閉じる
女 峰 山  (黒岩まで)

2009年(平成21年) 10月4日(日)


コース・タイム
 宇都宮(5:00) ⇒ 滝尾神社駐車場(5:40-朝食)
  駐車場(6:15) → 稚児ヶ墓(7:40-8:00) → 白樺金剛(9:05) → 八風(10:15) → 黒岩(10:30-45) → 八風(11:00-昼食-25) → 白樺金剛(11:15) → 稚児ヶ墓(12:30) → 駐車場(13:45)
 滝尾神社駐車場(13:50) ⇒ 宇都宮(14:30)

同行者
 単独

 天気予報が二転三転したが,10月4日(日)は良い天気と言うことで,かねてからね らっていた 女峰山 へ, 黒岩コース から登ることにした。このコースは,女峰山登山で 最もハードなロングコース で,登山口から山頂まで 標高差が1760m で, 距離が8.5km もある。多分,山頂まで行くことは無理だと思ったが, もしかしたら行けるかもしれない という甘い考えもあって,できるだけ早い時間のスタートを考えた。
 登山口の 滝尾神社駐車場 には,先行者と思われる車が1台停まっていた。 ボンネット に触ってみたら温かかったので,今朝到着した車だ。

 6時にはスタートしたかったのだが, 暗い時間に歩く のは嫌だったので,結局 6時15分スタート になった。 車道から離れ, 石畳道 を東照宮の方に向かう。


 急な石段を登ると,右側に 行者堂 が現れる。ここが 登山口 だ。


 行者堂を左に回ると, 登山カード を入れるポストがある。


 登山者向けの 注意書き があった。確かにこのコースは安易に登れないコースだ。

 登り始めは, 杉植林地の急登 だ。急斜面を登り切ると傾斜は緩くなる。間もなく,左側に林道が並行するようになり, 一度林道に降りてから再び山道に 入る。


 杉植林地 の急斜面を登り切ると, 「殺生禁断」の碑 がある。大きな,立派なもので,当時の権威の大きさをうかがわせる。

 徐々に 笹の背丈が高く なってきた。ある程度のことは予想できたので,普段は付けない スパッツ を,今回は最初から付けていた。しかし,これも,殆ど無力なくらいに笹の背丈が高く, たっぷりと着いた夜露のため に,腰から下が徐々に濡れていった。



 初めて 白樺 が姿を現した。 ダケカンバ かもしれないが,標高が 1100m ほどなので,白樺(シラカンバ)で間違いないと思う。


 びしょぬれになったズボンを脱いでレインスーツに履き替えたかったのだが,適当な 場所が無く,結局 稚児ヶ墓 まで来てしまった。


 ここで,濡れたズボンを脱ぎ, レインスーツのズボン を履いた。今日は,かかとが 靴擦れ を起こして痛い。今までもそうだったが,傾斜地を登る時間が長くなると,どうしても かかとが痛くなる。でも,今日はいつもよりひどい。 絆創膏を貼って応急処置をした が,できれば痛くなる前にするべき事だ。今日は斜面の登りが続き, アキレス腱 も痛い。  着替えているとき,後続の 男性が1人 ,追い越していった。そう言えば,今日はこれまで,誰にも会わなかった。
 稚児ヶ墓 から先も, 笹はますます深く,濃く なり,かき分けながら進むのに,思いのほか体力を消耗した。

 開けた笹原 に出た。一般に 開けた場所の方が笹丈は低い  天気が良ければ快適な場所なのだろうが, 濃いガス で,何も見えない。

 標高1300m付近で 「水場」 の表示が表れた。


 帰路,寄り道して確かめた。 標識から2〜3分 で行ける。湧き水だが, 湧出量は少なく,当てに出来るかは疑問

 更に, 覆い被さる笹との戦い が続く。

 白樺金剛 は,標識はあるのだが,何が 「金剛」 なのかその意味は分からなかった。笹は依然として続く。

 少しずつ 笹丈が低く なってきた。

 依然として ガスは深い が,気分的にはずいぶん楽になった。

 笹の急斜面を登り切ると,岩場に出る。その突端が 八風 だ。


 八風から先は 岩場 が多くなる。岩は濡れているが,滑りにくい岩なので,安心して登れる。


 黒岩に登る稜線の道は閉じられ,黒岩の 南西側をトラバース して鞍部に向かうように指示されている。

 標識の立った鞍部 に出た。晴れていれば,ここからの見晴らしは素晴らしいらしいのだが,残念ながら今 日は何も見えない。


 標識 には 「遙拝石(黒岩)」 と書かれている。


 本来の 「黒岩」 には登らせずに,ここを黒岩と呼ばせたいらしい。
 ここは雲龍渓谷の 「七滝」 が望めるところで,古くは 「七滝遙拝石」 と呼んでいたところだ。
 鞍部で休んでいる間に, 後続者が一人 ,山頂に向けて進んでいった。今日会った2人目。
 今日は天気の回復も望めず,下山も楽ではないので,最初の予定通り, 今日の山行はここまで として下山することにした。携帯電話が繋がったので,自宅に電話し,これから下山す ることを伝えた。
 帰路, 本当の黒岩 のピークを踏んで帰ろうと, 稜線への道 を進んだ。踏み跡はとぎれとぎれだが, 山頂までの道は迷うことはない


 山頂 には立派な標識があった。

 山頂から更に先に進めば,登山道に合流するはずなので,そのコースを歩いた。 初めのうち は,笹の間に踏み跡が続いており,安心して歩けたが,途中からはわかりにくくなった。

 ルートファインディングに自信のない人には薦められない。 来た道を鞍部まで戻るべきだ。
 特に,途中で 右の尾根に進むところ が分かりにくい。 誤って左の尾根を下ってしまうとその先は雲龍渓谷の断崖だ。 大事故になるおそれがある。
 笹の中の踏み跡は幾本もあり,どれがメインなのか分かりつらい。
 八風 まで下ってきて,昼食にした。気温が低く寒いので,バーナーに点火し即席麺を作って 食べた。
 下ってくるに従いガスが晴れてきた。  1300mほどまで下って来ると下界が見えてきた。  遙か下に日光の市街も見える。今日,初めて 良い景色 を見たような気がした


 青空 も見えてきた。本日の苦しかった山行を,きれいな青空が締めくくってくれた。


 駐車場に帰着したのは13時45分,休憩を含めて 7時間半の行程 だった。思った通り(以上?)にきついコースで,なによりも 笹との戦いに疲れ果てた。 もちろん 標高差1200m,往復距離13km はそれだけでも楽ではなかったが,コースの状況がもう少し良く,天候がもう少し良け れば,精神的に楽だった。ピークハントは果たせなかったが,不思議な達成感を感じている。
 思い返すと,今まで, 良く整備された道ばかり歩いていたような気がする。 登山者の殺到する 北アルプス を始め,信仰の山などでは,驚くほどに立派な登山道になっている。それに慣れてしま っていた自分に少し反省。それにしても,延々と続く笹に覆われた斜面は,これからも夢に現れそ うだ。

 ページトップへ