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立 山 室 堂

2009年(平成21年) 4月17日(金)-19日(日)


コース・タイム
4月17日(金)
 宇都宮(5:20) ⇒ 扇沢駐車場(10:00) 
 扇沢駅(10:30) ⇒(トロリーバス・ケーブルカー・ ロープウエイ・トロリーバス)⇒ 室堂ターミナル(13:30)
  室堂ターミナル(13:40) → 雷鳥荘(14:20-付近散策・泊)
4月18日(土) 
  雷鳥荘(8:00) → 室堂山荘(8:45) → 一ノ越(10:05-45) → 室堂山荘(11:35-昼食-12:15) → 室堂ターミナル(13:00) → (雪の大谷) → 室堂ターミナル(14:00) → 雷鳥荘(14:50-泊)
4月19日(日)
  雷鳥荘(8:15) → 室堂ターミナル(8:50)
 室堂ターミナル(9:00) ⇒(トロリーバス・ロープウェイ・ ケーブルカー・トロリーバス)⇒ 扇沢駅(10:50) 
 扇沢駐車場(11:20) ⇒ 宇都宮(16:00)

同行者
 キクさん,Tさん,妻

 4月17日(金)
 昨年は4月12日 に, 一般開放前の室堂 に入ることができた。 (レポ) 今まで 見たことのない壮大な雪景色に感動した。その感動が忘れられず,今年も訪れることにした。
 今年は, 一般開通初日 扇沢 から入る。金曜日なのでひどい混雑はないだろうと判断し, 10時発 のトロリーバスに乗ることを目標に,宇都宮を 5時20分に出発した。実際には,途中で 予定以上に時間がかかり,扇沢駐車場に着いたのは10時になってしまった。
 無料駐車場も上の段は満車だったので,下の段に停めた。路面は除雪されているが, 路肩には雪が高く積み上げられている。
 小雨の中を ターミナル に向かって歩く。


 10時30分発 のトロリーバスに乗ることができたが,改札口には 長い行列 ができていた。
 黒部ダム湖 も雪解けが進んでおり,水面が広がっていた。


 黒部平駅 でロープウエイに乗り換えるのだが,なんと, 待ち時間が1時間30分 もかかった。ツアーの団体が次々とやってくる。話し声を聞くと日本語ではない。殆ど が 中国語と韓国語 だ。外国からのツアーの場合,日本の有名観光地は,日本人観光客が増える休日は避け て日程を組むという話を聞いたことがあるが,その通りなのかも知れない。
 外に出てみると天候が回復してきたが, 立山の山頂 はまだ雲の中だ。


 黒部湖 を挟んだ対岸の 赤岩岳 に陽が当たり始めた
 待ち時間の間に, 立ったままで 昼食を食べた。座れる場所を探したが,建物の中は混雑しており,座れる場所はどこに もなかった。


 やっと乗り込んだロープウエイからは, 鹿島槍ヶ岳と,その左奥に五龍岳 が見えた。

 室堂ターミナル に着いて,すぐに屋上展望台に登って外に出た。 駐車場 には,次から次と大型バスが入ってくる。それとすれ違って 雪の大谷ウォーク の人の列が続く。


 ターミナルビル の屋上から外に出ると,広い雪原の先に 立山三峰 がどっしりと構えている。


 剣御前の左に 劔岳 の頂が顔を出している。


 案内標識に従って歩いていくと,まず, みくりが池温泉 が見えてくる。


 みくりが池温泉 の脇を抜けて先に進むと,たっぷりと雪を蓄えた 奥大日岳 が見える。さらに左には 大日岳 が。


 振り返ると, 一ノ越と浄土山 が見える。

 さらに進むと,窪地の対岸に 雷鳥荘 が見えてくる。かろうじて3階の窓が見えているだけで,大部分は雪の下だ。
 雷鳥荘の背後には, 新室堂乗越 から 剣御前 に続く稜線が見える。 劔岳 の山頂は,これ以上近づくとその稜線に隠れて見えなくなる。


 雷鳥荘 に到着した。除雪が進み, 玄関 から入ることが出来たが。玄関は実は2階。まずはチェックインし,荷物を置いてから 付近の散策に出た。
 ターミナルから雷鳥荘までの道は,踏み固められており, スノーシュー を履く必要が無かったが,自由に歩き廻ろうと, スノーシュー を履いて出かけた。
 昨年, 雷鳥 を見かけた場所に行ってみたが, 雷鳥 には会えなかった。
 称名川 を挟んで,対岸に 剣御前から別山に連なる山肌 が衝立のように立ちはだかる。山スキーヤーが刻んだ シュプール が美しい模様を描いている。私はスキーをやらないが,こんな大斜面を滑ることができ たらどんなにか感激するだろう。

 別山乗越 剣御前小舎 が見える。意外と近くに見えるのだが,あそこまで登るのは夏でも簡単ではなかった。


 せっかくスノーシューを履いたのだから, トレースのないところ を選んで歩いた。気温も高く,雪も柔らかになっている。

 雷鳥沢キャンプ場 にはテントが2張り張られていた。 テントの周囲りには,風よけのために雪を積み上げてある。天気さえ良ければ,テント も快適なのだが・・


 風が冷たくなってきたので,宿に戻った。 温泉 に入り, ビール で喉の渇きを癒しながら,夕食の時間を待った。
 窓の外には, 夕方の太陽 が独特の景色を構成している。 傾いた太陽の下には,雲海が広がっている。 この雲海の下は 日本海 だ。

 夕食 も美味しく頂いた。当然ながら, 山小屋レベル の料理ではない。冷酒があっという間に 胃袋の中に消えた。


 食後,談話室で,スキーに来たという 若いカップル と話し込んだ。可愛らしい娘さんと,たくましい素敵な若者で,私たち酔っぱらいの話 に付き合ってくれた。翌日は室堂山荘に泊まるという。
 部屋は 床暖房 が効いていて,寒いことはなかった。と言うより,ほんとうは熱くて困った。

4月18日(土)
 今日も朝から良い天気だ。 日の出前に建物の外に出て,刻々と移り変わっていく景色を堪能した。 奥大日の頂き に陽が当たり始めた。ここは,日の出の方向に高い山があるため,太陽の高度が高くな らないと陽が当たらない。そのため, モルゲンローテのような色の変化は楽しむことができない。


 別山乗越を目指してスキーヤーが登っていく。 砂糖の山を一列で登っていく のようだ。この時間にあそこまで行くには,暗い内に歩き始めたのだろう。2〜3時間 もかけて登り,僅か数分で滑り降りてしまう。でも,その数分間に,計り知れない感激と充実感が 有るのだろう。彼らのテクニックはさすがに素晴らしく,滑降を見ているだけでワクワクしてしま う。

 宿に戻り,朝食を食べた。バイキング形式で,種類も多く,つい食べ過ぎてしまった。
 今日は,予定通りに 一ノ越まで行く ことにした。
 身支度を調え,8時に宿を出発した。雪もしっかりと締まっており,スノーシューは 不要と判断し,置いていくことにした。宿からアイゼンを付けて出発した。
 地獄谷の向こうに 富山平野 とその先に霞んではいるが 日本海 を見ることができた。


 立山 の斜面には,昨日のスキーヤーが刻みつけた シュプール が,朝日に輝いている。

 小屋から僅かのところのハイマツ地帯に ライチョウ が居た。こんなに良い天気の日にライチョウが見られるのは珍しい。それだけ,ライチ ョウの 密度が濃い と言うことらしい。


 ここの ライチョウ は, ニホンライチョウ という。ライチョウの生息数は全国で約3000羽,そのうち富山県に1500羽,室堂地区に 300羽が棲息しているという。この地区は,全国で最もライチョウの密度が高い場所なのだ。 北海道 には別種の エゾライチョウ が生育している。 エゾライチョウ は,冬でも白羽にならない。
 室堂山荘 までやってくると,今日の目的地である 一ノ越 が間近に見えてくる。

 雄山 の斜面に,泡がわきあがったような 面白い模様 が見えた。どのようにしてできた模様なのか興味が湧いた。


 この時期, 立山室堂 に来る人の多くは, 雪の大谷 を目標に来た通り抜けの観光客だ。
 室堂に 宿泊 した人の中で最も多かったのは, スキーヤー(ボーダーも含めて) で,8〜9割がそれだ。次ぎに多いのが, 写真 を撮るために来た人たちで,私たちのように 歩く ために来た人はほんの僅かしかいない。
 三脚を構え,シャッターチャンスを待つ カメラマン

 ボード をザックに縛り付け, スノーシュー を履いて登ってくる若者のグループ。このようなグループが何組もいた。


 一ノ越 が近づくと,斜面のトラバースではなくなり,歩きやすくなるが, 勾配 はきつくなる。


 一ノ越 はスキーヤーで混雑していた。ここは,風の通り道なのか,さすがに風が強い。
 一ノ越山荘 の陰に入って風を除け,しばらく休憩した。
 一ノ越 からは, 表銀座から槍穂高,水晶岳,笠ヶ岳 まで見える。

 槍ヶ岳 が天を突き,その右に 穂高連峰 が連なる。


 笠ヶ岳 のピラミッドが真っ白に輝いている。


 龍王岳 の岩峰 が直ぐ近くだ。でも,積雪期にあそこまで行くには,もう少しレベルアップしなければ ならない。

 寒くなってきたので下山することにした。 目の下に 室堂平 が広がっている。

 室堂山荘 前まで降りてきて昼食にした。山荘裏の雪の上に腰を下ろし, 雄大な立山 をおかずにして, 大満足なひとときだった。
 室堂ターミナル まで戻り 雪の大谷 を歩いた。今年は,壁の最高は昨年より2m低く 15m だった。


 雪の大谷ウォーク の最後まで行き,雪の上に上がると, 劔岳 の姿がよく見える。岩には雪が付きにくいのか,真っ黒な姿だ。


 ターミナル に戻って一休みしてから宿に向かった。
 先ほどから気になっていたのだが,あるグループがさかんに 雪を積み上げて いた。何をするのかと思っていたら, ジャンプ台 を作っているのだった。雪の楽しみ方は色々あるから,それもまた良いのだろうが, 昨年ここで聞いたある話が気になった。

 ライチョウ にとって迷惑なのは,長時間に渡って側を離れない カメラマン と,巣ごもりした近くにジャンプ台を作り 一日中騒いでいるスキーヤー なのだそうだ。短時間ならば問題ないのだが,長時間に渡るとストレスが溜まり, 抱卵を放棄 してしまうのだ。
 シュプール は,光の角度の関係で面白い模様に見える。

 そのまま宿に戻り, 温泉 → ビール と,いつものコースを辿った。
 夕食で同席になったご夫婦と意気投合し,しばらく話し込んでしま った。 食堂の後片付けの邪魔になるので,談話室に行こうとしたら,そこは満員。しかたなく, 玄関のベンチ に腰を下ろし, 2次会 を開催,すっかりごちそうになってしまった。栃木県のほうにも来ることがあるという ので,また会えるかな?

4月19日(日)
 今日は最終日。昨日に続いて 天気は上々 だ。お昼くらいまで,何処かで遊んでから帰りたかったのだが,今日は日曜日, 途中の混雑 を考えて,そのまま帰る ことにした。
 昨日の朝と比べて, シュプール の数が遙かに多い。昨日一日でそれだけの人が滑ったのだ。

 みくりが池温泉 の後に見える 劔岳 も,もう少しで見納めだ。

 室堂ターミナル 9:00 発のトロリーバス に乗り,順調に乗り継いで 黒部ダム までやってきた。すれ違いで登っていくバスは超満員で,乗り場には,長い行列ができ ていた。今日は,私たちが登っていった金曜日より混雑がひどいようだ。
 ダムサイト の上から下流方向を見ると,正面に雪を被った山が見えた。帰ってから調べたら, 白馬岳と白馬鑓ヶ岳 だった。


 2日前にここを通ったときには氷が浮いていた湖面には,もう何も浮かんでいない。 二日の間に雪解けがかなり進んだ。 正面奥に 赤牛岳 がはっきりと見える。

 11時には 扇沢 に着いた。帰路の高速道の混雑が気になるので,少しでも早く帰ろうと,いつも入る温 泉をパスして車を進めた。
 大町 から 麻績IC を目指し,新引沢に沿って登っていくと,トンネルがあるが, ここから見る景色は特筆に値する。 トンネル前の駐車スペースに車を停めて,景色を眺めた。
 左端の 岩小屋沢岳 から 爺ヶ岳,鹿島槍ヶ岳,五龍岳,唐松岳 まで, 後立山連峰 の中心部が見える。

 この山行は,好天に恵まれ, 大満足の3日間 だった。「山行」と言うには多少の物足りなさが残る気もするが, 雄大な雪景色 と, 素晴らしい温泉  おいしい料理とお酒 に心も体も癒された。

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