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白 根 隠 山

2010年(平成22年) 9月19日(日)


コース・タイム
 宇都宮(4:50) ⇒ 湯元スキー場駐車場(6:00) ⇒ 金精トンネル入口駐車場(6:20)
  登山口(6:35) → 金精峠(7:05-15) → 国境平(8:20) → 五色山(8:55-9:30) → 前白根山(9:30-45) → 避難小屋分岐(10:00) → 白根隠山(10:35-昼食-11:10) → 避難小屋分岐(11:40) → 前白根山(12:00-15) → 外山分岐(12:50-13:00) → 湯元登山口(14:00) → 駐車場(14:25)
 湯元駐車場(14:35) ⇒ 金精トンネル駐車場(14:45-55) ⇒ 宇都宮(17:05)

同行者
 キクさん

 以前から気になっていた山があった。それは, 「白根隠山」 と言われる山で, 五色山, 前白根山 ,から続く, 奥白根外輪山 の一角を構成している山で,標高は 2410m と,外輪山の中では最も高い。しかし,国土地理院の2万5千分の1地形図には 山名も標高も記入されていない し,登山道も記入されていない。
 幾度か 前白根山 に登り,白根隠山に伸びる稜線を眺め,いつか行ってみたいと思うようになった。 前白根山 から更に1時間程度かかるから,奥白根に登ったついでにというのはやはり大変だ。そん なことから,今回 白根隠山をメインにした山行 を計画した。最初は,単独で金精トンネルからピストンするつもりでいたのだが, キクさん も一緒に行くというので, 金精トンネル から登って 湯元 に下るルートを考えた。

 湯元スキー場の駐車場 でキクさんと落合い,車を1台デポし, 金精トンネル入口の駐車場 に移動した。 駐車場には何台かの車が停まっていたが,中は無人で,既に出発していた。
 身支度をし,出発した。今日は ワコール CWX を履いてきた。私にはCWXは合うようで,これを履いていて腰や膝が痛くなったことは ない。痛みが出た今年 3月の社山 の時も, 4月の尾瀬 の時もCWXを履いてはいなかった。冬季は,防寒用のタイツを履くため,CWXは履い ていなかったのだ。そう言えば,この夏の白馬でも,痛みが出たときはCWXを脱いでしまった後だ った。

 登山口 からいきなりの急登だ。このコースは不安定な急斜面を登るコースで,かつては, 危険だから通らない方が良い と言われたコースだ。最近はかなり整備され,危険な部分は 道が付け替えられて いた。


 こんな 崩壊地の横断 もある。足下に注意しながら,上方を警戒し急いで通過する。


 歩き始めて30分で 金精峠 に着いた。ここは 十文字 になっている。登ってきた反対側に下れば 菅沼 へ。右に行けば, 根名草山を越えて奥鬼怒 へ。左に行けば 金精山を越えて前白根山 へ行く。


 金精様 立派な覆堂に安置されている。


 振り返ると 男体山 がシルエットで浮かんでいる。

 金精峠から 金精山 に向かって歩き始める。 右手の奥に 菅沼 が見えた。


 金精山の東側は大きな 岩壁 になっている。山頂へは,右側から巻いて登る。

 金精山の山頂 は狭い。東側は開けているが,西側の見通しは悪い。

 山頂からは 湯ノ湖と湯元温泉街,金精道路 がよく見える。

 金精山から少し下り, 振り返って見ると, 鋭く切り立った岩壁 が見える。

 最低鞍部を過ぎて少し登ると 国境平 に出る。ここは湯元に下る 中ッ曽根 の分岐点だ。1時間半ほどで湯元に下れる。

 ここから,五色山の山頂まで, スキー場のような笹原 を登る。急登だが先を急がなければいつの間にか登り切ってしまう。


 登ってきた道を振り返る。6月に来たときには,ここは 大きな1枚の雪渓 になっていた。ところだ。

 足元から 五色沢 が下っている。その先に湯元スキー場が見える。


 間もなく 五色山の山頂 に出る。 笹原が広がる明るい道を楽しく歩ける。


 五色山の山頂 に出ると,突然に目の前に 奥白根山のドーム が姿を現す。思わず「 わーッ 」と声が出てしまう。


 五色沼と奥白根山 の姿は,いつ見ても感動を覚える。


 五色沼 の畔に登山者が見える。

 今日の目的地 「白根隠山」 が見える。緩い起伏のある開けた稜線で,楽しみながら歩けそうだ。


 前白根山と奥白根山ドーム  五色山から見た姿とはかなり変わっている。

 前白根山から足元を見下ろすと, 避難小屋へ向かう登山道 がよく見える。


 今年の6月に来たときには,ここには雪が残り,雪解け水が小さな池を作っていた。
 6月6日の様子


 凹地の真ん中 に, 五色沼 に向かう道の 分岐 がある。

 花の少ないこの時期, シロヨメナ の白い花はよく目立つ。


 奥白根山ドーム の形が,また変わった。



 避難小屋 へは ここで右に折れて進むが, 白根隠山 へは直進する。一般登山道ではないので,迷い込まないように倒木で通せんぼがしてある。


 道 はしっかりしているが,落ち葉で埋まっているところもあり注意が必要だ。少し行くと 廃小屋 がある。 雨量観測所 だったところだというが,真偽は分からない。


 奥白根山のドーム の姿がまた変わった。割れ目を正面から見るのは初めてだ。


 少し登って 2385mのピーク まで来ると,白根隠山はもうすぐだ。


 今日は, 奥白根山 の登山者は多い。登山道を上り下りする 登山者の姿 がよく見える。


 ここまで来ると, 五色山から見たドーム ちょうど真横 から見ていることになる。


 白根隠山の頂 はなだらかだ。石を積み上げ標識が立ててある。


 この尾根の先に 白桧山,錫ヶ岳 がある。


 歩きやすい道で,予想よりも早く着いたので,ここでゆっくりすることにした。 南方に見下ろす沢は ツメタ沢。 その上流には 美弥古(ミヤコ)滝 がある。

 西ノ湖 も見えた。


 奥白根山の山頂 は登山者であふれていた。

 コケモモ の真っ赤な実が美味しそうだった。


 奥白根山と白根隠山の間にある 大凹地  成因は五色沼と同じで,もしここに水が溜まれば,沼になっていた。この大凹地では面白 い現象が確認されている。 切込湖の近くの涸沼 でも見られる現象だが, 紅葉が下から上に登っていく。 一般に山の高いところほど気温が低いが,この凹地では,冷えた空気が凹地の底に溜まる ため, 高度の低い凹地の底ほど気温が下がるの だ。


 30分ほど,山頂で遊び,下山を開始した。
 ハクサンフウロ が一輪だけ咲いていた。もっと濃い色だったのだが,写真の露出オーバーで色が飛んでし まった。 恥ずかしい話だが,まだカメラの操作が思うようにできない。


 枯木のオブジェ  自然の造形は素晴らしい。


 前白根山までは往路を戻ったが,ここから進路を 白根沢コース にとった。
 今日の昼食は,行動食ということで,まとまった食事はせずに,休憩の度に少しずつ食 べることにした。ロングコースの時にはこの方が体調が良い。前白根山を少しくだったところで休憩 を取り,おむすびを1個食べた。
 天狗平 は,下ってきた尾根の先が少し広がり,広場のようになったところ。

 天狗平の少し先に 「湯元(新道)」 と書かれた標識がある。かつての 白根沢コース は,ここからこの沢(白根沢)に沿って下っていったのだが,崩壊が進み危険になったた め沢の右岸に登山道を付け替えた。これが(新道)である。
 新道といっても,1982年に登ったときには既にできていたので,できてから30年も経っ ており,もはや新道ではない。今は, 新道コース 「白根沢コース」 と言っている。


 外山分岐  この尾根を直進すると 外山 の山頂に行ける。登山道はないが踏み跡程度の道がある。湯元へは,ここで左に直角に曲 がり急斜面を下っていく。
 ここまでは概ね尾根に沿って下ってきたが,ここからが 本格的な下り となる。 傾斜が急で,足場も悪く,登山道はかなり荒れている 。特に危険と言うほどではないが,上り下りには体力と時間が要る。


 白根沢 に沿って下り, 白根沢 五色沢 に合流する直前に 「白根登山道」 と書かれた標柱 がある。これは, 雪崩で遭難した人を慰霊するために立てられた「歌碑」 である。標柱の根本には供えた花が枯れて残っていた。このすぐ下が登山口になる。


 登山口 からスキー場を25分ほど下ると スキー場の駐車場 に着く。駐車場の手前はキャンプ場になっており,家族連れのテントが幾張りも張られて いた。
 駐車場から再び金精道路を上り,金精トンネルに停めてある車を取りに行き,そこでキ クさんと別れた。
 今日は,良い天気に恵まれ,楽しい山歩きができた。白根隠山は,予想していたとおり, 山頂へ至る尾根道が素晴らしかった。季節を変えてまた行きたい。
 帰路, 菖蒲が浜からいろは坂入口 まで渋滞し,50分かかった。紅葉にはまだ早い時期なのだが,今日は3連休の中日だっ た。

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