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奥 白 根 山 ・ 金 精 山

2010年(平成22年) 6月6日(日)


コース・タイム
 宇都宮(5:00) ⇒ 菅沼駐車場(6:10)
  菅沼登山口(6:20) → 弥陀が池(8:10-15) → 奥白根山(9:30-45) → 避難小屋(10:30-45) → 前白根山(11:20-30) → 五色山(12:05-20) → 金精山(13:15) → 金精峠(14:05-20) → 菅沼登山口(15:00)
 菅沼駐車場(15:15) ⇒ 宇都宮(16:50)

同行者
 単独

 残雪期も終わりに近づいた 奥白根山 は,まだ何の花も咲いていないが,魅力のある山で,妙に惹かれている。今年も,好天の 天気予報に,我慢しきれず, 「明日,奥白根に行く」 と妻に告げた。
 5時に 宇都宮 の自宅を出て, 菅沼登山口 の駐車場に着いたのは6時少し過ぎた時間だった。
 今日は日曜日と言うこともあって,駐車場 にはすでに 20台 ほどの車が停まっていた。山登りの朝は早く,殆どの車は既に空になっていた

 放射冷却のために気温は下がっており,日陰の地面には真っ白な が降りていた。

 足元には大きな 霜柱 が立っていた。

 小鳥 が大きな声でさえずっていた。不勉強のため,その種類は分からない。
 今日は,重いのを承知で, EOS-50D を持ってきた。首に掛けると首が苦しくなるので, ザックの肩ひも につり下げるように工夫した。これは,首に掛けたのと同じにそのまま撮影できるので調 子が良かった。

 登り始めるとすぐ, が現れた。登山道を埋めるような形 で残っており,踏み抜かないようにさえ注意すれば,段差が少なくなるので,雪がないと きより歩きやすい。

 林間コースなので,標高が 1950m を越えた当たりから,地面は全て雪に覆われてきた。

 傾斜のきつい斜面の横断 もあり,安全のためには,アイゼンを付けた方がいい。

 高度が上がってくると木の枝の間に 燧ヶ岳 が見えるようになった。

 会津駒ヶ岳 も見えた。

 一人で歩くとどうしても先を急いでしまう。ゆっくり登ることを心がけているのだが, 今日は 1時間50分 弥陀ヶ池 に着いた。

 弥陀が池 の北にある 座禅山 の南斜面には,かつて, シラネアオイ の大群落があった。 シカ の食害などのために絶滅に近い状態まで数を減らしたが,電気柵の設置や,移植などの活 動の成果が上がり,徐々にその数を回復してきている。 シラネアオイ の花が見られるのは3〜4週間後だ。
 いよいよここから 奥白根山本体 の登りにかかる。ここにも雪がたっぷりと残っている。急斜面を,安全を確認しながらゆ っくりと登ると,傾斜が緩くなった場所に出る。ここから,北方が見晴らせる。もちろん,山頂まで 行けば,もっと見晴らしは良くなるのだが,待ちきれず,カメラのシャッターを切った。
 特徴的な形の 燧ヶ岳

 燧ヶ岳 の右側に 会津駒ヶ岳

 燧ヶ岳 の左に 平が岳

 会津駒ヶ岳 の更に右奥には 飯豊山

 平が岳 の左には 至仏山

 弥陀が池 から 山頂 まで,写真を撮りながら登ったので, 1時間15分 かかったが,これはいつものこと。それにしても良い天気だ

 どの山でも,見晴らしのいい山に登ると,まず第一に 富士山 を探す。今日も同じだった。今日登ったコースでは,途中から富士山を望むことはできな いので,山頂に出て富士山を見つけたときの喜びは大きい。 やはり, 富士山 は残雪期の姿が最も美しい。

 山頂では正に360度の大展望が得られる。
 まず,東方には 日光表連山 が連なっている。連山の左奥には 釈迦ヶ岳(高原山) も見える。

 ほぼ真西に 武尊山 が見え,その後に 谷川岳 ,その後に 妙高・火打 ,その左には真っ白な 白馬岳 が見える。

 白馬岳 の右には 小蓮華岳 ,そして左には 杓子岳,鑓ヶ岳

 更に左に目を移していくと, 五龍岳,鹿島槍ヶ岳 が,その背後に 劔岳,立山 が見える。

 その左には 真っ白な山脈 が連なっている。写真に撮って拡大して調べると,昨年歩いた, 薬師岳,水晶岳,鷲羽岳 などの裏銀座の山々だ。

 更に左に, 大天井岳 から 槍ヶ岳,穂高連峰 が見える。

 浅間山 は更に左だ。冬の間真っ白だった浅間山も,もう白くはない。

 更に左に目を動かすと真っ白な山が見えた。南アルプスの 北岳

 もっともっと景色を眺めて居たかったのだが,今日は 先が長い ので山頂を後にした。 山頂の窪地に溜まった雪も少ししか残っていない。

 避難小屋 に降りる途中に, ミネザクラ の木があったが,まだ蕾は閉じている。

 ここでは, バイケイソウ が芽を出したばかりだ。

 避難小屋 まで降りてきて,おむすびを1個食べた。今日は,昼食の時間をまとめて取らずに,少し ずつ食べることにした。長時間の山行にはこの方がいい。時間の節約にもなるし。消化器への負担も 軽くなるようだ。
 シカ が近づいてきては,猫なで声で鳴き,食べ物をねだっている。かわいそうになって,つい 食べ物を与えたくなるのだが,それはやってはいけない。

 休憩を終えて,避難小屋の裏から 前白根山 に向かった。雪は,歩き始めだけ多く残っていたが,間もなく無くなった。
 尾根に出て,前白根山に向かった。前白根山に登る途中から振り返ると,雪に覆われた 小さな窪地 があり,雪解け水が溜まっていた。

 五色沼と奥白根ドーム

 前白根山頂と奥白根ドーム


 五色山頂


 五色山頂 には古い 石の標柱 があった。ここは,昔から 下野と上野の国境 だったのだ。

 ここでおむすびを1個食べ, 金精山 へ進路を取った。尾根筋に沿って雪が残っているのが面白い。

 2303mピーク の北を廻ってから, 国境平 に向かって下る斜面が, 一枚の雪渓 になっている。軽アイゼンは付けていたのだが,傾斜が急なので緊張させられた。

 金精山 までは尾根に沿って歩くので,概ね見晴らしは良い。日光方面が切り立っており, 金精道路 がよく見える。

 金精山頂 は小さなスペース。手作りの標識が掛けてあった。日光方面の見晴らしが良い。


 金精山頂 からは,北側の急斜面を一気に下る。ガレた斜面で,所々雪に覆われており,ルートの確 認がしづらい。 ハシゴ などが設置してあり,登るのも降るのも楽ではない。

 金精峠 には金精神社のお社があり, 金精様 が祀られている。
 金精峠で, 私と逆回りの青年に出会った。 彼は,金精トンネルの駐車場から歩き出し,金精峠から金精山,五色山,前白根山,避難 小屋,奥白根山,弥陀が池,菅沼登山口,金精峠と歩いてきて,これから,車の置いてある,金精ト ンネルの駐車場に降りていくという。そんなルートの取り方もあったのか。

 金精峠と菅沼の間の登山道 はしっかりとしていた。そう言えば,このコースは,車道ができる前には一般の通行に利 用されていた 重要な街道 だったのだ。
 標高1900mくらいまでは,道路は雪で覆われていた。おかげで,スイスイと下るこ とができ,思ったより早く 菅沼 に帰着した。

 このコースは,以前から気になっていたコースで,今回,好天の中を楽しく歩くことが でき,本当に良かった。歩いたコースを,帰宅してから カシミール でトレースしてみると, 距離約11km,累積標高差1100m だった。疲れたが楽しかった。
 なお,山座の同定にも カシミール を使用した。

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