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谷 川 岳 中退

2010年(平成22年) 3月22日(月)


コース・タイム
 宇都宮(4:00) ⇒ 北関東道・関越道 ⇒ 道の駅みなかみ(5:50-朝食-6:55) ⇒ 谷川岳ベースプラザ(7:30) 
  土合駅(8:00) ⇒(ロープウエイ)⇒ 天神平駅(8:20)
  天神平(8:30) → 田尻尾根(8:55-9:05) → 熊穴沢避難小屋(10:05-15) → 田尻尾根の頭(11:35) → 天神平(12:00-昼食)
 天神平駅(14:05) ⇒(ロープウエイ)⇒ 土合駅(14:25) 
  谷川岳ベースプラザ(15:00) ⇒ 水上温泉聚楽(15:30)

同行者
 forestさん夫妻,妻

 forestさんご夫妻 谷川岳 に行くというので,同行させてもらうことにした。下山後, 水上温泉 に1泊するというので,宿の方にも一緒に泊まれるよう手配してもらった。
 この時期の谷川岳は,天神平まで ロープウエイ で上がれるので,天気さえ良ければ比較的簡単に登れ, 雪山 を堪能することができる。休日のロープウエイの始発は 7時 と言うことなので, forestさん とは, ロープウエイ駐車場 で7時に落ち合うことにした。私たちは4時に宇都宮市の自宅を出発することにしたが, forestさんは自宅が静岡県なので,前夜に駐車場に入り,仮眠する計画だ。
 出発前に携帯を確認すると,forestさんからメールが届いていた。 午前2時 に発信したもので, 「ロープウエイの駐車場まで行ったが,雪がひどいので,道の駅まで 戻って休みます。道の駅に寄ってください。」 というもの。この夜,低気圧が通過するので,多少の降雪はあると思っていたが,それ ほどの大雪となるとは思ってもいなかったので,驚いた。
 覚悟を決めて車に乗り込み, 道の駅みなかみ を目指した。宇都宮は晴れて,星空が見えている。国道293から北関東道の太田桐生 ICで高速に乗ると,関越道の水上ICまでは意外と近い。
 沼田IC付近から,屋根に雪を乗せている家が見え始め,白い物も舞い始めた。水上 ICで高速道を降りると,道の駅は直ぐだ。ここまで来ると,地面や屋根の雪の量が増え,間欠的 ではあるが雪も降ってきた。宇都宮を予定よりも早く出たので,道の駅には6時前に着いた。
 forestさん の車は直ぐに分かったが,まだ寝ているようだったので,隣に車を着けて一休みした。 風も強く,雪を伴って吹き付けている。 この状態では山には登れないだろうと思った。
 forestさんご夫妻 も6時過ぎには起きてきたので,挨拶。2年半ぶりの再会を喜んだ。天気は,徐々に回 復の方向に向かっているので,朝食を食べながら,様子を見ることにした。
 上空を覆っていた雲も間隔が開き, 青空 も見えだした。そこで, ロープウエイ駐車場まで移動 することにして,車を動かした。水上から先は山道になるので,とたんに雪が増えた。 路面にも雪が残り, 慎重に運転して駐車場に着いた。入口で駐車料金を払うと, 「現在,ロープウエイが止まっているので,このまま動かなければ料 金を払い戻します。」 とのこと。このことは予想はしていたが,天気は回復傾向なので,少し時間が立てば動 き出すだろうと思った。 身支度をして切符売り場まで移動し,運転開始を待つことにした。


 待ち時間に,建物の外に出て見るとると,たっぷりと雪を蓄えた 田尻尾根の頭 付近が見えた。

 8時を廻って, ロープウエイの運行が開始した ので,早速乗り込んだ。ロープウエイから下を見ると,今朝の雪の状態がよく分かる。

 後方正面には 白毛門 が見えるが,山頂付近は雲の中だ。

 天神平 に到着し,外に出てみると,雪はかなり固まっており,トレースもしっかり付いている。 この状態ならば,スノーシューは要らない。置いていくことも考えたが,上手い方法が思いつかな いので,担いで行くことにした。  外に出てアイゼンを付ける。

 上空を黒い雲が通り過ぎるが, 頭上に雲がなくなると, 強い陽射し が照りつける。昨年はひどい日焼けで顔の皮がむけてしまったので,今日はたっぷりと 日焼け止めを塗ってきた。

 天神峠に行くリフト が動いている。これに乗れるとずいぶんと楽なのだが,安全のためと言って,スキーな どの 滑走具を装着していない人は乗せてくれない。

 登山道 は,ゲレンデの外周に張られた ロープの外 に作られている。スキーヤーと登山者の安全のためと言うが,ゲレンデの中央に夏道が あることを知っている者としては,納得できない思いもある。

 トレースがしっかりしていたので, 田尻尾根 まで30分で登れた。昨年は1時間弱かかったので,昨年に比較すると,今日はとても 歩きやすい。
 ここからは, 天神平スキー場 の全体が見渡せる。

 田尻尾根 まで登ってくると, 谷川岳の山頂 が見渡せるのだが,今日はまだガスの中だ。

 今日は,先行者の後を追い 田尻尾根の頭を巻いて 鞍部に向かう。斜面のトラバースも,雪も良く締まっていて,危険は感じない。

 鞍部まで来ると 山頂 が違った角度で見える。 山頂はまだガスの中 だが,雲の切れ間から指す陽光が,雪の斜面を輝かせた。

 薄日が差し始めた。最高に 楽しい雪歩き ができた。

 先行者 が一列になって歩いていく姿が見える。

 熊穴沢避難小屋 までは,小さなアップダウンを繰り返していく。今年の 雪庇 はあまり大きく育ってはいない。

 小さなピークの上で一休み。 背後に, 田尻尾根の頭 が見える。

 このコースで唯一の危険個所  しかし,雪の付き方が良く,さほど苦労せずに通過することができた。念のためにロー プも持参したのだが,取り出す必要はなかった。

 このピークを越えると, 避難小屋 はもうすぐだ。


 このピークは,越えることもできるのだが, 先行者のトレース が巻いて付いていたので,その跡をたどった。


 熊穴沢避難小屋 はまだ雪の中だ。小屋の在処を示す 鉄柱 だけが雪の中から突きだしている。

 後から来た登山者にお願いして写真のシャッターを切ってもらった。 4人が写っている貴重な写真 だが,背後の雪の輝きで,シルエットになってしまった。

 ここからはいよいよ本格的な登りになる。 先行している 登山者の列 がはっきりと見える。でも,見えるのは 天狗岩 付近までで,その上にかかっているガスは,依然として晴れない。


 とりあえず 今日の目標 とした 避難小屋 まで来られたので,この後どうするかを相談した。山頂にかかっているガスはまだ取れ ていないし,私は風邪気味で体調があまりよくない。forestさんご夫妻にはこのまま山頂を目指し てもらい,私たちだけここから戻ることも考えたが,forestさんからの 4人一緒に行動しましょう という言葉もあって,ここで全員引き返すことにした。
 今朝は,山行自体が危ぶまれる状態だったのに,ここまでこられた ことに感謝して,山を下りることにした。 天気予報通り,徐々に天気も回復してきた。 下山路 がずっと見渡せる。

 この斜面 のトラバースには緊張させられた。クラストしていないので,それほど危険はないのだ が,もし滑落したら止まりそうにない。

 最低鞍部から土合と反対側の 谷川温泉方向 に降っているボード痕が見える,降りた後の交通の便が悪いので,ここを降りる人は少 ないという。

 北東方面のパノラマ。
 左奥の山は 笠ヶ岳  その右に 白毛門  その間に見えるはずの 朝日岳 は雲の中。  (写真をクリックすると大きな写真が見られます)

 西方には荒々しい マナイタグラ の岩壁が見える。右奥の真っ白な峰は オジカ沢ノ頭

 正面奥の真っ白なプラミッドは 小出俣山(オイズマタサン)」

 途中で休憩を繰り返し,名残を惜しみながら,ゆっくりと歩いた。斜面を見つけては, 尻セード を試みたが,雪が柔らかで滑らなかった。
 天神平 まで降りてきた。天候もすっかり回復し, スキーヤーの描いた模様 が,日の光を受けて光っていた。

 ビューテラスてんじん のレストランに入って昼食を食べた。ここからは 谷川岳の山頂 がよく見える。山頂のガスも取れて青空をバックに美しい姿を見せた。

 レストラン からは,真っ白になった 至仏山 も見えた。

 今夜は, 水上温泉 に宿をとっている。レストランで時間を調整して,宿のチェックインタイムに合わせて ロープウエイに乗った。
 帰路,今朝は雪で覆われていた路面も,すっかり解けて走りやすくなっていた。振り 返ると, 山頂には再びガスが掛かり始めていた。
 今日は,天気予報通り,朝まで残った雪も徐々に上がり, 絶好の登山日和 になった。山頂へのアタックは叶わなかったが, forestさんご夫妻 と楽しい登山ができ,大満足の一日だった。

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