有ったので斜面の恐怖感は無かったが,何度か 「戻ろうか」 と考えたほどだった。しかし,凍った斜面は, 登るより降る方が難しい ことも分かっていたので,先に進んだ。私は,それなりに何とかなる自信はあったのだ が, にはかなりきつかったと思う。
 それまでは殆ど風が無かったのだが,稜線に出るとさすがに 風がある。 でも,天狗岳で味わったような,針で刺すような痛さはなく,春を感じさせる風だった。
 山頂 までは, 尾根筋 を外さないように歩けば良く,夏道を確認しながら,時には夏道どおりに,時には夏道 を外れて歩きやすい所を歩いた。あるのは動物の足跡だけで 人間の足跡は全くない  最高に気分がいい。駐車場では雪が舞っていた天気も,稜線を歩く頃には薄日が射し てきて,暖かくなった。

 本当の核心部は,山頂への最後の登り (地図のB) だ。 大きな木がまばらに立つ 開けた斜面 で,ここを登るのは気持ちがいい。

 高度感もあり,万が一滑ったらなかなか止まりそうにない斜面で,かなり緊張させら れる。でも,この斜面は, キックステップが効き,気持ちよく登れた
 夏道は,斜面の上部で斜面をトラバースし,左側の尾根に取り付くのだが,今回はジ グザグに進み,斜面を詰めた。かなり成就感がある。
 山頂 には誰もいなかった。



 山頂の手前で,降ってくる単独の男性に会った。これから,私たちが来た方向に降る という。彼は土踏まずに付けるタイプの軽アイゼンを着けていた。多分,夏道を下るのだろうが, 雪崩に遭わないことを祈る。
 写真を撮り,軽く食べていると,夫婦二人連れが反対側から登ってきて,昼食を広げ た。私たちは平地に降ってから昼食にしようということで,下山にかかった。予定では, 熊窪 に降ることを考えていたが,斜面の状態があまり良くないので,無理をせず, 戦場ヶ原 の方に下ることにした。
 山頂から 西の斜面 を夏道通りに下り,大きく北側に回り込む。しばらく進んだところで,夏道は,再び大 きく南側に進み,折り返してくるのだが,今日はここから斜面を真っ直ぐに降る (地図のC) ことにした。2年前に単独で来たときには楽しく降りられたので,それほど大変ではな いと思っていたのだが,そのときに比べて 今回は雪が少なく  古い雪がアイスバーンになっているところもあり,かなり苦労した。


 しかし,時間的には随分と早く, 分岐 まで30分で降ることができた。分岐の先,コブに沿って少し進み,右へ降りると,こ こからはほぼ 平地歩き になる。足跡にそってだらだらと歩く。


 途中,開けたところがあり, そこから見る男体山 が美しかった。

 赤沼から千手が浜に通じる車道 は,一般車はもとより,低公害バスもまだ通っていないが,特別に許可された車がとき おり通っているため,轍の雪が解けていた。春を身近に感じる姿だ。


 何処かで昼食にしようかと思ったのだが,何となく食欲が無く,結局 駐車場まで戻ってしまった。 駐車場 に戻ったときには,周囲の雪はすっかりと消え,枯れ草が顔を出していた。
 帰路は, いろは坂 を含め,路面の雪はすっかりと消えていた。

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