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尾 瀬 沼

2006年(平成18年) 4月26日(水)

 沼の上を歩くのは,基本的に 危険 な行為です。 実行する場合は,氷の状況を的確に 判断 し,安全のための 準備 をし, 個人の責任 によって実行してください。

コース・タイム
 宇都宮(5:20) ⇒ 金精峠 ⇒ 大清水(7:20-朝食)
  大清水(7:55) → 一の瀬(9:10-20) → 岩清水(10:00-10) → 三平峠(11:00-05) → 三平下(11:20-25) → 長蔵小屋(12:23-昼食-13:15) → 三平下(13:40) → 三平峠(14:10-15) → 岩清水(14:45) → 一の瀬(15:15-20) → 大清水(16:15)
 大清水(16:25) ⇒ 寄居山温泉センター(16:50-17:40) ⇒ 金精峠 ⇒ 宇都宮(19:30)

同行者
 キクさん,妻

 尾瀬沼 は,冬季 全面結氷 する。結氷というより, 雪で埋まる と言った方が適切なのかも知れないが,この時期には,沼の上を 歩いて渡れる ようになる。
 このことは,ずいぶん前から知っていたが,今までそのチャンスが無く,実現できず にいた。
 尾瀬沼 に入るには, 大清水 まで車で入るのだが,大清水までの道路が開通する時期と前後して,尾瀬沼の氷が弛み, 氷の上を歩けなくなる。どちらが先になるかは,その年の積雪量や気温の変化によって変わってく る。ここ数年は地球温暖化の影響か,暖冬のために,氷の弛みが早く, GWには渡れなくなることが多かった。 私が 一昨年の5月1日 に行ったときには,沼の表面には,雪が解けた 水たまりがたくさんできて おり,上を歩くのは危険な状態だった。
 尾瀬沼には福島県側の 沼山峠 から入ることもできるが,沼山峠まで車が通れるようになるのはもっと後になる。ちな みに,今年は 5月19日開通 の予定である。
 今年は,大清水までの道路が開通したのが 4月21日(金) で,金精道路が開通したのが 4月25日(火) だった。我が家のある宇都宮から大清水に行くには,金精道路が通れないと,関越道経 由で大変な遠回りになる。
 天気予報も確認しながら, 4月26日 実行と決めた。

 宇都宮の自宅を5時20分に出発し,金精峠を抜けて 大清水の駐車場 に着いたのは7時20分だった。ちょうど2時間かかった。金精峠の栃木県側の雪は少 なかったが,群馬県側には 最高で2mほどの雪の壁 ができていた。壁の近くでは溶け出した水が凍っており,緊張させられた。
 大清水 までの道路では,勿論,路面には雪はなかったし,周囲の斜面の雪も殆ど溶けていた。 大清水の駐車場 は,休憩所まえの駐車場にはロープが張ってあり,入れなかった。 河原の駐車場 には既に10台ほどの車が停まっていたが,人影はなかった。私たちが準備をしている と,1台の車がやってきて,私たちより先に出発していった。


 大清水から一の瀬に向かう林道 には雪がたっぷりと残っていた。 平均して 1m以上 の積雪だった。

 一ノ瀬の休憩所 は屋根まで雪に埋まっていた。

 一ノ瀬の橋 にもたっぷりと雪が載っており,雪の重みに必死で耐えているようだった。橋の上で 3m程度の積雪量だ。橋を渡るといよいよ山道になる。

 山道に入ってすぐ, 雪の斜面をトラバース する。足を滑らせれば,下の流れまで落ちるのは確実で,緊張させられた。

 再び林道に出たところが, 岩清水 だ,この湧き水も今は雪の下だ。 

 岩清水 から急斜面をよじ登り尾根に出ると樹間に 燧ヶ岳 が見えてくる。

 この稜線上で1カ所だけ 至仏山 が見えるところがある。頂上だけが僅かに見えるのだが,真っ白な,見覚えのある山の 形を確認した。
 三平峠 の看板 は雪の下で杭の頭だけが僅かに顔を出していた。 

 三平下 まで降りると,目の前に真っ白な 尾瀬沼 が広がっている。なんとも荘厳な光景だ。

 このような状態ならば,問題なく歩けると判断したのだが,練習の意味もあり, アンザイレン して歩くことにした。  先行者と同じ場所を踏まないようにするため, 横一列 に並んで歩いた。

 沼の真ん中で 記念撮影

 長蔵小屋 は営業が始まっていた。 小屋の前の雪はほぼ1階の屋根の高さだ。

 小屋の前に腰を下ろし昼食にした。
 環境省の 「インターネット自然研究所」 が全国各地のライブ画像を提供している。その中に, 尾瀬沼ビジターセンターから燧ヶ岳方向を写した画像 がある。カメラは, ビジターセンター隣の建物の壁 に取り付けられており,一年中 1時間おき の画像を送り続けている。私も毎日のようにチェックするサイトで,画像もきれいで素 晴らしいものだ。毎時 11分 に撮った画像が送られるので,きょうは是非とも写ろうと考えた。 12時11分 には間に合わなかったが,13時少し前に食事の片付けも終わったので,カメラの前に 移動し,その時間を待った。念のため13時12分までそこにいて,帰途についた。
 長蔵小屋 から沼の縁に沿って三平下まで歩いたが,途中で不気味なものを見た。 氷が直径10mくらいの円形に陥没したところ だ。中央で1m以上落ちている。ここは,沼の周囲の湿地帯で,地熱のため (あるいは流れがあり) 氷の下が溶かされて空洞になり,陥没した らしい。「ドボン」と水の中に落ちるような場所ではないが,危険であることに変わり はない。


 三平峠から降りてくる途中で,スノーボードで下ってきた 10人ほどの若者のグループ と出会った。私たちが長蔵小屋から戻るとき,沼の中央付近にいたグループだった。話 を聞くと,前日に 大清水から長蔵小屋 に入って一泊し,今日はボードを担いで 燧ヶ岳に登り,ボードで滑って下った あと, 沼を横断し,三平下から三平峠を越えて きたのだという。最後尾には一人だけスキーを履いた年長者がついており,どうやら彼 が指導者らしい。グループとしての統率も取れており,メンバーの装備もしっかりとしていた。滑 る姿はもちろんだが,彼らの姿そのものが爽やかだった。
 鎌田にある 「寄居山温泉センター」 で汗を流して帰宅した。こぢんまりとした温泉だが,清潔で気持ちいい温泉だった。
6時頃に金精峠を越えたが,雪が舞っていた。

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