北 横 岳

期日 2006年(平成18年) 3月31日(金)〜4月1日(土)
 


コース・タイム
 3月31日(金)
   宇都宮 ⇒ 上信越道 ⇒ 佐久IC ⇒ 女神湖 ⇒ スズラン峠 ⇒ ロープウエイ駅(9:50)
     ロープウエイ山麓駅 ⇒ 山頂駅
       ロープウエイ山頂駅(10:40) → 縞枯山荘(11:05-15) → 雨池峠(11:25) → 林道(11:45) →
          → 雨池(12:20-55) → 林道(13:30) → 雨池峠(14:15) → 縞枯山荘(15:20)
 4月1日(土)
      山荘(8:20) → 坪庭入り口(9:20) → 横岳分岐(9:25-35) → 三ツ岳分岐(10:00-05) →
          → 北横岳ヒュッテ(10:10-15) → 南峰(10:20) → 北峰 → 南峰 → 北横岳ヒュッテ(11:00) →
          → 三ツ岳分岐(11:05) → 三ツ岳(11:35) → 昼食(11:50-12:10) → 分岐(12:25) →
          → 坪庭(12:55) → ロープウエイ駅(13:00)
    ロープウエイ山頂駅 ⇒ 山麓駅
  山麓駅 ⇒ 女神湖 ⇒ 佐久IC ⇒ 宇都宮

同行者
   キクさん,チコ

ロープウエイ駅まで
 出かける3日ほど前から,八ヶ岳付近では毎日のように雪が降り,白樺湖のライブ画像によれば,路面も積雪で真っ白になっている。上信越道を佐久ICで降り,望月から女神湖,スズラン峠を通ってロープウエイ山麓駅まで行くのだが,最高点のスズラン峠が標高1750mある。当然,路面は凍結していると思われた。私の車はFF,スタッドレスタイヤを履いているので,そのままでも大丈夫だろうと思ったが,一応,タイヤチェーンを持った。
  望月から県道152号に入って高度を上げていくと,日陰の斜面に雪が現れ始め,県道40号に合流すると路面にも雪が残っているようになった。徐々に雪で覆われた路面が増えたので,蓼科牧場付近でタイヤチェーンを着けた。行き交う車はスタッドレスタイヤだけで,チェーンを着けている車はなかったが,安心のためにチェーンを着けて走ることにした。ここからロープウエイ駅まで,路面はほぼ圧雪または凍結していた。


ロープウエイ
 ロープウエイ山麓駅へは10時少し前に着いた。ほぼ,予定通りだった。駐車場はきれいに除雪されていた。ここは思ったほどには風はなく,暖かい。
 身支度をしてロープウエイに乗り込んだ。
スノーシューは必要ないと判断し,車の中に置いて行くことにした。
 今日は平日なので,ロープウエイの乗客は少ない。その中でも,スキーヤーが殆どで,山登りの格好をしているのは我々3人の他はわずか1人だった。ゴンドラの下には
銀世界が広がっていた。


縞枯山荘まで
 山頂駅を出ると,一面の銀世界だった。太陽が照りつけ,サングラスをしていても眩しい景色だった。やはり,風が強い。身支度を調えて,縞枯山荘に向けて歩き出した。

 ロープが張ってあり,標識が出ているのだが,新しく積もった雪のために踏み跡が全くない。見当を付けて少し進と,赤い標識のついた棒が雪の中から顔を出し,ルートを示してくれた。

 踏み跡の全くない雪面を歩くのは何とも気持ちの良いことだ。しばらく歩くと,20人ほどの若者のグループとすれ違った。テント泊をしたらしく,全員大きな荷物を担ぎ,ワカンを履いていた。この時刻にすれ違うと言うことは,どこに泊まったのだろう。

 木の枝にはたっぷりと雪が付いていた。


 間もなく縞枯山荘に着いたが,入口には「ロープウエイまでトレースを付けに行っています。少しお待ちください」と書かれた札が下がっており,誰もいなかった。

雨池へ
 この後,縞枯山または雨池を計画していたが,どちらに行くかは,雨池峠まで行って考えることにして山荘を後にした。雨池峠にはすぐに着いたが,風が強い。この状態だと,縞枯山はもっと風が強いだろうと言うことで,縞枯山を諦め,雨池までピストンすることにした
 峠までは古い足跡があったが,ここから先は,全く足跡がない。雪もかなり深く積もっている。立木の開け具合や傾斜,僅かに残っているマーカーの赤テープを頼りに新雪の中に足を踏み入れる。ルートを外さなければ,新雪の下に踏まれた古い雪があるので,膝くらい以上には潜らないが,ルートを外すと,腿くらいまで潜る所もある。ラッセル(と言うほどでもないが)を繰り返し,斜面を降って双子池の方から来る林道に出た。ここから雨池までは殆ど傾斜のない林道歩きだが,例によってトレースはなく,新雪がたっぷりと積もっている。



 林道が大きく右にカーブするところから左の斜面を降りて雨池の畔に出た。斜面は大きな木が立ち並び,雪もたっぷりと積もっている。
深い雪と格闘しながら降っていると,右斜め前に何か動くものが見える。良く見るとカモシカだ。小さいので子どものようだ。カモシカも深い雪で身動きがままならない様子だった。

 雨池は真っ白な雪原だった。風当たりの弱そうな場所を選び,雪を踏み固めシートを広げ,ちょっと遅い昼食にした。  やはり,長く休んでいると寒さが響いてくるので,誰からともなく帰り支度を始めた。


 急斜面を超スローペースで登り,林道に出た。自分たちが付けたトレースだが,トレースのある所は歩きやすい。帰路は登りなのだが,往路と大差ない時間で歩くことができた。

縞枯山荘

 山荘へ着くと,スタッフの青年が土間の掃除をしており,先客はいなかった。今夜の予約は私たち3人と,もう1人の単独行の男性だけとのこと。あとで,ロープウエイの最終便で登ってきた若いお父さんと2人の女の子を含め,この日の宿泊客は7人だった。
 受付の宿帳に「○○山岳会(栃木労山所属)」と書いたら,「会員証を持っていますか?」「はい」「では,1人500円割引です。」なんと缶ビール1本分が浮いた。
 荷物を2階の部屋に運ぶと,早速,土間のストーブの前に腰掛け,宴会が始まった。
缶ビールを開け,カップの日本酒を2本も開けてしまった。でも,山で飲む酒はどうして美味いのだろう。
 やがて,テレマークスキーを履いた男性がやってきた。この山荘の主人らしい。後を追うように親子連れが到着した。大阪の四条畷から車で来て,ロープウエイの最終便にやっと間に合ったのだという。毎年この時期に来ている常連さんとのこと。
 夕食の後は,みんなで大きな
コタツに入り,いろいろな話をして過ごした。コタツでゴロリとしたいのだが,「寝ころがり禁止」と大きく書いてある
 
夕方に氷点下10℃近かった気温が,徐々に上がっていき,20時頃には−8℃,そして朝方には−4℃まで上がっていった。雪を降らせた大きな寒気団が,いよいよ離れていったらしい。一晩中吹き続けた強い風は,朝まで吹いていたが,徐々におさまっていった。

横岳へ

第2日。今日も良い天気だ。山荘の前で記念撮影をし,横岳登山道の分岐に向かう。
 気温は−2℃。風当たりの強いところでは,昨日歩いた足跡が消されている。木の枝に付いていた雪も,殆ど落ちてしまっている。昨夜の風はかなり強かったのだ。
 坪庭の真ん中付近にある
横岳への分岐点付近でアイゼンを着けた。坪庭も風当たりが良いため,新しい雪がとばされ,アイスバーンがむき出しになっているところもあった。昨日は終日アイゼンを着けずに歩いたが,今日は安全を考え早めにアイゼンを着けた。
 坪庭の端から,標高差100mほどの急な斜面を登っていく。道はジグザグに付けられているのだが,それでも傾斜はかなりある。しかし,トレースはしっかりと付けられており,その跡をたどりながら一歩ずつ慎重に登っていく。後で分かったのだが,このトレースは,北横岳ヒュッテのスタッフがつけたものだった。


 高度が上がるに従って視界が開け,坪庭全体が見渡せるようになる。振り返ると,坪庭の向こうに縞枯山,右側にはロープウエイ駅,そして左側には,縞枯山荘のとんがり屋根が見える。遠くには,阿弥陀岳,赤岳の姿も見えてきた。しかし,残念ながら,気温が上がってきたせいか,霞が強く,薄ぼんやりとしか見えない。


 三ツ岳への分岐を過ぎると,間もなく,北横岳ヒュッテが見えてくる。

 ヒュッテの前で小休止していると一人の男性が追いついてきた,昨夜,縞枯山荘で一緒だった人だ。彼は,まず縞枯山に登ってから北横岳に登ると言って,私たちより早く山荘を出発していた。それにしても,かなりのスピードだ。
 私たちは一足先に山頂へ向かった。ヒュッテの横から急傾斜を一気に登っていく。 ここで,新しいトレースは無くなった。 一歩ずつキックステップで登っていく。雪は深く,ふくらはぎくらいまで潜る。ペースを落として,慎重に登る。傾斜は急だが,木が立っているので,滑落の恐怖感はない。



 山頂は風が強い。写真を撮っていると,先ほどの男性が登ってきた。
 北峰
まで行き,写真を撮って引き返した。

 山頂から少し下り,風当たりの弱そうな場所を選んで腰を下ろし,休憩した。この頃になって,登ってくる人が増えてきた。始発のロープウエイで来るとこの時間になるらしい。

三ツ岳へ
 北横岳ヒュッテで記念にバッチを買い,三ツ岳分岐を左に折れ,三ツ岳の方に進んだ。 トレースがあるのを喜んだが,そのトレースもすぐに無くなった。先行者は諦めて戻ったらしい。 とにかく,もう少し先に進んで見ることにした。林の中は雪が深く,膝上まで潜ったが,開けたところでは,雪も深くなく比較的楽に歩けた。

 クサリの付いた岩の崖を登ると,見晴らしの良いピークに出た。特別に山名の標識は無いが,ここが三ツ岳の頂上らしい。

ここを直進すれば,雨池山を越えて雨池峠に出る周回コースになるのだが,これまでの状態から予想すると,雨池山のルートでは雪が深く,かなり苦労するだろうと思われた。下山後に宇都宮まで帰らなければならないことを考えて,ここで引き返すことにした。
 休んでいると,男性2人連れが追いついてきて,戻ろうとする私たちとすれ違って先に進んでいった。ここまでは私たちが付けたトレースがあったから楽だったろうが,この先はそうはいかない。ここまでの私たちの大変さが少しは分かってくれるだろう
ロープウエイ駅へ
  アイゼンを着けたままで岩を降る。

 少し戻ったところで,もうひと組とすれ違った。少し戻ったところで腰を下ろし,ランチにした。風も徐々に弱くなってきており。白銀の世界をゆったりとした気分で味わった。
 
坪庭に向かって斜面を降りていくと,気温が上がり,暑くなってきた。私は上着を脱いで,シャツ1枚になって歩いたが,寒くはなかった。坪庭も人はいなかったが,ロープウエイ駅に近づくとスキーヤーで賑わってきた。

 名残が惜しかったが,ロープウエイに乗り駐車場へ戻った。登りのゴンドラはスキーヤーで満員状態だが,下りのゴンドラは私たちを含めて4人しか乗らず,貸切状態だった。

帰宅
 駐車場へ戻り,タイヤに付けたままになっていたチェーンを外して,出発した。昨日,あれほどあった路面の雪も完全に消えており,春が近づいていることを実感した。

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