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男 体 山

2009年(平成21年) 5月30日(土)


コース・タイム
 宇都宮(5:30) ⇒ 志津乗越(7:30)
  志津乗越(7:50) → 山頂(10:15-昼食-45) → 志津小屋(12:10) → 志津乗越(13:00)
 志津乗越(13:20) ⇒ 宇都宮(15:20)

同行者
 単独

 この山行は, 清掃登山 として, 日光パークボランティア 自主活動 として計画したのだが,登山のような 危険の伴う活動 は, 自主活動としては認められない と言う。日光パークボランティアの活動は, 活動計画に基づいたチーム活動 が原則となっており,危険のない平地の活動に限って個人による 自主活動 が認められているのだ。ボランティア活動は安全第一なので,これは仕方ないことだ。
 そこで,今回は プライベートな登山 として実施することにした。もちろん, ゴミ拾いをしながらの登山 である。天気予報は良くなかったので,最悪の場合は,登山をせずに, 志津小屋 志津乗越 周辺の清掃だけをしようと思って,出かけた。
 国道から 光徳 方向に曲がり,突き当たりを左に進むと光徳に行くのだが,ここを反対方向の 右に曲がって 凹凸のある道を100mほど進むと, 志津林道 の入口がある。左に曲がって林道にはいると,道は舗装してあり,走りやすいのだが, 道幅が狭く,見通しが悪い ので,スピードの出し過ぎに注意しなければならない。
 志津乗越 には全部で20台ほどが駐車できるスペースがある。私が着いたときには既に2台が停 まっており,車内に人影はなかった。私が準備中に更に2台が到着したので,挨拶しながら行き先 を聞いてみると,男体山に登るという。 天気予報が悪くても登る人はいる

 志津小屋 はログハウス風のしっかりした建物だ。小屋周辺の清掃は,下山後に行うことにして先 に進んだ。

 上空は 雲が厚い が,雨は降ってはいない。樹林帯を少し進むと, 一合目 の標柱が出てくる。ここまではほぼ平坦な道だが,地面は濡れていて滑りやすい。

 登山道 は掘れていて歩きにくい。そのため, 溝を避けて歩いた道 ができているのだが, 自然保護 の観点からは,あまり好ましいことではない。自然を破壊しないためにはできるだけ 溝の底 を歩くべきなのだが・・・滑って歩きにくい。

 二合目 から少しの間,開かれたところを沢に沿って登っていく



 依然として雨は落ちてこないが,上空はガスに覆われている。 振り返って見た 太郎山 も,山頂にはガスが掛かっている。

 三合目 を過ぎると,だんだんと傾斜が増してくる。土の地面は足への衝撃は少ないのだが,滑 りやすく,歩きにくい。


 四合目  だんだんとガスが濃くなってきた。

 傾斜は急だが,一気に高度が稼げるので,ただ黙々と登る。 五合目 の両側は切り立っており,意外と ヤセ尾根 だ。

 六合目  ガスの粒が大きくなり,濡れるようになったので, 雨衣 の上を着た。

 雨衣を着たままだと,やはり暑い。この後,幾度か 脱いだり着たり を繰り返した。
 残雪 が増えてきた。谷筋だけでなく, 登山道 も雪に覆われている部分が出てきた。


 登山道の左側がガレている 。毎年,少しずつ崩壊が進んでいるようだ。


 崩壊地を過ぎると 七合目  植生が変わった。

 八合目 を過ぎると傾斜は緩くなる。地面は,土からガレに変わった。


 ヒメイチゲ が咲いていた。

 九合目 から山頂まではほぼ平坦だ。

 ガンコウラン の花を見つけた。先週, 那須 で見つけたものと同じだが。ここでは全体が一斉に花を咲か せていた。




 山頂への道 は,所々雪に覆われていた。雪の上を歩く場合には,できるだけ 中央部 を歩いた方が良い。 周辺部は,底の方が融けて空洞になっており,踏み抜くことが多 くなる。

 山頂の三角点  標石の上に ピラミッド形のトップストーン が乗っていた。珍しいものだが,2002年に登ったときには,トップストーンもコンクリ ートの護石もなく,むき出しのままだった。

 この三角点の標高は 2484.2m (古い地図では2484.5m)で,従来はこの標高を 男体山の高さ としていた。ところが,登山者などから, 大剣の立っている岩盤の方が高い という指摘があい次いだ。
 国土地理院 で調査した結果,大剣の立っている岩盤の方が 約2m高い 事が確認され, 男体山の標高 2486m に訂正された。(2003年10月7日)
 詳しいことは   国土地理院のホームページに載っている
 山頂の大剣  一時,落雷で折れたままになっていたが,10年ほど前に再建された。

 山頂にある 二荒山神社奥宮 。近くには社務所があるが, 登拝祭 の時を除いて,通常は無人。  例年, 8月1日から1週間が登拝祭 で,8月1日午前0時を期して一斉に山頂を目指す。

  山頂で, 「ここには百名山の表示がないんですね」 と,声をかけられた。そう言われると,確かにそういった表示はなかった。 記念撮影用の山頂標識も見当たらない。 百名山ハンターにとっては,証拠写真用に必要な標示なのかも知れないが,男体山には, 私の知る限りそんなものはない。
 男体山 は,山全体が 二荒山神社 御神体 であり,神社の許可がない限り,市町村などが勝手に看板などを立てることはできない のだ。他の百名山とはチョット状況が違う。

 志津小屋 まで降りてきて,小屋周辺の清掃を始めたのだが,正直言って思わず手を引っ込めた。 それは,小屋の周囲いたるところにある トイレ紙と汚物 だ。 志津小屋 は(小屋の内部にもそう書いてあるが) 「緊急時用の避難小屋」 ということで, トイレがない。 そのため,宿泊者は適当な場所で用を足さざるを得ない。 その汚物と紙が,周囲に散乱している。 だれかが掃除しなければきれいにはならないのだが,私には手を出す勇気が無かった。 「緊急時の避難小屋」 といっても,利用者にそのような意識はなく, 「無人の山小屋」 と考えて利用しているのが殆どだと思う。とすれば,衛生面から見ても トイレの設置は必要 なのではないかと思う。もちろん,トイレは作っただけでダメで,汚物の処理など,維 持するための問題があることは分かっているが,あの惨状を見ると,何とかしなければならないと 思った。

 今日の登山は,天気予報が良くなかったので,無理をせず,行けるところまで行って 戻ろうと思って登り始めたのだが,意外と大降りにはならず,頂上まで行くことができた。
 集めたゴミは 小さなレジ袋2個  でも,大部分は 志津小屋と駐車場周辺 で集めたもの。登山道のゴミは少なかった。その中でも多かったのは 飴の包み紙
 こんな日でも登山者はいた。 志津口からの登山者は6組,約20人  山頂では,表口から登ってきた人にも出合ったが,山頂はガスパノラマで何も見えなか った。

 志津口にある志津小屋には, 「登山道,途中危険箇所があります。事故等責任を負いかねますの で,こちら側からの入山はなるべく御遠慮願います。二荒山神社社務所」 という張り紙があった。私が歩いた限り,特別に危険を感じる箇所は無かったが,全体 的には未整備で,歩きにくい登山道だ。

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