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鳥 海 山

2009年(平成21年) 8月17日(月)-18日(火)




コース・タイム
8月17日(月)
 宇都宮(3:30) ⇒ 宇都宮IC ⇒ 酒田みなとIC ⇒ 鉾立登山口駐車場(8:30)
  鉾立(9:10) → 御浜小屋(11:05-軽昼食-30) → 七五三掛(12:25-35) → 千蛇谷コース → 御室小屋(14:25-泊)
8月18日(火)
 御室小屋(4:00) → 新山山頂(4:30-ご来光-5:15) → 御室小屋(5:30-朝食-6:35) → 外輪山コース → 七五三掛(8:20-30) → 御浜小屋(9:10-30) → 鉾立(11:00)
 鉾立駐車場(11:20) ⇒ 吹浦 ⇒ 湯楽里(入浴) ⇒ 月山八合目駐車場(14:45)
 駐車場(15:05) → 御田原参篭所(15:20-泊)

同行者
 キクさん

 お盆休み明けの天気予報が良い。とこかに行きたいと キクさん にメールしたら, 鳥海山 に行こうという。なかなか梅雨が明けなかった東北地方の天気予報も良い。早速,キク さんにプランを考えてもらった。東北の山はとにかく 遠い  せっかく行くのだから,2泊して 鳥海山 月山 に登ろうと言うことになった。今回も,往復はキクさんにお世話になった。
 高速道の深夜割引が使えるよう, 午前4時前に東北高速道に入った  今日は8月17日の月曜日。お盆休みのUターン渋滞は終わったはずなのに, 矢板IC付近では対向する上り線が渋滞していた。  渋滞を避けて時間をずらしたのだろうが,同じように考える人は少なくなかったよう だ。
 天気予報は良かったはずなのだが,予報とは裏腹に,北に走るほど天気が悪くなった。 山形道 に入ったら雨も降ってきた。山腹はガスに覆われている。日本海が近づいてきてやっと 日が射してきた。 酒田みなとIC で高速を降り, 吹浦 から 鳥海ブルーライン に入った。
 鉾立の駐車場 にはたくさんの車が停まっていた。これだけの人が 鳥海山 に入っているのだ。やはり,鳥海山はただ者ではない。

 登山口にある 案内図  ここ 鉾立が五合目 七合目の御浜 まで4km。そこから頂上まで更に4km。 標高差は1000mだが,距離が長い。


 登山計画書 を提出して,いよいよスタート。

 展望台までの道は 舗装道路 だが傾斜があり,スローペースで登る。


 展望台からは遙かに 山頂 が望める。中央の最も高く見えるところが山頂の 新山

 このコースは実に良く整備されている。 石畳道 が多く,昔から多くの人の手で整備されてきたことが分かる。これは信仰心によるもの に他ならない。


 ニッコウキスゲ の咲く,明るい緩斜面を登る。

 強い陽射しが照りつける 石畳道 をひたすら進む。


  御浜(おはま)小屋 は山頂までの中間点。


 御浜小屋の前からは 鳥海湖(鳥の海) が見下ろせる。時々ガスが湧いてきて視界を隠すようになる。



 この山には, ハクサンシャジン がたくさん見られた。

 ここで,コンビニで買ってきた おむすびを1個 食べた。一日の行程が長い場合などは,昼食を一度に食べずに,2〜3回に分けて食べ るようにしている。この方が体には良いようだ。ここで25分ほど休み,山頂を目指して出発した。
 山頂 が望めたが,なかなか近づかない。



 八丁坂 は石畳の坂道だ。ルートがずっと先まで見通せる。

 この山には,数種類の アザミ が生育している。これは ウゴアザミ (羽後薊)

 これは エゾオヤマリンドウ  茎の先端にだけ花が付く



 トウウチソウ は花びらが無く,白い雄しべが長く突きだし,先端の赤い葯が目立つ


 ハクサンフウロ



 七五三掛(シメカケ) 山頂が近くに見えるが,まだまだ登らなければならない。



 ここから 千蛇谷コース を登ることにした。  千蛇谷コース へは, 外輪山コース を少し登ってから分かれ谷底に下る。


 チョウカイフスマ 鳥海山の固有種  北アルプスで言えばイワツメクサのあるような岩場に咲いている。


 千蛇谷 には夏遅くまで 雪渓 が残っている。



 イワブクロ は,東北や北海道に多い。フカフカの毛が暖かそうだ。


 花弁の内側に毛がないから,これは イワキキョウ


 標準タイム通り約2時間で 御室小屋 に着いた。


 夕食


 この小屋は 食事が質素 だと言うことは聞いていたので,驚きはしなかった。それなりに十分に空腹を満たして くれた。それよりも重大だったのは, 缶ビール350mlがなんと700円 だった。これは私にとってはかなり重大だった。
 この小屋の定員は150人とか200人とか言われているが, この日の宿泊者は50人弱。  かなり緩やかだったが,私たちには,2階のコーナーで3畳ほどの空間に4人が割り 当てられた。窮屈さは我慢できたが, 1人に毛布2枚 が与えられただけで,布団等は全くない。さすがに夜中に寒くなり,持って行ったフリ ースを着込んだ。

 日の出の時刻は4時45分 と掲示板にあったので,午前4時に 新山 の山頂に向けて登り始めることにした。小屋の前で準備していると, 影鳥海を見るのにはどこに行ったらいいのですか と,夫婦連れに声を掛けられた。 やはり山頂でしょう と答えて一足先に登り始めた。
 小屋から新山の山頂までは白ペンキで矢印が書かれており,それを 辿って行けばいいのだが,暗い中でヘッドランプの光だけで矢印を見つけるのは簡単ではなかった。 時間を掛けて慎重に登った。
 4時30分過ぎに 山頂 に到着した。間もなく,先ほどの御夫婦も到着し,他に1人の5人で 日の出 を待った。新山の山頂は5人だが,その他多くの人が,外輪山の峰など様々な場所で日 の出を待っていた。


 空には 細い二十七日月と金星 が並んで見えた。これほど接近して見えるのは珍しいことだ。


 午前5時ころ,太陽が姿を現した。 日の出は,単なる自然現象の一つに過ぎないのだが,やはり感動する。



 実は,日の出以上に期待していたのが 「影鳥海」 だ。
 「影鳥海」は,完全なものが見えるのは年に1〜2回 と言うくらい珍しい現象なのだ。鳥海山に陽が当たりその影が,日本海の上に映される 現象で,鳥海山より東側が晴れており,日本海側には雲海やガスがある状態でないとこの現象は見 られない。
 この日は,東側にも薄雲があり,日本海上にも雲海はないという,あまり恵まれた状 況ではなかったが,日本海側の靄に中にはっきりと 「影鳥海」 を見ることができた。


 雲海の向こうに,今日,下山後に向かう 月山 の姿が浮かんでいた。

 山頂から小屋に戻る間にも 「影鳥海」 は見えていた。手前の線が海岸線だ。

 朝食 も,夕食と同じく質素だったが,生卵が付いていた。

 御室小屋 の隣にある  鳥海山頂大物忌神社


 小屋前の岩に張り付いた チョウカイフスマ

 今日は,下山後に月山の登山口まで移動すればいいので,ゆっくりと出発した。
 下りは, 外輪山コース を廻ることにした。外輪山内側の お花畑には, ミヤマアキノキリンソウ の群落があった。別名を, コガネギク という。



 七高山 方向に進み,少し登ると 小屋全景 が見渡せる。左端の最も新しいのがトイレだ。海岸線が意外と近くに見えるのに驚いた。


 稜線に出ると視界が開ける。 雲海の向こうに月山

 ホソバイワベンケイ (実)


 鳥海山の 固有種  チョウカイアザミ


 これは オクキタアザミ の群落

 ハクサンシャジン


 ウゴアザミ


 ナナカマド の実が色づき始めた。


 ミヤマハンノキ


 ミヤマダイモンジソウ
 ミヤマダイモンジソウは,字を書くのが下手で,「大」の字がかなり崩れている。


 ヤマハハコ



 ハイマツ の中を進む


 ウメバチソウ


 御浜小屋 まで下ってきた。今日はガスも無く, 鳥の海 がすっきりと見える。


 御浜小屋のトイレ  最近,どこのトイレも立派になった。

 御浜 から少し下ると 鉾立の駐車場 が見える。だが,まだまだ遠い。


 コバギボウシ

 ヨツバヒヨドリ

 11時に 鉾立の駐車場 に降り立った。
 好天に恵まれ,「花の山・信仰の山 鳥海山」を十分に楽しむことができた。特に, 「影鳥海」 を見ることができたのは幸運だった。
 大平山荘 で入浴しようとしたのだが,あいにく清掃中のため, 吹浦 湯楽里 まで行って汗を流し, 月山 に向かった。

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