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会 津 駒 ヶ 岳 中退

2007年(平成19年) 4月29日(日)


コース・タイム
 宇都宮(3:50) ⇒ 会津駒ヶ岳登山者専用駐車場(5:50)
  登山口(林道入り口)(6:20) → 分岐(A)(6:28) → 尾根(C)(8:00) → 合流点(11:10-昼食-55) → 登山口(階段)(13:35) → 駐車場(14:00)
 駐車場(14:10) ⇒ アルザ尾瀬の郷(14:20-15:30) ⇒ 宇都宮(18:20)

同行者
 妻

 GWの連休に,どこに行こうかと考えていたところ,天気予報が最高の予報を出して きた。ぜひ,雪のある 会津駒ヶ岳 に行きたいと考えていたところだったので,さっそく実行することにした。実行日は 28日か29日とし,天気の良い方で実行することにした。結局,直前になって28日の天気が不 安定になってきたので,29日の実行になった。
 もちろん,宇都宮から日帰りも可能なのだが,下山後に車中泊をして,疲れを取って から帰宅する計画にした。
 昨年のGW に登った人のレポに依れば,この時期は, 林道は閉鎖 されており,国道脇の 登山者専用駐車場 に車を置き,そこから歩くことになると言う。つまずきのスタートは,車を その駐車場 に置いたことだった。


 ここを入ってしばらく 舗装道路 を歩く。通行止めなどの表示はない。


 歩き始めてみると林道 に雪はなく,夏季と同 じに 階段下まで車で行くことができたのだった。


 100mほど先を行く二人連れの後に付いて, 地図のA地点から 「近道」に入った。 正規の「近道」 の入り口はも う少し先にあることは知っていたのだが,先行者につられその 一つ手前のカーブ から左に入ってしまった。途中で正規の「近道」に合流すると思ったのだが,これが間 違いの二つ目だった。
 私たちが途中で道草をしているうちに先行者を見失ってしまった。しかし踏み跡はし っかりしているので,そのまま先に進んだ。ところが,いっこうに右上部にあるはずの 正規の「近道」 には近づかない。どうやら, 右に入る道 を見落としてしまったらしい。しかし,いずれ 林道 に出るだろうと気楽に考えて,そのまま進んだ。
 徐々に,様子が変だと言うことに気がつきはじめたが,進退についてはもう少し進み, 現在位置を確認 してから判断することにした。
 少し進むと右側から沢が合流している場所に出た。ここは, 地図のS地点 だったのだが, Q地点 だと判断してしまった。この判断誤りが三つ目の間違い。地形図の読みの不正確さが原 因。
 Q点 に流れ込む沢には,地形図に 流水 の記述はないが,雪解け時期に,普段は流れていない沢に水が流れることは良くあるこ となので,勝手にそう判断してしまった。 注意深く地形図を読めば ,谷の深さなどで,違いに気づいたはずだったのだが。
 そのため,この左側(右岸)の尾根( 地図のR )を詰めれば 1400m手前で登山道に合流 できると 判断し,そのまま登ることにした。実際には, S地点から北西に延びる沢 に沿って登っていた。
 沢を少し登ってから左側に移り( 地図のB地点 ),トラバース気味に登って尾根( 地図のC地点 )にたどり着いた。でもこのときはまだ Rの尾根 と思っていたので,1時間も登れば,登山道に出ると思っていた。
 尾根 に出たところに,1本の ピンクのテープ が木の枝に付けられていた。一応ルートに出たとしてホッとしたのだが,ルートとは言 えないほどの が待っていた。

 藪を漕ぎ ながら登っていくと,雪が現れ始め,藪の苦労からは解放された。

 しかし,ここから先,長い 雪斜面の登り が待っていた。雪面は 固まったザラメ雪 の上に,数日前に降った 新雪が5cm ほど積もっている。
 雪の上に,新しい1人分の 足跡 があり,尾根の上部に向かって続いている。 先行者 がいるのだ。この先,先行者の足跡はずっと続いていた。


 半分雪に覆われながら,雪面から伸ばした枝に, マンサク が花を付けていた。やは り,春は近づいているのだ。


 柔らかな春の陽射し を受けて,苦しかったが楽しく登ることができた。

 左足の腿が 痙攣 を起こし始まった。すかさず アミノバイタルPRO を飲む。私の場合,これが信じられないくらいに良く効く。


 ミスコース というアクシデントの結果で登ったコースだが,好天に恵まれ, 最高に楽しい思い をすることが出来た。
 あらかじめ定められた登山ルートを,他の登山者の後について歩くことでは味わえな い素晴らしさを味わうことができた。 大雪原と展望を独占 できて,実に幸運だった。もう,こんな経験は二度とできないかもしれない。
 高度が上がるに従い, 燧ヶ岳 が姿を現した。 昨日(28日)檜枝岐旅館組合が主催した 燧ヶ岳春山トレック は御池で 吹雪のために中止 になったと聞いているが,今日は天気も良いので,あの山に挑戦している人も少なくな いだろう。


 急斜面でも, キックス テップ で安定して登れる。危険は感じない。目の前の急斜面を登ると,少し傾斜が緩くなり, その先にまた急斜面が姿を現す。そんなことの連続で,だんだんと足に疲労が溜まってくる。
 時計が10時をまわる頃になると気温も上がり, 雪も弛んで きた。日当たりの良いところでは,足が潜るようになるり, 日陰を選んで 歩くようにした。日向と日陰では,驚くほどに雪の硬さが違う。

 更に高度が上がると, 女峰山 を始めとして, 日光連山 が見えてきた。いつも眺めているのは 南面 であり,北から眺めると山の形も変わり 新鮮な驚き を与えてくれる。


 11時10分に 登山道に合流 した。 高度計は 1800m を示している。山頂まで行くには,更に 300m強 登らなければならない。時間も 1時間半〜2時間弱 掛かるだろうということで,今日は 登頂を断念 し,ここから下ることにした。


 登山道の近くで, 正面に女峰山 から奥白根山までの日光連山が見える場所 に腰を下ろし,昼食にした。

 今日はかなり疲れた 。ルートファインディングをしながらトレースのないところを登るのは, 精神的に疲れる し, 足にもかなりの負担 がかかる。  一旦腰を下ろすと立ち上がるのが辛くなる。
 12時を目安に下山にかかった。
 登山道に出てみると, 駒ヶ岳山頂 が望め,多くのスキーヤーが滑っているのが見える。  私はスキーをやらないが,さぞかし気持ちがいいのだろう。


 空に 薄雲 が出てきた。青空と白い雲, ダケカンバ の白い幹が大空の雄大さを増幅しているように感じる。


 下りは,一般の登山道を下った。冬道は,概ね夏道に沿って作られている。有名な山 だけあって入山者も多く, 幅広い踏み跡 ができている。
 急斜面を見つけては 尻セード を楽しんだ。この楽しさは,経験してみないと分からない。弛んだ雪でお尻をびしょぬ れにしながらも,繰り返し楽しんだ。


 下りは早かった。 1800m 地点から駐車場まで 2時間 で降りてきた。それにしても,雪道を歩くのに比べ,雪のない地面を歩くのは関節に負 担がかかり,歩きづらい。予定より早く下山したので,車中泊は取りやめ,そのまま帰宅すること にした。
 今日は, 謀らずも バリエーションルートを登ることができ,とても楽しかったが,これは,あくまでも気 象条件等が良かったからであり,判断ミスにより ミスコース したことは十分に反省しなければならない。ミスコースは遭難に直結する 重大事故 であり,無事に下山できたからと言って帳消しになるものではない。更に地図の読み方 と,地形のとらえ方の能力を高め,二度とこのようなことが起きないようにしなければならない。

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