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西 ノ 湖

2008年(平成20年) 4月29日(火/祝)


コース・タイム
 宇都宮(6:00) ⇒ 竜頭の滝駐車場(7:20)
  駐車場(7:30) → 赤岩(8:25) → 栃窪(8:35) → 千手ヶ浜(9:20) → 西ノ湖(10:10-25) → 西ノ湖入り口(11:04) ⇒(バス)⇒ 弓張り峠(11:15) → ハリギリ広場(11:55-昼食-12:45) → 駐車場(13:50)
 竜頭の滝駐車場(14:00) ⇒ やしおの湯(14:30-15:30) ⇒ 宇都宮(16:20)

同行者
 妻

 奥日光 は季節に応じて表情を変え,一年中,どの季節に来ても素晴らしい。この時期は,まだ 花の数も少なく,訪れる人は少ないため,静かな 本来の奥日光 を味わうことができる。
 ゆっくりと宇都宮の自宅を出た。4月末まで冬季割引料金の 日光バイパス を通って日光に向かった。すると,今市インターの手前で,見覚えのある車が前方を走 っているのに気がついた。ナンバーも確認したが間違いない。先日立山室堂をガイドしてくれた BAKUさん だ。BAKUさん,HIBARIさんが今日明日と 尾瀬 に行くということは,掲示板で知っていたが,まさかここで出会うとは思ってもいなか った。少しだけお話しして別れた。
 竜頭の滝駐車場 に車を停めたが,他には停まっている車はない。いつものように身支度して出発した。

 冬季休業中だった 日光プリンスホテル も,営業を再開したらしく,ホテルの駐車場にはたくさんの車が停まっていた。
 昨年営業を止めた 菖蒲ヶ浜スキー場 は,全ての施設・建物が取り壊され,草の生えた斜面だけが広がっていた。もともと, 県の土地を,スキー場を開設するためにプリンスホテルが借り受けたところなので,スキー場を止 めれば,県に返さなければならない。そこで,県は返却に際し 原状復帰 することを求めてきたと言う。植林などを行い,スキー場になる前の状態に戻したうえ で返却せよというのだ。国立公園の中でもあり,自然保護の観点からは当然のことなのだが,ホテ ルにとっては大変なことだ。
 このスキー場は, オオハンゴンソウ が大繁殖し,開花時期には一面真っ黄色のお花畑になる。「きれいだ」と感動する人も いる反面,この帰化植物が大繁殖することで,在来植物が打撃を受けていることも見逃せない。
 プリンスホテルの裏手で,沢状になったところに バイケイソウ が群落を作っている。この芽生えは,山菜の ウルイ によく似ているのだが,これは有毒である。先日も,誤食して中毒になったという新聞 記事があった。

 木々もやっと芽吹き始めたばかりで,地面もまだ落ち葉に厚く覆われており,草花も ほとんど芽を出していない。その中で,足元に タチツボスミレ が咲いていた。


 柔らかな陽射し が地面に届き,ゆっくり歩いても汗ばむほどだ。

 アカヤシオ の蕾も大きく膨らんでいた。あと4〜5日で開花するだろう。


 開花を心待ちにしている栃窪の オオヤマザクラ は,まだ蕾は固い。


 いつものように オオヤマザクラ の下で記念撮影


 遊歩道も, 冬の間に傷んだところ がある。安全のために,できるだけ早く修復しなければならな い。


 千手が浜から男体山 を望む。春独特の霞で,すっきりとは見えない。

 奥日光の シカ は, ウラジロモミ を好んで食べる。皮を剥いで食べるのも,大好物はウラジロモミだと言う。  この芽生えも,たぶんこれ以上には大きくなれないという。大きくなって目立つよう になるとシカに食べられてしまうのだ。


 千手の森歩道 は,私の大好きな道だ。 ミズナラハルニレの林 は,春・秋は明るく,夏は涼しい。


 正面奥に見えるのは,栃木・群馬県境の 錫ヶ岳 2388mだ。上高地で,河童橋越に見る穂高連峰に少しだけ似ている気がするのだが・・ ・?

 毎年,来る度に川岸が浸食されている。このまま放置して良いのだろうか。


 吊り橋を渡った先に, ダケカンバ の木が4本,一直線に列んでいるところがある。いずれも根が高く張りだしている。こ こにはかつて 倒木 があり,倒木の上に芽生えたダケカンバが,その倒木の養分を肥料として大きく成長し たもので, 倒木更新 の典型的な事例である。湿地帯など,養分の少ないところでは,倒木の養分は貴重な肥 料となるから,倒木の上に芽生えた植物は幸運だったと言うことになる。それにしても,こんなに 見事な事例は,他で見たことがない。 

 西ノ湖 は,水位の変化が激しい。  現在は,やや渇水というところか。  そう言えば, 中禅寺湖 の水位も下がっていた。西ノ湖で少し休憩し,アザミ橋に向かった。


 カラマツ の幹の地面から1mほどの高さのところに, 穴が三つ 並んで開いていた。 アカゲラ が開けた穴のようだが,こんな低いところの穴は初めて見た。ちなみに,この木は枯れ てはいない。穴の周囲に樹液が浸みだしている。もっと地面に近いところにも,小さな穴があった。 ほんとにアカゲラが開けた穴なのだろうか。

 アザミ橋 のたもとにある カラマツ には 雄花 がいっぱい付いていた。良く探したのだが, 雌花 は見つからなかった。


 カラマツの雌花 は数年周期で,付く年と付かない年があるというが,今年は付かない年なのかも知れな い
 アザミ橋から弓張り峠まで バスに乗った。ちょっとズルをした気分だが,快適だ。バスの窓からシカの姿を探した が見つからなかった。
 弓張り峠から,小田代原に向かった。  小田代原 は, ホザキシモツケ の焦げ茶色と, クマザサ の緑, シラカバ の幹の白・・・・と,結構カラフルだ。

 小田代原 からカラマツ林越に見た 太郎山


 小田代原 から 泉門池 に向かう道の脇で, ヒメイチゲ を見つけた。 この時期の ヒメイチゲ は特に小さく,痛々しいほどに可愛い。

 いつもと同じ, ハリギリ広場のベンチ で昼食にした。気温は低くはないが,弱い風が当たるとけっこう寒い。昨年話題になっ た スズメバチの巣 は,取り外されていた。
 昼食後,戦場ヶ原の 自然研究路 を通って 竜頭の滝 へ向かった。
 戦場ヶ原も,厳しい冬を乗り越え,芽吹きのときを迎えた。新しい芽が伸びるのはこ れからだが,その準備が着々と進んでいる。
 冬の間に木道を外れて歩いたスノーシューやスキーによって 痛めつけられた跡 が,木道に沿って続いている。これからは,年々積雪量が減少することが予想されるか ら,踏みつけによる影響はますますひどくなるだろう。良い対策はないものだろうか。

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