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高 山 2008年(平成20年) 2月2日(土) |
コース・タイム 宇都宮(6:50) ⇒ 竜頭の滝上駐車場(8:10-朝食) 駐車場(8:40) → 尾根東端(9:20) → 山頂(10:45-軽昼食-11:05) → 熊窪(12:20-30) → 赤岩(13:25) → 菖蒲が浜(14:10) → 駐車場(14:30) 竜頭の滝上駐車場(14:50) ⇒ 宇都宮(16:00) 同行者 単独 |
奥日光の
戦場ヶ原
と
中禅寺湖
の間にある
高山
は,積雪期でも比較的手軽に登れる山として人気がある。私も今回で3度目である。
初回は2004年2月28日
,単独で登った。
2回目は2006年3月21日
に妻と一緒に登った。今回はまた単独行となった。 今回は,単独行のため自由がきくので, バリルート を歩こうと計画した。登りでは, 登山口から直接に東に延びた尾根を詰めて1506ピークに登り,尾 根づたいに山頂へ行く。 下りでは, 山頂からは南西に延びた尾根を下ろう と計画した。登りより下りの方が難しいことは想像ができた。特に雪が少ないので,滑 落には十分注意をしなければならない。念のため,8mmφ16mの補助ロープを持って行った。 竜頭の滝上駐車場 には既に5台ほどの車が停まっていたが,人影はなかった。準備をしているうちに更に 2台ほど増えた。今日は 駐車場から見えるピーク に,手前から真っ直ぐに登る。 ![]() 真っ直ぐに登ろう としたのだが,シカ除けのネットが張ってあり,登れない。前回(昨年5月)に来たと きには無かったように記憶している。ネットの位置が一部変更になったらしい。 ![]() 登山口から少し入ったところに, ゲート が設置されていた。ゲートを通過してからネットに沿って少し進み,尾根の中央を登り 始めた。 ![]() 尾根は,ブッシュもなく歩きやすい。 この辺り は傾斜も緩く,快適に登れた。 ![]() 少し登ると,尾根の正面に 大きな岩 が現れた。ここは右を迂回する。 ![]() 当然ながら人の足跡はない。しかし,シカの足跡が無数にある。良く見てみると,歩 きやすいところを選んで歩いている。山歩きのプロは違うなと感心し,ルートファインディングの 参考にさせてもらった。 今田重太郎が, 奥穂から岳沢に下る「重太郎新道」を開いたとき, シカの糞に導かれてルートを開拓したという話は有名だが, やはり,野生の生物の能力には人間の 敵わないものがある。 地形図では分からなかったが,予想以上に ヤセ尾根 だ。 この辺り はまだ傾斜も緩い。 ![]() 再び,正面に 大きな岩 が現れた。両側はかなり切れ落ちている。シカの足跡は,大きく下って迂回している。 自分もそうしようかと思ったのだが,良く見ると,岩の左に狭いが 歩けそうなスペース がある。岩に手がかりもあり,安全が確保できそうなので,そこを通って先に進んだ。 ![]() 尾根の真ん中に 同じ太さの2本の木 が立っている。良く揃った一対なのだが,一方は ブナ で,一方は ミズナラ だ。種の異なる木が根を絡ませながら並び立つ姿は,何となくほほえましい。この2本 の木の間を通り抜けて前に進んだ。 ![]() 登り始めて40分で主尾根の東端 1506ピーク に着いた。日も差してきて暖かい。 ![]() ここ からは緩い上り下りの尾根歩きだ。楽しく行こう。 ![]() 2006年3月には,北側からこの場所に直登した。 (レポート) 前回より雪の量が少ない。 ![]() ここ で, 夏道 に合流する。先行者の足跡がある。登山口でアイゼンを付けているときに追い抜いてい った御夫婦のものらしい。彼らは夏道を歩くと言っていたので,もうかなり先に行っているのだろ う。 ![]() ここからは 概ね夏道を進んだ 南面では雪が解け,地肌が出ているところもある。 やはり今年は雪が少ない。 ![]() 山頂への最後の登りは,夏道では左にトラバースするのだが,今日は 尾根筋を真っ直ぐに 登った。 途中で振り返ると, 男体山 が見える。 ![]() 高山の有名な シャクナゲ は,葉を丸めて寒さと乾燥から身を護っている。 ![]() 登り始めて約2時間で 山頂 に着いた。特に困難なヶ所もなかったので,予定通りだった ![]() ここで昼食にする予定だったが,パンをかじり,水を飲んで少しだけ休憩し,下山す ることにした。 山頂からは, 南西に延びる尾根 を下る計画を立てていた。 地形図で見ると,下の方で傾斜がきつい。地図からその傾きを読むと,100mの高度 差の水平距離が120mで,角度にすると 約40度だ。 樹林帯なので,樹木につかまりながら下れば下りられると判断した。 つかまるものがないところや,急な段差を下りるときのために,補助ロープを用意し た。 山頂からしばらくは 夏道に沿って 下りる。 途中で夏道と分かれ,いよいよ バリルート のスタートだ。 ![]() 写真の通り ,雪は殆ど無い。最初のうちは傾斜も緩く,ルンルンと下っていったが,傾斜が急にな ってくると,様相が一変する。 雪があればブレーキになってくれるのだが,むき出しの地面にはブレーキとなるもの がない。 落ち葉の下はカチカチに凍り付いている 滑ったり転倒したら命の保障はないと感じた。 ![]() 登りでは,ピッケルを使った のだが, 下りではストックの方が良いと判断し, ダブルストック で下り始めた。しかし,ストックは重心が高く,ふにゃふにゃして体重を預けるのが不 安だった。 ロープ も3度ほど取り出して使ったが, ピッケル の方が良いかもしれないと思い,再び ピッケル を取り出して使った。急斜面では,ピッケルで身体を確保しながら 後ろ向きになって 下りた。これが正解だった。初めからこのように下りればロープなど要らなかった。 下ってきた斜面 を見上げて撮った写真。 写真では傾斜が分からないが,この辺りの傾斜は 約40度 ほどある。歩いて下りることはまず無理だ。 ![]() 斜面を下りきったところ で,一般道に合流する。 無名峠 から下ってきた道が,小川を渡り左手に下っていく。 ![]() 1人分の足跡はあるのだが,足跡に落ち葉が入り込んでおり, 新しい足跡ではない ことが分かる。 ![]() 熊窪 では雪が少なく,草が顔を出している。 ![]() 熊窪の湖畔 この先はアイゼンは不要と判断し,アイゼンを外した。 ![]() 熊窪 から岬に向かって歩き出したところの遊歩道。 ![]() 栃窪の オオヤマザクラ の木 と 花の つぼみ ![]() 満開の頃,また来ます。 ![]() 菖蒲が浜の遊歩道入口 にはロープが張られ,張り紙がしてある。昨年2月に,半月山に登ったときにも,狸窪 の半月峠入口に同様の張り紙があった。 「事故が起きても当局は関知しませんよ」 と言う意味なのだろうが,何となく後ろめたさを感じ,嫌なものだ。別の表現方法がな いものだろうか? ![]() 今回の装備 スノーシューは車に積んできたのだが,不要と判断して車に残してきた。これは正解 だった。 ![]() 竜頭の滝 は,かなり凍っており,多くの観光客が写真を撮っていた。 私も混じってパチリ。 ![]() 今日のハイライトは最後にあった, 竜頭の滝に沿った遊歩道を滝上の駐車場まで登らなければならない のだが,階段には積もった雪が凍り付いており,なんとも歩きにくい。再びアイゼンを 履こうかと思ったほどで,足に変な力を入れるものだから,腿に痙攣が起きそうになった。 やっとのことで駐車場にたどり着いた。 今回の高山 は,以前から歩きたいと思っていたところを歩くことができ,大満足だった。でも,凍 った急斜面の下降は疲れた。足の筋肉が悲鳴を上げだした。トレーニングをしなければ。 お ま け 朝,途中で, 歌が浜駐車場 に寄り道をしてきた。 社山 と, 奥白根 の姿が見たかったからだ。曇り空で輝きは無かったが,素晴らしい姿を見ることができ た。 社山 ![]() 奥白根山 ![]() 帰路にも寄り道をした。 第1いろは坂 の中間点の少し下に「 剣が峰 」と呼ばれるところがあり,数台の駐車スペースがある。実は,ここは絶景ポイントな のだが,今まで車を停めて見たことがなかった。シーズン中には,駐車スペースに入りきらずに, 道路にまではみ出した車が通行の邪魔になり,「まったく!」と思いながら通り過ごしていた所だ。 今日は車も少ないので,停まってみることにした。ここからは, 方等ノ滝 と 般若ノ滝 という二つの滝を見ることができる。そして,ここがこの二つの滝を見るベストポジシ ョンなのだ。 方等ノ滝 ![]() 般若ノ滝 ![]() わざわざ車を停めただけのことはあった。素晴らしい眺めだった。 ページトップへ |