閉じる
尾 瀬 テント泊

2006年(平成18年) 7月8日(土)-9日(日)


コース・タイム
7月8日(土)
 宇都宮(4:00) ⇒ 御池駐車場(6:30-朝食)  御池(7:00) ⇒(バス)⇒ 沼山峠(7:20)
  沼山峠(7:30) → 長蔵小屋(8:50-9:20) → 沼尻(10:10-25) → 見晴テント場(11:50-テント設営・昼食)
 見晴(13:10) → 竜宮 → 見晴(15:30)
7月9日(日)
  見晴発(6:00) → 赤田代(6:45-55) → 平滑の滝(7:00-05) → 三条の滝(7:45-55) → 兎田代(8:45) → 御池駐車場(11:51)
 御池駐車場 ⇒ 檜枝岐アルザ尾瀬の郷(入浴・昼食) ⇒ 宇都宮

同行者
 キクさん

 一週間前,不発に終わった 西穂テント泊 の帰路,キクさんと, どこかでテント泊しようよ という話になった。 相談した結果,尾瀬に行こうとなった。
 ほぼ1年ぶりの尾瀬テント泊 だ。昨年の6月25日に 鳩待峠からアヤメ平を経由して見晴に幕営,翌日,東電小屋,ヨッピ 橋を経て鳩待峠に戻るコースを辿った が,好天に恵まれ楽しい山行だった。このときは妻と2人だったが,今回はキクさんと 2人, それぞれがテントを担いで の山行となった。

 7月8日(土)

 宇都宮を4時に出発し,鬼怒川温泉経由で 御池 に向かった。途中は雨が降ったり止んだりだったが,2時間半ほどで御池に着いたとき には雨は降っていなかった。軽く朝食を食べて 7時発のシャトルバス に乗った。バスは,ハイカーでいっぱいだったが,私たちのように大きな荷物を持った 人は他にはいなかった。沼山峠では同じバスに乗っていた人たちを見送り,最後に歩き出した。
 沼山峠の展望台にある看板 は,雪のためか大きく傾いていた。


 かつては,この 展望台 から 尾瀬沼 が大きく見渡せたのだが,今は樹木が生長してしまい,見晴らしは良くない。


 ゴゼンタチバナ  

 マイヅルソウ

 マイヅルソウの群落 があった。

 ウラジロヨウラク  花柄や萼に白毛があるのが特徴

 エンレイソウ

 オオバタケシマラン は,タケシマランより大型で, 花の形 や, 花の付き方 が違う。葉の付け根から出た花柄は,しばらく葉に沿って延びた後,直角に折れ曲がっ て垂れ下がる。

 ニッコウキスゲ は,まだ少し早かったのか,数輪しか咲いていなかった。

 タテヤマリンドウ は,曇っているときや雨のとき,朝夕の時間は閉じてしまう。

 ツマトリソウ 7枚花びら という珍しい花だ。今回の尾瀬では,特に目立った。


 大江湿原のシンボル 三本唐松  この姿を見ると「ああ,尾瀬に来たんだ!」と思う。


 ハクサンチドリ は,この時期特に目立つ花だ。色に濃淡がある。

 オオバタチツボスミレ は,タチツボスミレの仲間だが,葉も花も大きい


 ウワミズザクラ は, シウリザクラ に似ているが, シウリザクラ では,葉の基部が心形であるが, ウワミズザクラ では,葉は,鈍角に葉柄に付く。

 ミツガシワ は,花序のてっぺんが僅かに咲き残っていた


 レンゲツツジ  ツツジが育つと言うことは,湿原が乾燥してきている証拠

 チングルマ は殆どの花は終わってしまい,綿毛になっていた。


 ヒメシャクナゲ は,尾瀬の代表的な花の一つ 

 ショウキラン は, ギンリョウソウ と同じく,葉緑素を持たない植物だ。


 オオバミゾホオズキ 

 オゼタイゲキ  尾瀬大戟 と書き, ナツトウダイ の仲間だ。尾瀬には多いのだが,あまり目立たない

 見晴 に着いたのは正午少し前。まず,テントを張り,キクさんの担いできた缶ビールで乾杯 した。昼食を食べてから, 竜宮まで散歩 に行くことにした。空には黒い雲が湧き,雨の心配があったのだが,降りそうになった ら引き返すことにして,カメラだけを持ってでかけた。
 竜宮小屋 から山の鼻の方に向かって数十メートル行ったところで,2本の木道が左右に分かれる ところがあるが,この木道の間に ナガバノモウセンゴケの群生地 がある。
 ナガバノモウセンゴケ  は,尾瀬と鬼怒沼だけに見られる希少種だ。 モウセンゴケ はスプーン状の葉の,丸い部分にだけ繊毛があるのに対し, ナガバノモウセンゴケ では細長いへら状の葉全体に繊毛が生えている。

 この時期の尾瀬ヶ原の「女王」はこの トキソウ だ。その清楚な美しさは,群を抜いている。よく似た赤紫の花は サワラン だ。

 ヒオウギアヤメ  葉が 檜扇 をイメージするので,この名前が付けられた。 アヤメ では,外に垂れ下がる3枚の大きな花びら(外花被)の間に,3枚の細長い花びら(内花 被)が垂直に立つが, ヒオウギアヤメ ではそれがないか小さい。


 ワタスゲの群落 はみごとだ。もちろんこれは花ではなく,花の咲いた後の種子の綿毛だ。

 池塘に写る至仏山 は,尾瀬を代表する風景だ。 池塘の ヒツジグサ はまだ咲いていなかった。


 チングルマの綿毛  チングルマという名前は,この綿毛がイメージする「稚児車」が転化したものという。

 カキツバタ,アヤメ,ヒオウギアヤメ は花びらの模様が違うので区別できる。  これは,花びらの中央のラインが白いので カキツバタ  ノハナショウブの場合はこれが黄色。


 ツルコケモモ  とても小さい花だが,花の形が特徴的で可愛い 

 モウセンゴケ  一般的なモウセンゴケは,尾瀬の湿原にはいたるところにある。


 竜宮の十字路 にはベンチがたくさんある。今日はハイカーがあまり多くはなく,ベンチが満員になる ことはなかった。そこで,隅の方のベンチに寝そべり,空を眺め,山を眺め,花を眺め,ハイカー の列を眺めた。1時間ほどいて,いよいよ空模様が怪しくなってきたので帰ることにした。案の定, 途中でパラパラと雨が降ってきた。それでも濡れるほどでもなくテントに戻ることができた。テン トの中でゴソゴソしていると,ひとしきり 強い雨 が降った。

 見晴テント場の炊事場 は,昨年6月に来たときには傾いており, 倒壊しかかっていた  10月に来たときにもそのままだったので,今回テント場を使うに先立ち,テント場 を管理している 燧小屋 の連絡先に電話をして確認した。 「使えますよ」 という返事だったので安心していたのだが,来てみると 炊事場は完全に倒壊 していた。
 水は,すぐ隣にある 環境省の「無料休憩所」 の水道が使えるので不便ではないが,休憩所の屋根の下は火気使用禁止なので,雨のと きなどは,火を使う場所がない。
 どうしようかと考えているうち,雨も上がってきたので,付近の散歩に出た。かつて は 尾瀬銀座 と言われていたくらいハイカーで賑わうところだが,その片鱗を感じることができた。 最も原に近い 弥四郎小屋 の前にベンチがあり,そこならば,火を使えそうなので,そこで夕食にすることにした。 実は,そこに決めた最も大きな原因は,そこで 生ビール が飲めると言うことだった。二人ともお代わりしてたっぷりと飲んだ。
 7時頃テントに戻り,早々と横になった。ところが,先ほど空気を入れたはずの エアーマット がぺちゃんこになっている。もう一度空気を入れてみると,なんと,空気が漏れている ではないか。表面に 1cmほどの裂け目 がある。どこで傷を付けたのかは分からない。しかたないので,そのままそこに横にな った。この時期なので,地面の冷たさはさほど問題にならないので良かったが,寒い時期ならば大 きな問題だ。出発前の点検をしっかりしなければと肝に銘じた

 7月9日(日)

 夜中に雨粒がテントをたたいたが,朝には雨は上がり,テントの撤収もスムーズに行 えた。特に急ぐつもりはなかったのだが,6時には歩き始めていた。 空模様 が怪しく,レインウエアを着ようかどうか迷ったのだが,結局,レインウエアは着けず に歩き出した。 三条の滝 の分岐点に荷物をデポし,滝の展望台へ向かった。
 三条の滝 は水量も多く,迫力があった。


 三条の滝分岐から, 段吉新道 との合流点までが急な登りで辛かった。
 雨が降りそうでも,何とか降らずに持ってくれていたのだが,シボ沢にかかる大吊り 橋を渡る頃になって,ついに 雨が降ってきた
 強い降りではないのと,樹木の下では雨が直接掛からないことなどから,レインウエ アは着けずに,傘を差して歩くことにした。雨は降ったり止んだりしながらもあまり強くはならな かった。最後は傘も差さずに歩いた。
 駐車場 に着いたのは正午少し前だった。
 尾瀬アルザの郷 で入浴し,隣の食堂で昼食にした。
 雨に降られるのを覚悟して出かけた割には,強い雨にも遭わず,たのしい山行だった。

 ページトップへ