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早 池 峰 山

2008年(平成20年) 6月29日(日)



コース・タイム
 岳民宿「和泉坊」 → 岳駐車場(6:30) ⇒(シャトルバス) ⇒ 小田越登山口(6:55)
  登山口(7:20) → 5合目(8:40) → 山頂(9:35-10:00) → 5合目(11:00) → 登山口(12:30)
 小田越(12:40) ⇒(シャトルバス)⇒ 岳駐車場(13:00)
 岳駐車場 ⇒ 田沢湖水沢温泉(ヒュッテビルケ)

同行者
 キクさん,T子さん,妻

 固有種の ハヤチネウスユキソウ で有名な 早池峰山 は, 蛇紋岩 が露出しており,特異な高山植物が見られる。しかし,自宅からの距離があることなど から,今まで行く機会がなかった。
 今回, 秋田駒ヶ岳 と組んで2泊の日程で 早池峰山 に登ることにした。 キクさん に運転を担当してもらい, 私たち夫婦 と, T子 さんの4人で出かけた。
 前日は,午前中に宇都宮を出て, 遠野 を観光し, 岳の民宿「和泉坊」 に宿をとった。シーズン中の土曜日ということで混雑を予想していたのだが,宿泊客は 少なかった。悪かった天気予報も,近づくにつれて良くなり,強い雨には遭わずに済みそうだ。

6月29日(日)
 朝,山の頂にガスが掛かってはいるが,すぐに崩れるような空模様ではなかった。民 宿の朝食を早くしてもらい, シャトルバス の出発点にある駐車場に車を移し, 6:30発 のバスに乗った。

 シャトルバス は,小型のバスだが, 予約状況 (10人以上の団体は予約するように呼びかけている。)や 岳の民宿 の宿泊客の数などを調べて,増発するようになっている。乗れないことを心配する必要 はない。 約30分で終点の 小田越 に着いた。
 早池峰山のマイカー規制は,土,日,祝日のみなので,平日ならば 河原坊まで入ることができる。  ただし, 河原坊 には駐車場があるが, 小田越 には駐車スペースがない。
 小田越の登山口 には,みどりの腕章を付けた グリーンボランティア がたくさん待機しており, 登山のマナー を書いた冊子を配布したり, 携帯トイレ の販売を行っていた。



早池峰山のトイレ問題
 早池峰山の山頂 に避難小屋の新設に合わせて トイレ が設置されたのは1988年だった。それまでは,山頂の岩陰のあちこちに白いテイッ シュの花が咲く,ひどい状態だったが,頂上トイレ の設置でテイッシュの花は見られなくなった。
 折から 「百名山ブーム」 で,登山者が急増し, 年間25,000人 もの登山者が訪れるようになると,このトイレが地下浸透式のトイレであったため, 冨栄養化 が起こり便槽近くの植物が通常の2倍もの大きさに育ってしまうなど, 生態系に大きな影響 が現れてきた。
 その状況に対し,山を守ろうと果敢に取り組んだのが地元花巻市の 菅沼賢治 さんとその仲間達だった。全国でも初めての,ボランティアによる し尿担ぎ下ろし である。1993年11月に始まり,現在に至っている。
 早池峰山では,行政,自然保護団体,登山関係者が一体となって,
 ―佝前に登山口で用を足し,山頂トイレはなるべく使わない。
◆〃搬咼肇ぅ譴鮖参し,緊急の場合は携帯トイレを使用して持ち帰 る。
ことを呼びかけている。
 その効果が現れ,ボランティアが担ぎ降ろすし尿の量は,最大時の十分の一以下にな っているという。
 登山口から歩き出してすぐに, オサバグサ の群落に出会った。花は終わりに近づいていたが,可憐な花を見ることができた。


 ズダヤクシュ の大群落もちょうど花を付けていた。


 オオバタケシマラン は,花の付き方に特徴がある。

 ここの マイヅルソウ は,栄養が良いのか葉も大きく茎も長く伸びている。マイヅルソウにも「 ヒメマイヅルソウ 」「 コマイヅルソウ 」など近縁種があるが,私には区別できない。


 樹林帯を登り切ると 1合目 ,ここからは岩が露出した開けた斜面になる。

 ミヤマヤマブキショウマ  普通の山に見られるヤマブキショウマの変種で 早池峰山固有種 


 ミヤマハンショウヅル 

 ミヤマオダマキ


 ミヤマシオガマ   ヨツバシオガマより背丈が低く,葉も重なっている。


 高山植物を観賞しながらなだらかな斜面を登ると再び 急な斜面 になる。この上部にハシゴがある。

  ホソバイワベンケイ   「細葉」と言っても,これはあまり葉が細くない。


 クモマスミレ キバナノコマノツメに似ているが,成育場所から考えて,クモマスミレで間違いないだ ろう。


 ムシトリスミレ  葉の表面に貯めた粘液で小さい昆虫などを捕らえ,栄養にしている。


 ハヤチネウスユキソウ   日本産のウスユキソウの仲間では,ヨーロッパアルプスの エーデルワイス に最も似ていると言われている。


 本当の花は中心に固まっている 黄色い 部分。 白い大きな花びらのように見えるのは葉が変化した 苞葉 といわれるもの。


 ナンブイヌナズナ  これも, 早池峰山の固有種

 早池峰山 以外では北海道の 夕張岳 戸蔦別岳 のみで生育している。


 イワウメ  イワウメは北海道から本州中部地方以北の高山帯に生育する常緑の矮小低木。

 ミヤマアズマギク  最近,ピンク色が薄くなり,青みがかったものが増えてきたが,これは 酸性雨 の影響とも言われる。


 二段になっている 鉄ハシゴ を登る。傾斜が緩いので,かえって登りにくい。

 稜線に出て,左に進むと, 「御田植場」 という湿原がある。見られる花の種類が変わる。  ミツバオウレン


 木道には, 滑り止め の切り込みが入れてある。手間は掛かるだろうが,この方が安全だ。

 尾瀬 では,毎年,木道で滑って転倒し,骨折などの事故が起こっている。このようにできる と良いのだが。木道の距離が長すぎて,チョット無理かな。


 ショウジョウバカマ ここは,雪が解けてまだ時間が経っていない。

 コバイケイソウ も芽を出したばかりだ。


 山頂付近にいたボランティアが 「2種類のサクラが咲いていたけど,分かったかい?もう一つのチシ マザクラは終わってしまった。」 と話しかけてきた。この2種として「 「タカネザクラ」 「ミネザクラ」 と言ったのだが,図鑑で調べるとこの2種は同じものだ。 正しい名前が「タカネザクラ」で,別名が「ミネザクラ」だ。

 写真から見ると 上の タカネザクラ とは明らかに違うように見える。これも タカネザクラ なのだろうか。写真で見たかぎりでは マメザクラ に似ているのだが。


 頂上にある 「十合目」標柱

 三角点標柱 (1等三角点)


 頂上の岩陰で休息し,時間もまだ早いので 軽い昼食 にした。頂上付近はまだ雪が解けたばかりだ。風が当たるとさすがに寒い。
今日は,下山後に 明日の秋田駒ヶ岳登山 のために 田沢湖 まで移動しなければならない。時間はまだ早いのだが,下山することにした。写真を撮 りながら,また,バスの時間に合わせて時間を調整しながら下った。
 時々,ガスが掛かったが,雨には遭わずに済んだ。

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