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高  山

2010年(平成22年) 5月29日(土)


コース・タイム
 宇都宮(7:10) ⇒ 竜頭の滝駐車場(8:00)
  駐車場(8:10) → 登山口(8:20) → 主尾根東端(8:50) → 頂上(10:00-10) → 無名峠(10:30) → 熊窪(10:50-昼食-11:30) → 赤岩(12:15) → 駐車場(13:00)
 竜頭の滝駐車場(13:10) ⇒ 宇都宮(14:10)

同行者
 妻

 高山 は,春夏秋冬,何時来てもいい山だ。この時期は,まず, シャクナゲ トウゴクミツバツツジ が,競うように花をつける。少し遅れて シロヤシオ も競演に加わる。 シャクナゲ は山頂より東の尾根やその北斜面に多く,山頂の西斜面では, トウゴクミツバツツジ シロヤシオ が花のトンネルを造る。
 今年も,そんな花に会いたくて,高山にやってきた。
 宇都宮の自宅を出るときは,どんよりとした 厚い雲が空を覆い いつ降り出しても不思議ではない空模様だった。案の定,日光に近づくに従い, 霧雨 がフロントグラスを曇らせ始めた。
 ハンドルをにぎりながら, 「あれっ?・・・・・・・ カメラ忘れた!」  今日は,いろいろと試してみようと準備していた EOS-50D を机の上に置いてきてしまった。いつも持ってきている コンパクトデジカメ も持ってきていない。そこで,妻には申し訳なかったが,妻のカメラを取り上げて記録写 真を撮ることにした。
 いろは坂 では霧。いつもならば, いろは坂が霧の場合は奥日光は好天の時が多い ので,期待しながらいろは坂を登っていった。明智平から, 明智第二トンネル を抜ける。依然として霧は深いが, 異常に明るい  霧の上は晴れて日が差し込んでいるのだ。中禅寺湖に沿って少し走ると,霧が晴れ,真 っ青な空が姿を現した。  「いろは坂が霧の時は,上は晴れ」 の神話は生きていた。
 竜頭の滝駐車場 に車を入れた。人は多かったが,駐車スペースが無いほどではない。トイレの奥のいつも の場所に車を停めた。この時期にしては気温が低いが,寒いほどではない。清々しくて気分が良い
 駐車場からショートカットで遊歩道に出た。 ヤマツツジ はまだ蕾だ。


 竜頭の滝 は,小学生の団体などで混雑していた。 トウゴクミツバツツジ が咲き出した。

 滝に沿った遊歩道 工事中 だ。この遊歩道は,古い国道を利用したもので,必ずしも歩きやすいものではなかった。 これが完成すれば,かなり歩きやすくなる。

 滝上から 高山の東尾根 を仰ぐ。積雪期には幾度かここを直登したことがあるが,無雪期には登ったことがない。 登山道を歩くのもつまらないので,今日は ここを登ることにした。


 登山口の標識 から山道に入って少し歩くと シカ除けネット があり,登山者用に ドア がつけてある。ドアを 押して開け 中に入ったのだが,あれ?・・・ドアの開き方が反対ではないのかな。シカは引いて開け ることができないから,シカのいる方に引いて開けるように設置するのが正しいはず。でも, よく考えたら,これで良い  手前が 制限区域 で,ネットの向こう,高山の方が 非制限区域 なのだ。

 バイケイソウ の群落があった。芽を出してしばらくの間は,バイケイソウとコバイケイソウの区別は難 しい。花が咲けば コバイケイソウは白い花 で, バイケイソウは緑色 の花だから直ぐ分かる。コバイケイソウは湿地を好み,バイケイソウは林間を好む。 奥日光にはコバイケイソウは殆ど無い。


 東尾根 は意外と痩せ尾根だが,積雪期ほどの緊張感はない。フカフカした感触を楽しみながら歩 くことができた。

 登山口から30分で 尾根の東端 に登り付いた。やはり,積雪期よりは短時間で登れた。

 アズマシャクナゲ は,蕾の時が最も色が濃く,咲くと薄いピンクになる。更に時間が立つと徐々に色が薄れ, 白っぽくなる。

 シロヤシオ はまだ蕾のものが多かった。

 山頂 には10人ほどが休んでいた。昼食を摂っているグループもあったが,私たちはもう少し 先に進んでから昼食にすることにした。



 山頂の西斜面は トウゴクミツバツツジ が満開だった。

 この赤紫色は, トウゴクミツバツツジ 特有の色で,何とも言えずきれいだ。トウゴクミツバツツジは雄しべが10本で,ミツバ ツツジは雄しべが5本だ。

 倒れた木の皮に 歯の痕 が付いている。 ニホンザル がかじった跡だ。冬季に食べるものがないとこんなものまで食べる。自然界の厳しさだ。


 山頂付近では蕾が多かった シロヤシオ も,降りてくると,咲いているものが多くなる。僅かの高度の違いが,大きな差になって いる。

 熊窪 には ミズナラ の大木が多い。 千手ヶ浜 の近くなどでは, カラマツ を植林するために多くの ミズナラ が切られ てしまった。

 熊窪まで降りてきて昼食にした。 風当たりの弱いところを見つけ腰を下ろした。 いつものように即席麺を作って食べた。 今日のように気温が低いときには,温かい物はなによりのごちそうだ。徐々に雲が空を覆い始めた。 降られないうちに戻ろうと,腰を上げた。
 熊窪 から 栃窪 に向かって,岬付近までが, トウゴクミツバツツジ シロヤシオ が最もき れいに見られる場所だ。
 トウゴクミツバツツジ の向こうに冠岩が見える。

 湖畔では シロヤシオ も満開だ

 シロヤシオ は清楚で爽やかだ。

 赤白競演 は見事だ。

 ハウチワカエデの花 は赤い。

 栃窪の オオヤマザクラ が,一輪だけ散らずに残っていた。

 栃窪から赤岩に向かう道の両側は, カエデ の木がたくさんある。 新緑 も美しいが, 紅葉 もまた見事だ。

 霧が湖面を覆い始めた  もう,対岸も見えない。好天もいよいよここまでとなった。

 時間はまだ早いのだが,帰り道を急いだ。
 今日は雨に降られることを覚悟して出かけてきたのだが,思いも掛けず良い天気に恵ま れ,たくさんの花に会うことができた。天気予報が急に良くなかったせいか,さほどの混雑もなく, 静かに花を観賞でき,大満足の一日だった。

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