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利尻・礼文 花の旅 2
2010年(平成22年) 6月28日(月)-29日(火)
稚内〜利尻

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第3日 6月28日(月)
 稚内 〜 利尻島 利尻島一周


 宿(6:00) ⇒ 稚内港(乗船7:15,出港7:30) 〜ボレアース宗谷〜 利尻島鴛泊港(9:10) ⇒ 夕陽丘展望台(9:20-25) ⇒ 富士野園地(9:30-55) ⇒ 沓形岬(10:25-11:20) ⇒ 沓形フェリー港(11:00-40) ⇒ 仙法志(12:05-22) ⇒ オタトマリ沼(12:35-45) ⇒ 沼浦展望台(13:05-10) ⇒ 姫沼(13:40-45) ⇒ 鴛泊民宿「マルゼン」(14:10) ⇒ ペシ岬(14:35-45) ⇒ 民宿「マルゼン」(15:10)


 3時55分,宿の窓から 日の出 が見られた。今日は 稚内 7時30分発のフェリーで 利尻島 に渡る。6時50分までに乗船手続きをしなければならないので,宿の朝食は頼んでいな かった。6時に宿を出て フェリーターミナル に向かった。

 車を,乗船車の待機場所に停め,乗船手続きをしにターミナルビルに入った。 手続き を済ませ,ビル内の売店で朝食用にサンドイッチを買った。
 待合室でサンドイッチを食べ,乗船時間が近づいたので,私だけ車に戻った。今回のフ ェリーは,すべて 同乗者の乗船は徒歩で 行うよう指示された。



 このフェリーは, 利尻島 経由で 礼文島 に行く便なので,車は,礼文島へ行くものを先に乗せ,最後に利尻島に行くものを乗せた。 そんなわけで,最も早く並んだのに,乗船は最後の方だった。ここで運行しているフェリーは約 3,500トン 新潟〜小樽フェリーの 18,000トン に比べると小さいので,車は船の外で方向変換し,バックで乗船させられた。最初はかな り緊張したが,だんだんと慣れた。乗船した船は  「ボレアース宗谷」
 このとき,おかしな光景を目にしてしまった。私の斜め後ろに4ナン バー(貨物車)の1ボックスカーが止まっていた。運転席には目つきの鋭い中年男性,助手席には中 年女性が座っていた。係員が乗船券をチェックしに来て,助手席の女性は一般乗客と一緒にタラップ から乗船するように指示すると,女性が車から降りたが,ターミナルビルの方には行かず,車の近く でうろうろしている。まもなく係員がその場を離れると,車の後ろのスライドドアを開けて乗り込ん でしまった。ドアの内側にはカーテンが引かれていて,内部が見えないようになっているが,女性が 乗り込むときにカーテンが開き,数人の人影が見えた。また,運転席と後ろの荷室との境もカーテン で仕切られていたが,一瞬そのカーテンが開き,別の顔がのぞいた。間もなく,この1ボックスカー は,何事もなかったように,船に乗り込んでいった。これって,間違いなく「密航」,それも組織的
 この船には たくさんのツアー客 が乗り込んだ。

 この船では 座席指定の「ラウンジ」 を取ったが,これは良かった。シーズンと言うこともあり,2等席などは団体客で占領さ れており個人の入る余地は殆ど無かったようだ。


 船が稚内港を出ると, ノシャップ岬 の後方に 利尻山 の姿が見えた。

 船が進むと, 利尻山 はますます大きく見えてきた。


 山の五合目付近に帯状に雲がたなびいている 他は晴れている。黒い山体に白い雪渓が筋状に見え,とてもきれいだ。

 この帯状の雲も,船が利尻島に着く頃には消え, 威厳に満ちた秀麗な姿 を望むことができた。


 定刻通り 利尻島鴛泊港 に到着。 私は当初この 「鴛泊」 の文字が読めなかった。 「鴛」 とは オシドリ のことで,音読みでは 「オン」または 「エン」, 訓読みでは 「オシ」 「オシドリ」 と読む。
 下船の順番は早かった。今日は,反時計回りにこの島を一周した。



 最初は 「夕陽が丘展望台」


 展望台の北側は崖 になって 海に落ち込んでいる。


 駐車場から少し登って頂上に立つと, 利尻山の勇姿 が望めた。今日は一日中利尻山を望みながら走った。利尻山は ほぼ円錐形の山 なので,どの方向から見ても,山の形は余り変わらない。 海岸線には, ペシ岬 と,反対側には 富士野園地とポンモシリ島 が見えた。


 私たちが次ぎに向かう, 富士野園地 の駐車場には,ツアーの大型バスが1台停まっており,また別のバスが1台入ってきた。 1台目のバスが出た後を見計らって車を着けた。富士野園地の駐車場から遊歩道を歩いて,展望台ま で行った。
 ポンモシリ島

 利尻山に架かっていた霞がとれ, スッキリとした姿 が見えてきた。

 ポンモシリ島 には ウミネコ の営巣地がある。



 次の目的地は 沓形岬
 沓形岬のキャンプ場の駐車場に車を止め,付近を散策した。気温は高くないのだが,陽 射しが強く,暑い。風も殆ど無い。
 沓形岬灯台

 売店の花壇に リシリヒナゲシ が咲いていたので写真に撮った。野生のものを見たいのだが,たぶんダメだろうから,こ れで我慢することにした。


 沓形岬公園からの利尻山


 車に戻り,沓形港のフェリー乗り場の駐車場まで移動し,ここの食堂で昼食にすること にした。私は 「ホッケ定食」  妻は 「イカ・イクラ丼」 空腹のせいもあって美味しく頂いた。



 港に が入ってきた。船名は 「ボレアース宗谷」  あれっ,私たちが乗ってきた船だ。時刻表を見てみると,私たちが下船した後, 礼文島香深港 へ行き,その後 香深港から沓形港を往復 し,再び 香深から稚内に戻る らしい。

 停泊時間は20分から25分程度。乗降の人数,車の数にも拠るのだろうがかなり手際 良いと感じた。 ボレアース宗谷の出港 を見送って車に戻った。


 沓形港の展望台には 大きな方位盤 があった。利尻山は真東の方向だ。

 次の目的地は 仙法志御崎公園  ここから眺める 利尻山 は,東西の裾野が見える。


 次の目的地は オタトマリ沼 車を走らせていると, たくさんの大漁旗 が目に入った。さっそく車を停めた。 利尻富士町野中コミュニティーセンター と表示のある建物の隣にある小さな神社に奉納したもので,祭でもあるのだろうか。大小 色々だったが,立派な大漁旗が10本以上揚がっていた。


 オタトマリ沼 は大きな沼だ。海岸近くにこんなに大きな沼があるのに驚いた。沼の中にはスイレンが咲 き,周囲の湿地にはキショウブが咲いていた。水面には,たくさんの水鳥も休んでいた。

 オタトマリ沼の駐車場から出て直ぐに, 「沼浦展望台」 という表示があったので行ってみることにした。沼浦展望台は海抜43mの高さにあるので 見晴らしは良い。 オタトマリ沼を挟んで利尻山 が見えた。

 海側は急な崖になっており,がけの下に 沼浦の港と集落 が見えた。


 ここから島の東側を廻って鴛泊に戻ったのだが,東海岸には,見るポイントがあまりな い。宿に入るのにはまだ早すぎるので, 姫沼 に行くことにした。


 姫沼 は,古い噴火口に水が溜まったもので,標高が130mほどある。 オタトマリ沼の標高は1m程度だから大きな違いだ。沼を一周する遊歩道があるのだが, いささか疲れたので,途中まで行って引き返した。 休憩所で休んでいると,10人ほどのグループがやってきた。ポン山の方から歩いてきた らしい。 利尻山の登山口である北麓野営場から姫沼に抜けるハイキング道がある。

 最後の目的地は, 鴛泊 に戻って ペシ岬 だ。
 遊歩道があるはずなので,その登り口の近くに車を停めようと,登り口を探したのだが 見つからない。車の置けそうな場所もない。仕方ないので,宿に行き,そこに車を停めて歩いてペシ 岬に行くことにした。
 鴛泊港から見たペシ岬


  「お宿マルゼン」 は直ぐに分かった。指定された場所に車を停め,ペシ岬に向かった。登り口は,島を周回 する道路と漁港へ行く道との交差点にあった。やはり,ここには車は停められなかった。登り口は, ペンションの玄関に向かう急な階段で,そこを上り,ペンションの前を通り過ぎて,ペシ岬に向かっ た。まず, 灯台 に行った。 この灯台は純白だ 北海道の灯台の多くは紅白に塗り分けられており,純白の灯台は珍しい。

 急な道を登ると一気に 視界が広がった。  北西方向には,今日下船後に最初に行った 夕陽が丘展望台 が見えた。


 足を滑らせれば,そのままころころと転がってぽちゃんと落ちそうなくらい足元に 鴛泊の漁港とフェリーターミナル が見えた。

 鴛泊の集落


 十分にゆっくりできたので,降りることにした。 エゾカワラナデシコ が咲いていたので写真を撮った。

 ペンションの前の花壇に珍しい花が咲いていたので撮影させてもらった。
 シコタンハコベ


 チシマフウロ


 宿にはいる前にコンビニまで行って明日の朝食用にパンを買った。

 この宿は, 前金制で,山小屋スタイル だ。食事は,夕食,朝食とも,同会社がフェリーターミナルの2階で営業している 食堂「丸善」 で摂る。食事時の飲み物代はその場で支払う。宿と食堂とは近距離なので歩いても行ける が,スタッフが送迎してくれる。 部屋が狭いのも山小屋スタイル 登山口までの送迎はもちろん, 利尻富士温泉 への送迎もまめにやってくれる。これがこの宿の特色だ。

 宿の風呂はボイラーが不調で熱くならなかったが,温泉まで出かけるのもおっくうだっ たので私だけ我慢して入った。
 食事 は美味しかった。ホッケの開きが半身と,タコのシャブシャブ。刺身はサーモンと生ウニ。 ナマコの酢の物も美味しかった。

 この日は,天気が良かったので,宿が 夕日が丘展望台への夕日ツアー も企画してくれた。せっかくだったが,私たちはパスして明日の登山に備えた。
 私だけ, 近くの海岸に降りて夕日を撮影した。  そこからは,ちょうど夕日が丘展望台に陽が沈むのが見えた。


第4日 6月29日(火) 利尻山登山

 どこまで行けるか分からないが,一応登頂を目標にして 利尻山 に挑戦した。

 詳しくは,別項  「利尻山」  を参照して下さい。

 下山し,宿に帰る途中, 温泉施設「利尻富士温泉」 で汗を流した。ここに コインランドリー があり,洗濯ができた。妻が頑張って,汗をかいたものを洗ってくれた。

 今日の宿の夕食は 「ウニ丼」 だ。ウニ丼は連泊者に限り,2泊目に出すことになっているらしい。他にも,イカの姿焼 きや,ホタテやカニの入った鍋など,1泊目よりかなり豪華だった。





 今夜は,ワールドカップサッカーの日本代表の試合がある。 非常に映りの悪いアナログテレビ で,うとうとしながら見ていたが,最後の PK戦 の場面だけはしっかりと目を開けて見ることができた。  ゲームに勝敗は付きものだが,良いゲームというものは,勝っても負けても胸に響いて くるものがある。


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