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利 尻 山 2010年(平成22年) 6月29日(火) |
コース・タイム 鴛泊民宿「マルゼン」(3:50) ⇒ 登山口(4:00) 登山口(4:10) → 甘露泉水(4:25) → 4合目(4:57) → 5合目(5:52) → 6合目(6:37) → 7合目(7:16) → 8合目長官山(9:10-10:00) → 7合目(10:56) → 6合目(11:22) → 5合目(11:53) → 4合目(12:32) → 甘露泉水(13:04) → 登山口(13:23) 登山口(13:30) ⇒ 利尻富士温泉(入浴・洗濯) ⇒ 民宿「マルゼン」 同行者 妻 |
利尻山
は簡単に登れる山ではないことは十分に知っている。 標高が1721m,登山口の標高が200mだから 標高差は1520m この標高差1500mというのが,どれほどのものかは,他と比べてみると分かる。 折立から薬師岳山荘までが1350m, 中房温泉から燕岳までが1300m, 扇沢から種池山荘までが1120m,等々。 でも,これらでは,登った後はそこに宿泊するのだが, 利尻岳ではその高度差をその日の内に下らなければならない。 標準タイムで,登り5〜6時間,降り3〜4時間となっているが,この数字自体かなり 健脚向きの設定で, 実際に登った人の時間を聞くと, 登り6〜7時間,下り4〜5時間 と言うのが正しいようだ。 4時少し前に宿を出て,4時ちょうどには登山口の 北麓野営場駐車場 に着いた。駐車場は完全舗装の立派なもので,かなり広い。まだ月が輝いていた。 準備して 登山口 に向かうと,昨夜隣のテーブルだった 5人グループ が宿の車に送られて到着した。このグループとは前後しながら登ることになった。このグ ループは77歳の男性をリーダーとし,50〜60代の女性4人が加わったとても元気なグループで, 前日は礼文山に登ってきたという。 ![]() 登山口には 立派なトイレ があるが,この先にトイレはないから, 携帯トイレの携帯が義務づけられている。 6.5合目,8.5合目避難小屋,9合目の3個所に携帯トイレブースがある。使用済み の携帯トイレは登山口にある回収ボックスに入れればいい。 トイレで用を済ませてからいよいよ出発。4:10だった。 ![]() まず最初に,靴底に着いた種子などを洗い流すため, 特別に作られたすのこ の上を歩いた。こんなことでどれだけの効果があるのか分からないが,登山者への意識付 けには効果があるだろう。 ![]() 甘露泉水 (4:25) までは,アスファルトやウッドチップで舗装された立派な道だ。 ![]() 甘露泉水 では,先行者が何人か水を汲んでいたので,私たちはパスして先に進んだ。ここからはい よいよ山道で, 姫沼 に向かうハイキング道を分ける。 山道と言っても 緩斜面 で,ペースの取り方が難しかった。先が長いのであまりゆっくりもできないが,ペースを 上げすぎると途中でバテてしまう。 4合目野鳥の森 まで登山口から50分。 ![]() 登山道 は雨裂の中で,蒸し暑く,見晴らしも悪い。 ![]() 登山道 は掘れていて歩きにくい。 ![]() 5合目 ![]() 見晴らしのある場所に出たので 振り返ってみた。 沖合に礼文島が見えた ![]() 5合目を過ぎると傾斜が増し, 本格的な登り になる。周囲の樹高も低くなったが,まだ見晴らしは良くならない 依然として風はなく蒸し暑い。 ![]() 山頂方向 を望んだ。山頂はまだ見えない。 左の小ピークが長官山 ![]() 6合目 ![]() 手前の山が ポン山 (左) と小ポン山 (右) 背後に海岸線が見えた。 ![]() 6.5合目にある 携帯トイレ用ブース 中にある椅子のようなものに携帯トイレをセットして使う。 ![]() ミヤマハンノキ ![]() 7合目を過ぎてペースが落ちた。 妻が遅れがちになる。妻の左足が痙攣を起こしそうになり,かばって歩いているうち,右 側もおかしくなった。休み休み,マッサージしながら登った。 妻はこのところ体調不良などであまり身体を動かしておらず,スポーツジムにも行ってい なかったのだから無理もない。 7合目 ![]() 妻は, 一本道で迷うことはないので,一人で下っているから,私だけで頂上に 向かっては という。私一人なら登頂が可能かも知れないが,一人で山頂に向かうことは最初から考え てはいなかった。それほど 登頂に関するこだわりはない。 マイヅルソウ ![]() ハイオトギリ は オトギリソウ の仲間。 ![]() イワキキョウ は花弁に白い毛がない。 ![]() ミネヤナギ? ![]() 左側のピークが 8合目長官山 ![]() コケモモの花 休み休み登ったので,写真を撮る回数が増えた。 ![]() ウコンウツギ ![]() 7合目から約2時間掛けて 8合目の長官山 に着いた。 ここまできてやっと 山頂 が見える。素晴らしい光景だ。この光景を目にできただけで十分満足だった。 ![]() 長官山で休んでいる人が,痙攣に効くという,貼り薬をくれた。その人もよく痙攣を起 こすので,予防のために張ることもあるという。お礼を言って,早速妻の両足に張った。 ![]() 1931年(昭和6年)北海道長官に就任した 佐上信一 は,1933年(昭和8年) 利尻岳に登った。そのことを記念して,このピー クを 長官山 と呼ぶようになった。 ここには, 佐上長官登山記念歌碑 が建てられている。碑面表面には 利尻岳登り登れば 雲湧きて谿間遙けく 駒鳥乃鳴く 裏面には 昭和八年六月二十六日 北海道廳長官佐上信一此詠 と彫られている。 ![]() 鞍部にある 避難小屋 今日も,途中で,昨夜避難小屋に泊まったと言う人が降りてきてすれ違ったが,ここは あくまで緊急用の「避難小屋」なので, 最初から避難小屋に宿泊するような計画は立てるべきではない この山は,あくまで日帰りできる人が,日帰り行程で計画するべき山なのだ。 ![]() コキンバイ ![]() 10時0分, 長官山 を後にして下山にかかった。登山道には浮いたゴロ石が多く,不用意に足を乗せると滑る。 注意深く足を運んだのだが,幾度か転びそうになった。 下山道 が,先まで見える。 ![]() 妻が砂利の上に足を乗せて滑り 転んで しまった。転んだとき,すねを岩に強くぶつけた。幸い足を捻らなかったので良かったが, 痛くてしばらくは立ち上がれなかった。下山を急ぐ必要はなかったのだが,単調な下りが延々と続き, 嫌になった。登りは,主に 足の筋肉 を使うが,下りは 全身の筋肉 を使う。下りなのに全身びっしょりと汗をかいた。 イチヤクソウ は白い花だ。赤い花の ベニバナイチヤクソウ というものもあるが,それは近縁の別種。 ![]() ![]() これは クルマバツクバネソウ ![]() やっとのことで 甘露泉水 まで下ってきた。甘露泉水は,豊富な湧き水が勢いよく流れ出ている。喉が渇いていたの で,腹具合を気にしながらも,たくさん飲んでしまった。冷たくて美味しかった。ペットボトルにも 水を汲んできた。 ![]() 登り5時間かかったところを3時間半ほどで下ってきた。 往復8時間半 の行程は,私たちにしたら十分すぎる登山だった。 ![]() 宿に帰る途中, 温泉施設「利尻富士温泉」 で汗を流した。ここには コインランドリー があり,妻が頑張って洗濯をしてくれた。 ページトップへ |