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利尻・礼文 花の旅 1
2010年(平成22年) 6月26日(土)-27日(日)
宇都宮〜稚内

利尻・礼文 花の旅 2 

はじめに
 5年前の 2005年(平成17年)8月 ,私たち夫婦にとって初めての長期北海道旅行を実行した。北海道の良さに惹かれ,再び 訪れたいと思いながら,5年の時間が流れた。前回は,道南と道東地方を中心に廻ったので,今回は 道北に行きたいと考えていた。
 また,北へ行くならば,利尻島・礼文島にも行きたい。どうせ行くならば花の時期に合 わせて・・・,と願いはエスカレートし,とうとう,6月末という日を設定した。
 そのためには,まず,私が仕事を休まなければならない。幸い,理解ある上司と仲間の おかげで休暇が取れることになり,計画が具体化した。
 計画の概要は
 6月26日(土)
  宇都宮⇒新潟港〜小樽港

 6月27日(日)
  小樽港⇒稚内

 6月28日(月)
  稚内港〜利尻島

 6月29日(火)
  利尻山登山

 6月30日(水)
  利尻島〜礼文島 礼文島ハイキング

 7月 1日(木)
  礼文島〜稚内港⇒上富良野

 7月 2日(金)
  旭岳登山

 7月 3日(土)
  上富良野⇒苫小牧港〜仙台港

 7月 4日(日)
  仙台港⇒宇都宮

 ・登山については,天候と体調次第だが,一応計画の中に入れた。





 第1日 6月26日(土)
 宇都宮 ⇒ 新潟FT 〜 (小樽)

 自宅(3:45) ⇒ 東北道・磐越道 ⇒ 新潟港FT(7:10) コンビニ往復   乗船開始(8:25) 出港(10:30)
   フェリー(らいらっく) 〜

 宇都宮 発は4時に予定していたが,早く準備ができたので 3時45分 に自宅を出発した。自宅から夜間無料の「 さつき道路 」を通って 東北道鹿沼IC へ。ここから 東北道 に乗り,北へ向かった。 磐越道経由 新潟 に向かった。 
 4時頃に東の空が朝焼けに。日の出は見られなかったが今日は良い天気だ。

 郡山JCT で磐越道に曲がり, 新潟中央IC で降りろと言うカーナビの指示を無視して, 日本海東北自動車道 を東に取り,最初の 新潟亀田IC で降りた。亀田バイパス,栗の木バイパスを通って 万国橋 を右折しフェリーターミナルへ。 目立った混雑も無く7時10分に駐車場に着いた。ま ずは,車を一般車駐車場に着け,受付窓口へ。受付終了後,車を 待機場所 に移動し,乗船開始まで時間があるので,昼食を買いにコンビニに出かけた。


 今回乗船する らいらっく は 旅客定員892名,全長199.9m,総トン数18,229トンという国内最大級のフェリーだ。


 8時25分乗船開始。乗船はトラックが優先で,その後に乗用車。乗用車では3番目。 スロープを登って船内へ 入り,船内で方向変換してバックで停車位置へ。同乗者は,一般乗客と一緒に桟橋から 歩いて乗船するように指示された。

 船室 は,専用デッキの付いた 特等A  さすがに船内の設備は良い。 部屋は,進行方向左側なので,窓から陸地を見ることは できない。


  間もなく出港

 カモメ が近寄ってきた。カメラを向けると睨みつけてきた。


 反対側のデッキに出て陸地の写真を撮った。 飯豊山 だけは確認できた。

 一休みし,時間を見計らって レストラン 。私は, 厚切りタレカツ丼 と生ビール,妻は 中華丼 を注文した。


 部屋に戻って,TVを見ながらゴロゴロ。TVは BS が見られるので,岸から離れても番組が見られないと言うことはない。
 夕食の開始時刻が,張り紙には6時となっていたが,船内放送で5時30分とアナウン スがあった。できるだけ早く並んだ方が待ち時間が少なくて済むので,早めに行って並んだ。

 夕食は, カフェテリア方式 で,並んでいるものの中から好きなものを選んで最後に代金を払う。私は, 海鮮フォイル焼,イカ刺身,御飯,メロン,そして冷酒 。妻は, 野菜チキングラタン,サラダバー,御飯,味噌汁 ,2人合計で 3,010円。やや割高だが仕方ない。180mlの冷酒では物足りないが,部屋に戻 ってからビールを飲むことにして,夕食を終えた。




 4階の最前方には フォワードサロン という部屋があり,自由に出入りできる。この窓から船の進行方向を眺めることができた。


 部屋に戻り,風呂に入って汗を流してから,船内の自販機で買ってきたビールを飲んだ。
 午後6時を過ぎると,太陽は西に傾いてきたが,まだ十分に高い位置に居る。雲がだん だんと厚みを増し,日射が弱くなってきた。陽を映す海面が,油を流したように滑らかだ。今日は波 もなく,うねりもない。船は全く揺れない。  夕日の沈む時間に, 西の雲が僅かに赤色を映した が直ぐに消えた。

 午後8時前に 僚船 とすれ違った 。船内アナウンスで知らされて,デッキに出て待っていると,すっかり暗くなった海面に, 灯りをたくさんつけた船が,予想を遙かに上回るスピードで近づき,あっという間に遠ざかっていっ た。


 部屋に入り,しばらくTVを見てからベッドに入った。


 第2日 6月27日(日)
 〜 小樽 ⇒ サロベツ湿原 ⇒ ノシャップ岬 ⇒ 大沼 ⇒ 宿「おやど天翔」

 小樽港(4:20) ⇒ 道央道 ⇒ 留萌 ⇒ おびら鰊番屋(7:40-8:10)  ⇒ 富士見ヶ丘公園(9:20-25) ⇒ 道の駅てしお(9:50-55)  ⇒ サロベツ原生花園(10:40-11:40) ⇒ ノシャップ岬(13:05-13:20)  ⇒ ふれあい公園(14:00-20) ⇒ 稚内「おやど天翔」(14:55)





 部屋の窓から日の出は見られないものと思っていたのだが, 窓の正面の空が赤く染まっている。 航路を調べてみて納得した。フェリーは,小樽港に入る前,積丹半島を大きく迂回し,南 向きに進むのだ。このとき,窓の正面が東になる。ところが,入港するときには更に回転してしまう ため,船尾に隠れて再び太陽は見えなくなる。


 日の出の時刻 は4時10分。船が向きを変えたため,下船時刻ギリギリで再び見えるようになった。

 小樽港

 自動車の同乗者は,安全のために,一般乗客と一緒に歩いて下船するようになっている。
 ここから 稚内 まで長距離ドライブだ。フェリーを降りると直ぐに 札樽道 小樽IC に入る。 札幌JCT で道央道に出て, 深川JCT 留萌方向 に進んだ。道央道は岩見沢から先が,無料化実験区間で明日から無料になるのだが,きょ うは有料。札樽道は 覆面パトカーが多い ので有名。安全のため,オートクルージングの速度を 制限速度+10% 以内に設定して走った。
 我が車のオートクルージングは,ブレーキを踏むと解除されるが,アクセルを踏んだ場 合には,一時的に加速し,アクセルペダルから足を離せば元に戻る。前車の追い越しなどにはとても 便利だ。
 留萌 から先は日本海に沿った 「オロロンライン」 と呼ばれる道路で,快適に走ることができる。快適すぎて速度を出し過ぎないようにする のに注意しなければならない。
 道の駅「おびら鰊番屋」 に寄った。

 文化財 「旧花田家番屋」
 かつての 鰊番屋 を保存公開しているもので,往時の漁師の財力が分かりなかなか良かった。
 多くの番屋は,鰊が採れなくなるに従い,船主の財力が衰え,売却されてしまった。こ のように保存されているのは貴重だという。


 番屋の骨組み 。番屋としては比較的新しいので,保存状態は良い。


 更に, 道の駅「てしお」 で休憩し, サロベツ原生花園 に向かった。

 タンポポに似たこの花 は, 「タンポポモドキ」 。花は似ているが,花茎が枝分かれするなど, タンポポ とはかなり違う。正しい名前は, 「ブタナ」 (キク科 エゾコウゾリナ属)


 真っ直ぐな道路  制限速度を守って走るのはいささか辛かった。


 サロベツ原生花園  花は,種類,量とも多くはなかった。


 イソツツジ

 カキツバタ


 ツルコケモモ

 サロベツ原生花園は ライブ画像 をネットに載せている。 これは そのカメラ


 エゾカンゾウ はニッコウキスゲに近い種類だ。


 ビジターセンター はログハウス風の建物だ。



 ビジターセンターの隣の,レストハウスで昼食にした。私はラーメン,妻は揚げたジャ ガイモを食べた。

 次の目的地は ノシャップ岬。 車を走らせていると,道と海との間にたくさんの花が咲いている。道の広くなっている所 に車を停めて,花を観察した。
 ハマナス

 ハマナス

 ハマエンドウ

 エゾスカシユリ

 宗谷岬 に対峙して宗谷湾を形成しているもう一つの岬が ノシャップ岬(野寒布岬) だ。根室半島の先端にあるのが ノサップ岬(納沙布岬) で似たような名前で混乱する。もともとアイヌ語が起源なのだろうから,同じ語源なのか も知れない。
 ノシャップ岬の灯台 。その下に寒流水族館と稚内青少年科学館がある。


 そのノシャップ岬に寄った。「寒流水族館」というものがあったので見ようと思ったの だが,メインがゴマフアザラシだというので遠慮し,その隣にある 稚内市青少年科学館 に入った。ここには,南極観測隊に関するものが展示してあった。
 灯台の 隣にあるノシャップ岬公園からは,約40km離れている 利尻山 が,とても大きく,鋭い頂を天に向かって突き刺している姿が見られた。 今日走ってきた オロロンライン からは,利尻山が見えるはずだったのだが,ガスがかかっていて殆ど見えなかった。ここ に来てやっと全体を見ることができた。

 マンホールの蓋 が面白かった。  描かれている犬は,タロとジロ。南極観測隊で活躍し,南極で置き去りにされながら生 き抜いた「タロ」と「ジロ」は稚内に所縁のある犬だ。


 駐車場に戻って今日の宿 「おやど天翔」 に電話を入れた。チェックインが3時ということは分かっていたのだが,少し早く着いて もいいかと聞いたところ,冷たく,「チェックインは3時です。」

 仕方なく,時間調整のため, 大沼 に行くことにした。宿の前を通過して, 宗谷岬 に向かい,途中で右折して大沼に向かった。小高い丘の上に 駐車場と展望台 があった。  展望台からは, 大沼の向こうに利尻山 が見えた。

 周囲の草原には,オレンジ色の コウリンタンポポ が群落を作っていた。とてもきれいだったのだが,ヨーロッパ原産の帰化植物だと知って ちょっと複雑な気持ちになった。北海道では,道路の周囲など,いたるところで見られる。




 時間を調整し,午後3時ちょうどに 「おやど天翔」 に着いた。電話の応対では冷たい感じを受けたのだが,女主人の対応は悪くない。今夜の 宿泊客は私たちだけだという。 部屋はきれいで,風呂もきれい,料理も美味しかった。
 部屋にはネットワークのコンセントがあり,持って行ったケーブルで繋いでみると,何 も設定せずともインターネットに繋がった。早速,掲示板に書き込み,ホームページのトップ写真を 入れ替えた。
大きな通りに面した部屋なので,自動車の音がうるさいのではないかと心配したが,夜は 静かになり,気にならなかった。

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