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中禅寺湖北岸遊歩道

2007年(平成19年) 5月12日(土)


コース・タイム
 宇都宮(7:00) ⇒ 竜頭の滝駐車場(7:50)
  駐車場(8:10) → 栃窪(9:10-15) → 熊窪(9:55) → 無名峠(10:45) → 小田代(11:20-35) → ハリギリ広場(12:10-昼食-13:10) → 駐車場(14:20)
 竜頭の滝駐車場 ⇒ やしおの湯 ⇒ 宇都宮

同行者
 キクさん,妻

 中禅寺湖北岸 菖蒲ヶが浜 から 千手ヶ浜 の間に遊歩道が整備されている。その,ほぼ中間点に大きな トチノキ のある入江がある。この標高でトチノキの大木があるのは珍しいことなのだそうで,そ のように書かれた案内プレートが設置されている。そのため,この入江を 栃窪 と呼んでいる。
 ここに,湖岸に大きく枝を張り出している オオヤマザクラ の木がある。この木に初めて会ったのは,私たちが山歩きを再開して間もない, 1998年9月 だった。菖蒲ヶ浜から千手ヶ浜のコースをはじめて歩き,湖畔に大きく枝を張り出して いる木の下で写真を撮った。濃い緑の葉をいっぱいに付けたこの木がオオヤマザクラの木だという ことも,その時は知らなかった。この後,何度かここを訪れる度に,同じ場所で写真を撮った。何 とかして咲いている姿を見たいと思い,時期を選んでここを訪れた。 2001年5月13日 に訪れたときには,つぼみが大きくふくらんではいたが,まだ咲いてはいなかった。満 開のオオヤマザクラに会えたのは 2003年5月10日 だった。 2005年5月8日 の時も,まだ蕾。 2006年5月21日 の時は,さすがに満開を過ぎていたが,散り残っていた花に会えた。そして今年,満を 持して 5月12日 に会いに行くことにした。
 竜頭の滝の トウゴクミツバ も,まだ咲いていない。

 湯元に向かう道路が,竜頭の茶屋の前で大きく左に曲がったところに,地方公務員共 済組合の 「幸の湖荘」 があったのだが,数年前に閉鎖された。この入り口に 大きな桜の木 がある。種類は分からないが,この花を見るのも楽しみだった。「幸の湖荘」は竜頭の 茶屋が買い取って改装し,2006年5月, 日帰り温泉施設「憩いの湯」 として営業を始めた。
 旧幸の湖荘入口のサクラは健在で,たくさんの花を付けていた。

 足元に タチツボスミレ が咲いていた。その色から,アオイスミレかなと思ったのだが,どうやら,タチツボス ミレらしい。 スミレの仲間 は,個体差が著しく区別が難しい。雌しべの先が曲がっているかどうかで区別できるら しいが,写真から判断するのは難しい。





 遊歩道を10分ほど歩くと, 見晴らしの良い所 に出る。以前から,腰を下ろすのに都合の良い岩があり,お気に入りの休憩場所にして いた。最近,近くの遊歩道を整備したついでに,形の良い岩が据え付けられ,ベンチがもう一つ増 えた。
 この付近は, アカヤシオやトウゴクミツバツツジ が多いところで,時期さえ合えば,豪華な競演を見ることができる。ちょうど, アカヤシオ が満開になっており,湖面の青を背景に,カメラに納めた。





 赤岩 をまわり,その先の小さな岬をまわると眼下に 栃窪 が見えてくる。 オオヤマサクラ が満開になれば,そこからでも見えるのだが,ピンク色が確認できない。ああ,やはり 早かったのか!」
 近づいて蕾を良く見ると,十分にふくらんでおりいつ開花しても不思議ではない状態 だ。

 僅か数輪だが開いている花もあった。5〜6輪というところで,まさに 「開花宣言」 の出される状態だ。


 栃窪と熊窪の間 にも小さな岬がある。この岬から 熊窪 にかけて, シロヤシオとトウゴクミツバツツジ が群生しており,その時期になると,清楚な花をいっぱいに付けて私たちを迎えてくれ る。
 トウゴクミツバツツジ は,蕾が大きくふくらんでおり,あと数日で開花するだろう。 シロヤシオ はまだ葉芽も固く,開花にはもう少し時間がかかる。
 熊窪 で遊歩道を離れ, 高山の登山道 の方に入っていった。今日は,小さな峠を越えて 小田代原 に行くことにした。この道は下ったことは数回あるが,登るのは初めてだった。

 足元に ヒゲネワチガイソウ が咲いていた。 ヒゲネワチガイソウ ワチガイソウ を区別するポイントは,ワチガイソウは花びらが必ず 5枚 であるのに対し,ヒゲネワチガイソウでは,花びらの数が 5〜7枚 と決まっておらず,花びらの幅もが狭い。


 落ち葉に埋もれた登山道をゆっくりと登っていく。風もなく,陽射しが強い。
 峠に近づくと カラマツ林 になる。きちんと 列を作って 生えているところを見ると,どうやら 植林 されたものらしいが,杉や桧と違い,明るくて爽やかな感じだ。ほんの僅かだが芽が出 てきている。


 峠を越えて戦場ヶ原側に少し歩くと シラカンバ林 になる。これはもしかしたら ダケカンバ かもしれない。北関東では高度1500mがシラカンバとダケカンバの棲み分け高度と言わ れており,ここは標高1400m。葉の葉脈数で区別するのが最も確実だが,今はそれも無理。


 小田代原の休憩所 から 小田代原の西 を廻り 泉門池 方面に進んだ。
 小田代原の西側遊歩道を歩いていくと, 「貴婦人」 男体山 が一直線になって見える場所がある。私のお気に入りの場所で,絶好の撮影ポイントだ。


 枯れ木のように見える ホザキシモツケ も,良く見ると芽が出ている。

 ヒメイチゲ は本当に可愛い。小さい体で精一杯に咲いているようで,いじらしくさえなる。


 お目当てだった, 栃窪のオオヤマザクラ はまだ少し早かったが,穏やかな好天に恵まれ,楽しいハイキングをすることができた。
 今回は,四国八十八カ所巡礼を完結して戻ったばかりの キクさん が同行してくれ,珍しい話をたくさん聞かせてもらった。

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