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南 月 山

2006年(平成18年) 9月16日(土)

コース・タイム
 宇都宮(5:00) ⇒ 峠の茶屋駐車場(6:00-朝食)
  駐車場(6:40) → 峰の茶屋(7:35-45) → 牛ヶ首(8:20) → 南月山(9:15-10:00) → 牛ヶ首(10:40) → 峰の茶屋(11:05-昼食-50) → 駐車場(12:40)
 峠の茶屋駐車場(13:20) ⇒ 矢板城の湯(14:30-15:30) ⇒ 自宅(16:40)
 南月山 ミナミガッサン と読む

同行者
 妻

 「那須岳のリンドウが見頃」 という新聞記事が載り,TVでも放送された。毎年のことだが,この時期の週末はリン ドウを見に来るハイカーで混雑し,駐車場もすぐに満杯になってしまう。
 そこで,7時前には駐車場に着きたいと,5時に自宅を出た。いつもは乗らないのだ が, 宇都宮ICから那須ICまで高速道を走った 。おかげで随分と早く着くことができた。 天気予報が良くなかったせいか,駐車場はまだガラガラだった。 車の中でゆっくりと朝食を取り,7時前に出発した。
 駐車場周辺にはガスは掛かっていないが, 茶臼岳 も, 朝日岳 も,山頂方向はガスに覆われ,見ることができない。一瞬だが,ガスが流れて行き, 朝日岳 の山頂を望むことができた。これからガスが晴れるかも知れないという期待が高まった。 気温は高くもなく低すぎもせず快適だった。
 登山指導センターのポストにに 登山届 を出した。数年前に来たときには, 登山指導員 がいて,登山届けの提出を呼びかけてい たが,今日は誰もいなかった。

 登山口に 鳥居 が立っている。朽ち始め,ちょっと危険な鳥居だが,2004年の2月に来たときには, 半分以上が雪の中だった。
 

 灌木の間を登っていくと足元に アキノキリンソウ が明るい黄色の花を付けていた。  これは灌木の下にあったもので,フラッシュ撮影

 これは明るい所なので自然光撮影


 灌木帯を抜けると砂礫帯になる。ここで目立つのが ウラジロタデ だ。雌雄異株で,これは 雄株

 これは 雌株

 シラネニンジン   日光白根山 で見つけられ,「シラネ」の名が付いた。 葉が「ニンジン」に似ている。赤いものは,種子になったもの。


 那須岳周辺には, エゾリンドウ オヤマリンドウ が自生している。 両者の見分け方だが,厳密にはなかなか難しい。

 エゾリンドウ は全体的に大型で垂直に立ち,頂上だけでなく葉の脇にも花が付く。 オヤマリンドウ は,全体的にやや小型で茎は細く,茎の頂上にだけ花を付ける。花は,エゾリンドウの ようには大きく開かない。 ・・・・・と言われているのだが,個体差が大きく,はっきりと見分けるのは難しい。
 これは, エゾリンドウ オヤマリンドウ か?または, エゾオヤマノリンドウ か。 花が頂上にだけ着いているので オヤマリンドウ だと思われるが, エゾオヤマノリンドウ の写真によく似ている。



 峰の茶屋跡避難小屋 はガスの中だった。今日は珍しく風が弱かった。

 峰の茶屋 から 牛ヶ首 に向かい,茶臼岳の西斜面をトラバースしていると,上空のガスが薄くなり,日がさし てきた。すると,足元のガスの中に ブロッケン現象 を見ることができた。崖の上ではなかったので,背後の景色が邪魔にはなったが,自分 の影と,自分の頭を取り巻く虹の姿は確認できた。


 ガスなのか噴煙なのか 区別が付きにくい。


 足元の ガンコウラン(岩高蘭) が実をたくさん付けていた。甘酸っぱい味を思い出した。ガンコウランは 雌雄異株 で実を付けない木は雄株だ。


 牛ヶ首 から 南月山 に向かうと,再び植物が多くなる。この時期の山では,いろいろな植物の果実を見るこ とができる。これは, ツリガネニンジン の果実


 牛ヶ首から日の出平の方へ少し行くと, オニアザミ の大群落がある。ガスに濡れ,首をうなだれている姿は「鬼」と言う名前とは裏腹に, 哀れをさそう。

 オヤマボクチ (漢字では 雄山火口 と書く)は, オニアザミ より更に大きい。
 オヤマボクチの根は 「ヤマゴボウ」 として,味噌漬けなどにして売られていたが,最近では野菜のゴボウを山間地で栽培し, 「ヤマゴボウ」として売られることの方が多くなったという。また,オヤマボクチは, 日本蕎麦の繋ぎ としても用いられている。葉の裏の綿毛を使うのだそうだが,私はまだ食べたことがな い。

 オオカメノキ(大亀の木) は,春に白い花を咲かせ,秋には真っ赤な実を付ける。


 ウスユキソウ(薄雪草) の仲間。ヨーロッパアルプスの エーデルワイス と同じ仲間だ。

 タカネヒゴダイ(高嶺平江帯) は紫色が鮮やかな花だが,那須では珍しい。



 トリカブト(鳥兜) は猛毒があるので有名だ。そのせいか,奥日光などでは,駆除されたのかほとんど見る ことが無くなった。 トリカブト の種の同定は専門家でも難しいという。たぶんこれは ヤマトリカブト だろう。

 これは トリカブトの果実



 イワインチン(岩茵陳) は高山の砂礫地に見られる花で,遠目にも黄色が鮮やかだ。

 植物の名前には面白い物がある。これは 「ヘビノボラズ」 という。枝に鋭い棘があり,蛇でも登ることができないと言う意味だが,まさにその通 り。これは  ヒロハヘビノボラズ



 ミヤマハンノキ(深山榛の木) の実

 ヒカゲノカズラ(日陰の葛) はコケのように見えるが,蔓性の シダ植物 だ。先端からツンと立った胞子嚢穂が特徴的だ。


 シオガマギク(塩竃菊) は「ヨツバシオガマ」や「エゾシオガマ」など, シオガマ族の原型 だ。プロペラのよう な花が面白い。



 ホツツジ(穂躑躅) は小さい花だが,繊細で可愛い花だ。




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