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社  山

2007年(平成19年) 12月8日(土)


コース・タイム
 宇都宮(6:20) ⇒ 歌ヶ浜駐車場(7:20-朝食)
  駐車場(7:45) → 狸窪(8:10) → 阿世潟(8:35-45) → 稜線(9:15) → 山頂(10:30-35) → 阿世潟峠(11:30) → 阿世潟(11:50) → 昼食(12:00-40) → 狸窪(13:00) → 駐車場(13:30)
 駐車場(13:50) ⇒ 鬼怒川温泉(14:50)

同行者
 単独

 11月3〜4日に 蛭ヶ岳 に行ってから1カ月間山歩きから遠ざかっている。 不思議なもので,山歩きの間が開 いてしまうと,山に行きたいという気持ちと同時に面倒だと言う気持ちも沸いてくる。
 12月8日(土) は,職場の忘年会が鬼怒川温泉で開かれる。夕刻までにホテルに行けばいいのだが,中 途半端な時間に家を出なければならない。そこで, 山歩きをしてから鬼怒川温泉に向かう ことにした。
 いつも,この時期には近くの 古賀志山 に登っているのだが,この秋は,まだ一度も行っていない。古賀志山にでも行こうかと 思っていたところ,ネットのライブ画像で中禅寺湖畔の 社山 の姿を見たら,突然に行きたくなった。天気予報も良さそうなので,行ってみることに した。

 6時30分 宇都宮 の自宅を出たときは, 日光方面 は雲に覆われていた。 宇都宮日光道路 を進んで行くに従って雲が切れ始め, 大沢料金所 を過ぎた辺りから朝日を受けて赤味を増した 日光連山 の姿が正面に見えてきた。 宇都宮日光道路 は,いつになく車が多い。良く見ると,スキーやスノーボードを積んでいる車が目立つ。 金精峠 を越えて, 丸沼スキー場 へ行くのだ。 金精道路は12月25日正午に冬季閉鎖に入る。 それまでの僅かなチャンスなのだ。
 いろは坂 を登り始める頃から頭上の雲も消え,快晴となってきた。 歌ヶ浜駐車場 には殆ど車が停まっていない。前夜から泊まっていたと思われるワゴン車が1台と,そ のほかの車が2台だ。12月1日から冬季閉鎖になっている 中禅寺湖スカイライン のゲート前まで行って,そこに車を置くつもりだったが,あまり寂しいところには置き たくないので,ここに置くことにした。
 中禅寺湖 の向こうには,これから登ろうとしている 社山 が,朝日を受けて輝いている。すっかり葉を落とした木々の間を通して,登山道がはっ きりと見えている。


 白根山 の方向には雲がかかっており, 奥白根山 の姿は見えない。


 身支度をして 7時45分 に駐車場を後にした。気温は低く,まだ 氷点下 だ。風がないのが救いだが,シャツの上にフリースを着て,更にジャンパーも着て歩き 出した。
 でも,すぐに暑くなり,ジャンパーを脱ぎ,毛糸の帽子も脱いだ。
 イタリア大使館別荘跡公園 を過ぎ,見晴らしの良い湖畔に出てみると, 社山 がますます大きく見えてくる。


 30分弱で 狸窪(むじなくぼ) に着いた。一人で歩くとどうしてもペースが早くなってしまう。 狸窪 には民宿があり,関係者の車はここまで入ることができるが, このゲート の先は緊急自動車や工事用車両などの特別な車しか入れない。

 半月峠 への分岐標識

 阿世潟 の少し手前の湖畔に出てみると,対岸に 男体山 の美しい姿が聳えていた。 別名の 野州富士 を彷彿とさせる姿だ。


 歌ヶ浜 から1時間弱で 阿世潟 に着いた。


 阿世潟 から更に湖畔を進めば, 千手が浜 に行ける。 千手が浜 まで 9.5km あり,標準タイムで 4時間 ほどかかる。夏季は低公害バスが運行しているので, 千手が浜 からこれを利用することもできる。そのことを説明したプレート が看板に貼り付けてあった。しかし,時間外や運休中の冬季は更に 菖蒲が浜 まで(約4km)歩かなければならない。

 釣り人向けのお知らせもあった。  特に, 有害外来生物(ブラックバスなど) については,十分考えて,後世に禍根を残さないようにしなければならない。


 阿世潟 から峠に向かって緩斜面を登っていく。登山道は,  斜面の傾斜が急になったところで木製の橋を渡り,左に回り込んで 阿世潟峠 向かう。  このまま夏道を行くのもつまらないので, 斜面を直登 することにした。05年の3月には, 谷沿い を登ったのだが,今回は 尾根 を登ることにした。最初のうちは傾斜も緩かったのだが,徐々に傾斜が増し,決して楽 ではなかった。地面の下はすでに凍っていた。持って行った軽アイゼンをつけようかとも思ったの だが,そのうちに登り切ってしまった。


 尾根に着くと陽が当たり暖かい。フリースも脱ぎ,長袖シャツで歩いた。木々は既に 葉を落とし,完全に冬の景色だが, 雪がないので,里山の雰囲気だ

 少し登り, 雨量計アンテナのあるピーク を回り込むと,正面に 社山の山頂 が見えてくる。


 足元の ヤセ尾根 さえ通過してしまえば,あとは ルンルンの尾根歩き だ。最高に気分が良い。
 風が弱いとは言え, 気温が低い ので,さすがに風は冷たい。汗をかきたくないので,ゆっくり歩いたのだが,やはり汗 はかいた。立ち止まると,かいた汗が冷えて冷たい。

 足元には,昨夜降ったと見られる 霰状態の雪 が残っている。 地面の下は凍結 しており,ストックのピックが刺さらない。

 奥白根山のドーム  手前のピークは 「白根隠山」  五色山,前白根山,白根隠山,白桧山と連なり,奥白根山の外輪山を形成している。 そのため,奥白根山のピークは日光からは見えにくい。

 男体山 と,その後ろに 太郎山

 山頂付近は 霧氷 が付き,白くなっている。


  中禅寺湖唯一の島である 「上野島」

 山頂に続くなだらかな尾根道  なぜか気持ちまでゆったりとしてくる。


 ここで,山頂から降りてくる 単独行 の人に出会った。 足尾 から登ってきたという。今日の山行で出会ったのはこの人ただ一人だった。
 南方の足元には, 足尾砂防ダム が見えた。 松木川,久蔵川,仁田元川 の3本の川が合流する地点に作られた大きな砂防ダムだ。

 山頂 に到着した頃から雲が出始め,日陰になる時間が長くなった。日陰になると寒い。


 ここで昼食を食べる予定だったのだが,まだ時間も早いことと,天気が変わりだした こともあり,とりあえず下山することにした。
 凍結した土の表面は融けていて滑りやすい。そこで,持って行った 軽アイゼン をつけて降りることにした。
 男体山 もガスに覆われ始めた。

 下山は,夏道どおりに, 阿世潟峠 から下った。


 阿世潟 から10分ほど戻ったところで, 湖畔の砂浜 に腰を下ろし,昼食にした。バーナーで湯を沸かし,持ってきた 即席麺 を作って食べた。山で食べる即席麺はいつも美味しいと思うのだが,どういう訳か今日 は美味しく感じなかった。40分ほど休んで出発した。
 駐車場 に戻ると, 社山 にはガスが掛かりはじめ, 白根山 にも雲が湧き出していた。 





 今日は,期待した以上に楽しい山歩きができた。 寂しいほどに静かな奥日光。 こんな時もあるんだとちょっと意外だった。
 風は弱かったが,稜線で吹く風は冷たく,頬に突き刺さった。社山も もうじき雪に覆われて眠りに就く。

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