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庚 申 山 コウシンソウ

2006年(平成18年) 6月10日(土)


コース・タイム
 宇都宮(4:10) ⇒ 日光 ⇒ 銀山平駐車場(5:10)
  銀山平(5:25) → 一の鳥居(6:15-朝食-35) → 鏡石(7:00) → 猿田彦神社跡(7:35) → (お山巡りコース) → 分岐(9:35) → 山頂(10:40-50) → 庚申山荘(11:35-昼食-12:15) → 一の鳥居(13:05) → 銀山平(13:50)
 銀山平駐車場(14:05) ⇒ 日光 ⇒ 宇都宮(15:20)

同行者
 単独

 この週末は,尾瀬に行く計画があったのだが,天気予報が悪いことと,同行者の都合 が悪くなったことで,中止した。
 ところが,天気予報が少し良い方に変わってきたので,足尾の 庚申山 「コウシンソウ」 を見に行くことにした。妻は脚の具合が思わしくないので,今回は私の単独行となった。
 宇都宮市内から環状道路,宇都宮北道路,日光バイパスを通り, 日足トンネル を抜けて 銀山平 までちょうど1時間だった。
 駐車場 には既に3台の車が停まっていた。身支度中の若いカップルがいたので声をかけたら, これから沢に入るのだという。大きなザックを背負っており,途中でビバークでもするのだろうか。
 ゲートを抜けて舗装道路を歩き出す。いつも感じるのだが,この歩き始めがきつい。 舗装道路ではあるのだが,傾斜がきつく,かなり疲れてしまう。今日は荷が軽いので,快調に歩く ことができた。道が右側に大きくカーブすると,正面奥に 尖った山 が見える。この山は,鋸山から少し南に下がった所にある, 1835.9m 三角点 のあるピークで,このピークを南に降った所が 六林班峠 だ。

 一の鳥居 の先にある 「庚申七滝」 のベンチでおむすびを2個食べ,朝食とした。
 水ノ面沢(ミズノツラサワ) に沿って登っていく。初めのうちは傾斜も緩く,新緑を全身で味わいながら楽しい山歩 きだ。
 鮮やかだが,優しい緑色

 猿田彦神社跡 から右に折れ, お山巡りコース に入った。
 急な斜面を一登りすると,尾根に出る。尾根では シロヤシオ が出迎えてくれた。

 高度が上がってくると,視界も開けてきて,雲海の上に 筑波山 が浮かんでいた。


 鉄ハシゴや階段が出てくるようになると,ピンクの可愛い花が目に飛び込んでくる。 ユキワリコザクラ だ。これも 雪割草 と呼ばれる花の一つだ。
 ユキワリコザクラ は垂直の岩壁に,僅かな 水分 を見つけて根を生やしている。  花の形は, ハクサンコザクラ と同じだ。


 右側の 岩壁 に沿って進んでいくと,突然道が崩れて通れなくなっている。ここを渡るのは命がけだ。 少し下に巻き道らしい踏み跡があるので行ってみたが,岩の壁で行き止まりだ。やはり,あの場所 を越えなければならないのか。少し戻ってさらにまわりを見渡してみると ,遙か下に 吊り橋 が見えた。どうやら,そこが本来のルートのようだ。

 来た道を戻りながら,吊り橋への 分岐点 を探した。分岐点は見つかったが,標識らしいものは何もなかった。 このルートは,ここから一度降り,岩壁の基部を巻いて再び登ってい く ように作られている。このコースを下山に使う場合には,間違うことはないのだろうが, 登りに使う場合,どうしても分岐点では 登っていく踏み跡 を選んでしまう。例にもれず,間違い道の方も踏み跡はしっかりと付いている。
 コウシンソウ は岩壁に付いているため,どうしても岩壁に近づく道を選んでしまう。この後ももう一 度ミスコースをしてしまった。 
 十分に注意をしながら,丹念に見て歩いたのだが, お山巡りコース では, コウシンソウ を確認することはできなかった。もう一カ所,山頂に向かう登山道の近くに コウシンソウ の生育場所があるのを知っているので,そこに行ってみることにした。そこは,数年前 に,ある人に教えてもらった 「秘密の場所」 だったのだが,今はそこへ行く踏み跡もしっかりとできており,もはや秘密の場所では なくなっていた。荒らされないことを祈るしかない。 
 コウシンソウ は, ムシトリスミレ の仲間で,内側に巻き込んだ葉の内側に粘液を分泌し,小さな昆虫などを捕らえて栄養 にしている。 図鑑によれば,庚申山など,北関東の一部に生育する固有種で,同じものは他には ない。葉の長さは7〜15mm,花茎の長さは2cm〜8cmとなっているが,この写真に写っているものは もっと小さい。 葉の長さは5mm,花茎は10mm程度 だ。開花するまでに,もう少し伸びるだろうが,それにしても小さい。 

 カメラの スーパーマクロ という機能を使い。最大3cmまで近づいて撮影した。 








 庚申山 には何度も来ているので,ピークを踏むことにこだわってはいないが,せっかく来たの だから,一応山頂まで行くことにした。 山頂では満開の アズマシャクナゲ が迎えてくれた。


 良い天気に恵まれ,楽しい山歩きをすることができた。目標とするコウシンソウの写 真も撮れたし,満足した山行だった。 何度か歩いた道でも,歩いてみることで新しい発見がある のには,自分自身驚いた。これが,自然の魅力の一つなのだろう。

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