閉じる
浅 間 山 中退

2006年(平成18年) 10月8日(土)


コース・タイム
 宇都宮(2:00) ⇒ 浅間山荘(4:30-仮眠-朝食)
  浅間山荘(6:00) → 不動滝(6:50) → 火山館(7:55-8:15) → 引返点(8:45) → 火山館(9:00-10:00) → 浅間山荘(11:30-入浴・昼食)
 浅間山荘 ⇒ 高崎 ⇒ 宇都宮

同行者
 キクさん,妻

 10月7,8,9日の3連休,初日は休日出勤で,山に行けるのは8日または9日の みとなった。近づいていた台風も遠ざかり, 8日は良い天気になるはずだった。・・・・しかし。
 長丁場なので,スタートを早くしたいことと, 浅間山荘 には駐車スペースが少ないという情報から,夜明け前に山荘に着くため,宇都宮の自宅 を午前2時に出発した。順調に行って, 浅間山荘には4時30分に着いた。  待ち合わせていたキクさんも5分後について,車の中で夜明けを待った。
 依然として 風は強く  時折車が揺すられるほどの強風が吹く。しかし,空には 中秋の満月を3日過ぎた月が煌々と照っていた  ここには 浅間山荘専用駐車場 (500円)が約30台,そのほかに 無料駐車場 が約30台分ほどあり,さほどムキにならなくてもよかったのかもしれない。ここには 水洗トイレもあり,快適だ。夜が明ける頃には続々と車が入ってきた。
 明るくなるのを待って車の中で朝食を取り,準備を進めた。 熊よけのため?に  2組に先行してもらい,その後に出発した。

 登山口には, 「入山される皆様へ」 と題する看板があり,自然保護への協力を呼びかけていた。


 少し行くと 「火山情報」 の掲示板がある。この看板では,まだ,「4キロメートル以内立ち入り禁止」となってい る。

 道ばたに トリカブト が咲いていたが,半分以上は種子になっていた。


 一の鳥居 で,直登コースと滝コースに分かれる。私たちは 滝コース に入った。

 不動滝 は水量もあり,かなり見応えのある滝だ。少し登ると,上流の 大日滝 も見えてくる。 滝を見ながら急登すると 二の鳥居 で,ここで直登コースと合流する。


 樹林帯なので,直接に強風は当たってこないが,「ゴーッ」という爆音のような音が, 尋常でない上空の風の様子を伝えていた。
 足元にきれいな花が咲いていた。 ナギナタコウジュ だ。

 オニアザミ はもう「オニ」の迫力はない


 高度が上がってくると, 牙山(キッパヤマ)  の,鋭く尖った岩峰が見えてくるが,背景の山はガスの中だ。


 岩壁の紅葉 は見事だが,曇り空なので,色にいまひとつ迫力がない。


 カラマツ は,まだ緑のままで,カラマツの紅葉を見られるのはもう少し先になる。


 石碑には 「浅間山開闢祖○○霊神」 と書かれている。
 「あさま」 火山 を意味する古語で, 「あさま神社」 は全国にある。九州の 「あそ」 も同じ語源だ。 「あさま」 を代表するのは 富士山 であり,富士山信仰は 「浅間神社(せんげんじんじゃ)」 信仰となり,これも全国にある。


 黒斑岳 方向の岩峰にはガスが掛かっている。このガスは,徐々に高度を下げ,間もなく中腹ま で覆ってしまった。


 紅葉 は,まず, ウルシやヌルデの朱色 から始まる。


 火山館 は,平成11年に立て替えられたきれいな建物だ。管理人がいて,ストーブが焚かれ, 水や湯も分けてもらえる。


 火山館付近は風当たりは弱く,風が治まったのかと錯覚しそうだった。 戸外の温度は3.5℃だった。

 火山館に表示されていた 火山活動情報  この表示が 最新 で,最も信頼できる。 火山ガスに対する対処の仕方も書かれている。


 マツムシソウ が咲いていた。

 湯の平の カラマツ は紅葉が始まっていた。さらさらと音を立てて散るのはもうすぐだ。

 周囲の灌木の樹高が低くなると, 強風がまともに吹き付けてくる  ガスの中に水滴が混じるようになった。  もうこれ以上進むことは,危険でもあり, ここで引き返す ことにした。


 私たちは,もともとピークハントにはこだわらない性分で,「また今度天気の良いと きに来よう」と,あっさり退却を決定した。
 山を下りてくる私たちとすれ違って登っていくグループがたくさんあり心配したが, 火山館まで降って休んでいると,その殆どが引き返してきた。吹き付ける水滴の中に氷の粒が混じ っていたと言う人もいた。
 浅間山荘 まで戻り,温泉に入って温まり,帰途に就いた。
 (後日加筆 ちょうどこの日このとき,唐松岳では初雪が1日で 80cm積もり,白馬岳では4人の犠牲者を出す遭難事故が発生していた。)
 ページトップへ