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秋 田 駒 ヶ 岳

2008年(平成20年) 6月30日(月)

 今回は,8合目から浄土平まで旧道コースを登ったが,このコース は荒れており,危険なところや,ルートのわかりにくいところもある。経験の少ない人や,経験者 の先導が無い場合には,入り込まない方が良い。


コース・タイム
 ヒュッテビルケ(5:10) ⇒ 8合目駐車場(5:40-朝食)
  駐車場(6:30) → 阿弥陀池(7:45-8:00) → 横岳(8:15-30) → (大焼砂) → (馬場の小路) → 阿弥陀池(11:00-昼食-25) → 男女岳(11:40-50) → 阿弥陀池(12:05-10) → 展望台(12:40) → 駐車場(13:00)
 駐車場(13:30) ⇒ 水沢温泉ヒュッテビルケ(入浴) ⇒ 盛岡IC ⇒ 宇都宮IC ⇒ 自宅(21:00)

同行者
 キクさん,T子さん,妻

 秋田駒ヶ岳 には, 2005年7月9日−10日 に計画をしたのだが,あいにくの悪天候のため,山麓まで来ていながら中止せざるを得 なかった経緯がある。その時にお世話になったのが, 田沢湖高原水沢温泉 の「ヒュッテビルケ」 だった。山には登れなかったが,ビルケの「お母ちゃん」の心のこもった料理ともてなしに,満足 して帰宅したのだった。今回もビルケにお世話になることにした。
 次々と出てくる温かな料理と,美味しいお酒,そして,「ヨン様」の話題で盛り上が った楽しい夕食。十分に満足して床に就いた。
 夜半に雨が降ったようだったが,明るくなる頃には上がり, 田沢湖 に蓋をするように雲海が広がっていた。台風崩れの低気圧が予報より南を通過してくれ たおかげで,雨にはならずにすんだ。

  秋田駒ヶ岳のマイカー規制 は,6月1日〜10月31日の土,日,祝日と,6月21日〜8月19日の平日となっており,今の 時期は, 早池峰山 と違い,平日でも実施されている。但し,規制時間が 午前5時30分から午後5時30分 までとなっているので,その時間帯以外にゲートを通過すれば 8合目の駐車場 まで行くことができる。
 当初は, シャトルバス を利用しようとしていたのだが,ビルケのお母ちゃんの薦めもあり, 8合目までマイカーで行く ことにした。朝が早いので,朝食の代わりに おむすび を作ってもらった。シャケの入った 焼きおむすびが絶品だった。

 8合目駐車場 に着いたのは6時少し前。一番乗りだ。まだ,誰もいない。 避難小屋 の雨戸を開けて中に入り,朝食を食べた。

 避難小屋 は大変に立派な作りで,2階は宿泊できるようになっている。


 6時25分頃に到着した 始発のバス から6人が降りてきた。
 彼らと前後して,駐車場を出発した。
 展望台経由で 浄土平 に向かう 新道コース から右に分かれ,かつて, 硫黄の採掘 を行っていたときの作業道がもとになったという 旧道 を進んだ。


 このコースは,変化に富んだおもしろいコースだが,途中,ザレた斜面や,ルートの 不鮮明なところもあり,また,崩壊した斜面の横断などもあり, 一般ルートではない
 経験の少ない人や,経験者の先導が無い場合には,入り込まな い方が良い。


 かなり危険な場所 もある。慎重に通過した。

 硫黄を採集して いたのがいつ頃までなのか,資料がないので分からないが,この景色は異様だ。

 急な斜面を一気に登ると, 浄土平 に飛び出す。


 振り返って足元を見ると,このような 看板 があった。その通りだと納得したが,登り口の方には看板などはない。
 もっとも,看板を付けることがかえって初心者の通行を誘うことにもなりかねないの で,今のままが良いのかも知れない。


 雪渓の残った斜面を一登りすると, 駒ヶ岳避難小屋 が現れる。とても立派な小屋だ。

 東北地方の山にある「避難小屋」は,どれもすばらしく立派だ。


 小屋の前で一休みして, 横岳 に向かった。
 僅かな登りで稜線に出ると,あとは快適な稜線歩きだ。めずらしい高山植物も多い。 周囲はガスに覆われていた。


 横岳の山頂 で休憩。ガスはなかなか晴れない。


 横岳から 大焼砂 を下る。まず, タカネスミレ の群落が現れた。高山のスミレでは,この タカネスミレ キバナノコマノツメ が有名だが,これを花だけで区別するのは難しい。

 少し下ると,両側にロープが張られている。これは, コマクサ を保護するためのものだ。 ロープが要らなくなるのが理想だが,なかなか難しい。
 他の場所だが,コマクサの中にたくさんの足跡が刻まれているところもあった。

 大焼砂 から右に折れ,少し進むと, 馬場の小路 と言われる場所に出る。 チンクルマ が満開で私たちを出迎えてくれた。私はまだ,それほど多くの山に登ったわけではない が,こんなに素晴らしいところに出会ったことはない。





 馬場の小路 から 急斜面を登り出すと, シラネアオイ の大群落が広がっている。
 こんな大群落を見たのは,数十年前に 日光の奥白根山 で見た以来だ。  「シラネアオイ」 は日光の 白根山 に由来した名前だが,今はシカの食害などの影響で大群落は姿を消してしまった。

 急斜面を登って 外輪山 の上に登ると,眼下に 阿弥陀池 が見える。


 浄土平 に戻って,ベンチで昼食にした。 大人数の団体 男女岳(おなめだけ) から続々と下山してくる。40人ほどの団体が2団体ほど,前後して降りてきた。ベン チで休んでいる間にも,別の団体が 新道コース から登ってきて,男女岳のほうに登っていった。
 団体が一区切りするのを待って,私たちも 秋田駒ヶ岳の最高峰 である 男女岳 に登った。相変わらずガスが掛かっており,展望はない。時々ガスが切れても,浄土平 の避難小屋が見える程度だった。
 山頂での 記念写真

 男女岳山頂の三角点  この高さが 秋田駒ヶ岳 の高さになっている。


 今日は, 下山後に宇都宮まで帰らなければならない。 名残惜しいが, 浄土平 を後にした。 男岳 にはガスが掛かっている。

 片倉岳展望台 まで降りてくると,ガスも切れ,下界が見えてきた。写真では分かりづらいが, 田沢湖 の姿も見える。


 駐車場 が見えたが,車は4台のみ。もっとも,マイカー規制中なので,私たちの車以外は,ほ ぼ関係者の車だ。


 駐車場からの下山は, バスの後ろ について下るように指示された。道路が狭く, 交換できる場所 が限られているからだ。
 前夜泊まった「ビルケ」で温泉に入らせてもらい,汗を流した。後は,キクさんの運 転で一路,宇都宮に向かった。
 キクさんにはお世話になったが,こんなに素晴らしい山旅ならば,何度やってもいい。
 またお願いします。

秋田駒ヶ岳 花のアルバム

ハクサンチドリ


ベニバナイチゴ


エゾツツジ(蕾)


コバイケイソウ


ムシトリスミレ


コケモモ


ミネカエデ


オノエラン


キバナノコマノツメ


コマクサ


コマクサ


サラサドウダン


ウラジロヨウラク


ヒナザクラ


アオノツガザクラ


ミネズオウ


シラネアオイ


ミヤマウスユキソウ 


ツマトリソウ 


イソツツジ


オオバキスミレ



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