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切 込 ・ 刈 込 湖

2010(平成22年) 1月30日(土)


コース・タイム
 宇都宮(6:00) ⇒ 光徳駐車場(6:55-車1台デポ-7:45) ⇒ 湯元駐車場(8:00)
  湯元駐車場(8:20) → 蓼ノ湖(9:15) → 小峠(10:00-05) → 刈込湖(10:40) → 切込湖(10:55) → 昼食(11:45-12:20) → 涸沼(12:35) → 山王峠(13:10) → 光徳駐車場(14:15)
 光徳駐車場(14:20) ⇒ 湯元駐車場(14:40-解散-50) ⇒ 宇都宮(16:20)

同行者
 デイダラボッチさんとその友人女性2人,ちぃにぃさん,けいこさん,Sさん

 高崎に住む Sさん に, 雪の奥日光 を案内する約束をしていた。日程を調整し,1月30日(土)に実行することにした。
 「ヤッホー宇都宮」 のMLで同行者を募ったところ, デイダラボッチさんとその友人女性2人,ちぃにぃさんとけいこ さん が同行してくれることになった。Sさんには,前日に我が家に来てもらい,翌日一緒に 行くことにした。
 デイダラボッチさんのブログ  Sさんのホームページ  もご覧下さい。

 冬型の気圧配置が弛み,穏やかな天気予報が出ていた。6時に宇都宮を出たときは, まだ辺りは暗かったが,徐々に明けていき, 日光バイパス からは,徐々に 日光連山 の姿が見えてきた。
 第二いろは坂の中間には 黒髪平 という展望所があり,数台の車が停められる駐車スペースもある。いつもは素通りする だけなのだが,今日は時間にも余裕があったので寄ってみることにした。  明るくなってもまだ赤味の残る東の地平には, 鳴虫山 や遠くの 八溝山 の姿を見ることができた。


 振り返ると 男体山 が見えた。頂上付近は雪が舞っているようだ。

 集合場所である 光徳駐車場 には7時頃に着いた。駐車場には,どこかの写真クラブが乗ってきた 大型バス 1台と, 乗用車が1台 だけだった。


 食事をしたり,トイレを済ませたりして, ちぃにぃさん デイダラボッチさん の到着を待った。
 少ししてちぃにぃさんの車が,続いてデイダラボッチさんの車が到着した。デイダラ ボッチさんの車が 8人乗り だというので,この車をデポすることにして,私の車とちぃにぃさんの車で 湯元 に向かった。


 [後日追記 2021.08.31]
 デイダラボッチ さんは,2015年3月17日,福島県南会津の 旭岳 頂上手前で滑落事故に遭い亡くなられました。私がデイダラボッチさんに最後にお会い したのは2011年1月3日の 高山登山でした。
 デイダラボッチさんは,自分が主宰する 「益子いくべえ会」 の会員とともに, 雨巻山 の登山道整備に当たるほか,要請があれば自らガイドし,多くの人を案内してきました。
 「益子いくべえ会」 は,デイダラボッチさんの遺志を継いで,現在も活動を続けています。デイダラボッチ さんの奥さんも,行くべえ会の一員として,積極的に活動されています。
 遭難した翌年の3月17日には,「益子いくべえ会」による 慰霊登山 が行われました。 上記 「デイダラボッチの山日記」 は,この慰霊登山の記述を最後に休止しています。(アクセスは可能です)


 湯元 と戦場ヶ原は,標高差が100mほどあるが,それ以上に感じるほど,気温差が大きい。 湯元駐車場 はよく除雪されていたが,一度融けた雪が凍り付いていて,歩くと バリバリ と音がする。 それぞれに準備をし,簡単な打合せをしてから出発した。

 温泉寺から泉源に向かう木製の橋 は,積もった雪がかまぼこ状に凍り付き,歩きにくい。でも,ここからの景色は一見に 値する。

 泉源 からは真っ白に雪を被った 五色山 が望める。ここからは, 金精山 前白根山 は見えない。

 泉源で スノーシュー を付けた。  泉源から 金精道路までの登り は,いつ登っても予想以上にきつい。今日も,汗をかかないようにスローペースで登っ たのだが,汗をかいてしまった。

 これはリスの足跡 左上から右下に進んでいる。前の開いた2つの足跡が 後ろ足 ,その後の2つが 前足 だ。この前足が前後に開いていれば, ウサギ の足跡だ。


 金精道路に出ると正面に 温泉ヶ岳 (ユセンガタケ) が見える。 「日光裏連山」 を構成する山で,日光でも最奥の山だ。

 金精道路から真っ直ぐに窪地に下り,小さな土手を越えると 蓼ノ湖 (タデノウミ) だ。積雪期に刈込湖に行くのは今回で7回目だが, 蓼ノ湖コース を通るのは4度目だ。 4度目にして初めて湖面を渡ることが出来た。 デイダラボッチさんが湖面にピッケルを刺し, 氷の厚さと硬さ,表面の状態 を確認し,安全に渡れると判断してくれた。

 蓼ノ湖 を渡ると,少しだけ平坦地があり, 徐々に傾斜が増してくる。急傾斜になってからは一登りで 小峠 に着く。標識の埋まり具合から判断して, 積雪は1m程度 だ。ベンチも雪の下に隠れている。


 今回のメンバー(私を除いた全員)


 小峠からは ドビン沢コース を進んだ。蓼ノ湖の手前で私たちを追い抜いていったソロの男性は,小峠から夏道を行 ったので,ここからはトレースのない雪の上を歩くことになった。 真っ白な雪原 を歩くのは気持ちが良い。

 楽しみながら歩き, 刈込湖 に着いた。先ほどの男性が1人,湖畔に腰を下ろし休んでいた。
 刈込湖も安全に渡れると判断し 湖面を歩くことにした。 出来るだけ氷への負担を分散させるように,横に広がって歩いた。

 刈込湖の水位が下がっているため,切込湖との連続部は土手のようになっていた。そ こを乗り越え,そのまま進もうとしたが, 切込湖の一部が凍結せずに水面を覗かせている。 湧水があるらしく,開けた水面に水が流れ込んでいる。

 これ以上湖面を進むのは危険と判断し, 夏道 に戻ることにした。右側の急斜面をよじ登って夏道に出た。  夏道は 斜面をトラバースする ようにつくられており,滑落すれば,湖面まで落ちてしまいそうだ。デイダラボッチさ んがトップでステップを切りながら進んでくれたので,後続者は安心して歩くことができた。

 シカの真新しい かみ痕 があった。日光のシカは ウラジロモミ の皮を好んで食べる。表皮を剥いだ後, 形成層 を歯でそぐようにして食べるのだ。そのために歯の痕が付く。


 小さな峠を越えると眼下に 涸沼 が見渡せる。


 涸沼は風が強そうなので,その 手前の斜面上で昼食 にすることにした。 風も殆ど無く,陽射しも出てきて 暖かく なった。30分ほど掛けて思い思いの昼食を食べた。
 植生の保護のため,無雪期には 涸沼に降りることが出来ない のだが,積雪が十分にあれば踏みつけの影響を回避できるので,沼底に降りることがで きる。 尻セード で降りようとしたのだが,傾斜が緩く,なかなか思うように滑らない。でも,童心に返 って楽しんだ。

 涸沼の周囲は風が強く,雪が吹き飛ばされ, 独特の模様 がつく。

 沼の底から 山王林道 に向かって 急斜面を登る。 まず,トラバース気味に登っていくが, スノーシュー が適度に潜ってくれるので,比較的歩きやすい。


 途中から 涸沼 を俯瞰する。

 急斜面のトラバース では,十分に気をつけなければならない。ここは日陰なので気温も低く,サラサラ雪で 谷側の足が流れやすい。先を急がずに,一歩一歩確実に歩くことがポイント。

 涸沼から35分で山王林道まで登った。 昨年は1時間20分かかったところだから,今年は雪が少なく,歩きやすかった。
 山王峠には,標識の隣に 「湯元光徳線歩道」 と書かれた案内看板がある が,この地図がちょっと変だ。 北が上になっていない。 方位表示があるのだが,地形図では北を上に書くのが基本。 勘違いや誤解を防ぐためにも,地図は北を上に書いてもらい たい。

 山王峠 からしばらくは林道上を歩く。カメラを向けたら ラインダンス を見せてくれた。

 林道が大きく左に曲がるところから林間に入る。トレースも標識もない カラマツ林 を,男体山の姿を道しるべにして自由に歩く。

 大きく迂回してきた林道に出るが,もう一度林道が左に曲がるところで,再び右の林 の中に入る。 昨年はピンクのリボンがコースを示していてくれたが,今年は殆 ど取れてしまっていた。
 この 尾根 を下ると 光徳 は間もなくだ。

 光徳牧場 に到着。売店で ホットミルク を飲んだ。飲み頃の熱さで,とても美味しかった。夏の アイスクリーム と冬の ホットミルク は欠かせない。

 光徳牧場を後にして,光徳駐車場へ向かう。 涸沼では雪が降っていたが,だんだんと天気も良くなってきて,光徳に着いたときには 暖かな陽光が降り注いでいた。


 光徳駐車場 にデポしておいたデイダラボッチさんの車で 湯元駐車場 に向かった。
 湯元駐車場でお互いの労をねぎらい解散となった。
 同行者の皆さん,楽しい山行をありがとうございました。名前だけのリーダーでした が,皆さんのご協力で無事に踏破出来ました。特に,デイダラボッチさんには,大変なところを全 て任せてしまい,申し訳ありませんでした。これに懲りず,またご一緒させてください。

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