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尾 瀬 沼

2011年(平成23年) 6月12日(日)


コース・タイム  (写真を撮りながら,のんびり歩いたタイムです。)
 自宅(4:15) ⇒ 御池駐車場(6:40-7:00) ⇒(定期バス) ⇒ 沼山峠(7:20)
  沼山峠(7:25) → 大江湿原(9:05) → 沼尻(10:00-25) → 長蔵小屋(11:15-昼食-12:30) → 沼山峠(13:50)
 沼山峠(13:50) ⇒(シャトルバス) ⇒ 御池駐車場(14:10-20) ⇒ 燧の湯(14:35-15:30) ⇒ 自宅(18:20)

同行者
 妻

 この週末の天気予報は良くなかったので,山に出かける計画はなかった。ところが,直 前になって良い予報に変わった。妻が 「尾瀬に行かない?」 と声をかけてきた。今,尾瀬は ミズバショウ の最盛期だ。そういえば,今までミズバショウの最盛期に尾瀬を訪れたことはなかった。 ♪夏が来れば思い出す・・ の歌に誘われ,この時期の尾瀬は 大混雑 する。木道が渋滞し先に進めないとか,帰りの鳩待から戸倉に向かう乗り合いタクシーの 待ち時間が最大2時間とか言われていた。混雑することが嫌いなことと,ミズバショウ以外の花が少 ないことが,この時期を敬遠してきた理由だ。
 この際, 混雑を覚悟して 出かけることにした。 鳩待 から入ることも考えたのだが,少しでも混雑から逃げたいことも考えて,福島県側の 御池 から入ることにした。実を言うと,私はこのコースの方が変化があって好きなのだ。最も 好きなのは, 大清水から三平峠を越えて尾瀬に入る コースなのだが,妻の体調を考えて,このコースは見送った。
 御池駐車場 はまだまだ空きがあった。この駐車場が満車になると,マイカーは 七入 で止められ,そこからシャトルバスに乗らなければならない。この時期,七入には誘導員 が立ち,指示をしてくれる。止められれば,御池駐車場が満車になったことを示し,進めという指示 があれば御池駐車場に余裕があることを示している。今日は, 誘導員の姿が見えなかった。 その必要もないと言うことなのだろう。現在は,ミズバショウの時期よりも紅葉時期の方 が混雑するらしい。

 沼山峠 行きバスの始発は,7:00  このバスは,御池始発ではなく,下から登ってきた 定期バス だった。紅葉時期などで,乗客が多い時には,7:00 の前に臨時のバスが出る。秋に来た ときに乗ったことがあった。
 沼山峠 に着いた。朝の冷気の中,強い夏の陽射しが照りつけている。身支度をして出発した。

 歩き始めてすぐに タケシマラン を見つけた。花があまりにも小さく,何度撮影しても上手く撮れない。

 この角度も面白い。

 エンレイソウ が花盛りだ。といってもこの花には花びらがない。 シロバナエンレイソウ という種類には,文字通り白い花びらがあるのだが, エンレイソウ には花びらはない。花びらのように見えるものは萼片だ

 オオカメノキ も白い花を付けていた。白い花は,意外に撮影が難しい。自動露出で撮ると,露出を周囲 の明るさに合わせてしまうので,白い部分は露出オーバーになってしまう。

 まだ, 日陰には雪が残っている。 木道も隠れている部分があり,雪との境目が滑りやすくなっているので注意しなければな らない。 滑ってしりもち をつくと,尾てい骨を痛めたり椎骨を痛めることがあり,重症になることも珍しくない。 滑ったときは,しりもちをつかずに, 仰向けになり,背中のザックでショックを吸収さ せる ようにすると良いと言われているが,とっさの場合上手く対応できるかはわからない。

 イワナシ の花がたくさん咲いていた。葉はごついが,花はピンク色で可愛い。

 これは ミネザクラ だろう。タカネザクラという別名もある。葉柄や花序に短毛が生えていれば チシマザクラ だが,短毛は生えていないようだから, ミネザクラ で間違い無いだろう。

 樹林帯を抜け,大江湿原の端に飛び出すとたくさんの ミズバショウ が出迎えてくれた。 「これぞ水芭蕉」 という器量良しを見つけた。

 タテヤマリンドウ が咲いていた。リンドウは太陽が高くならないと開かない。花弁の内側の文様がタテヤマ リンドウの特徴。

 遠くの 水芭蕉 はきれいに見える。

 水芭蕉 は, 川の流れに沿って 群生する。尾瀬の代表的な風景だ。

 ヒメイチゲ が咲いていた。咲いている花の種類が少ないこの季節,貴重な花だ。それにしても可愛ら しい花だ。

 シナノキンバイ
 花はリュウキンカに似ているが,葉の形が違うので区別できる。黄色い花びらのような ものは,実は花びらではない。花って不思議なものだ。


 コヨウラクツツジ は決してきれいな花ではないが,その特徴的な姿が可愛い。


水芭蕉と同時に この時期 満開になるのが リュウキンカ だ。流れに沿って群落を作る。

 時間があるので, 沼尻 まで行くことにした。 「沼尻」 は,今は 「ヌマジリ」 と呼ばれることが多いようだが,かつては 「ヌジリ」 または 「ヌシリ」 と呼んでいた。私はヌジリと呼んでいる。
 沼尻休憩所 で休憩し,来た道を戻って長蔵小屋を目指した。


 沼に張り出したところに白い花が咲いていた。遠くて良く分からなかったが,望遠レン ズで撮影したら, ミツガシワ だった。

 足元に ミヤマカタバミ が咲いていた。 ミヤマカタバミ コミヤマカタバミ の区別は良く分からない。花弁内側の紫色の線が特徴的だ

 長蔵小屋 手前の左側に, ミズバショウ の大群落があった。

 ヒメイチゲの群落があった。 ヒメイチゲ は奥日光にもたくさんあるが,多くは1本または数本単位で生育しており,群落は見たこ とがなかった。

 足元に スミレ が咲いていた。スミレの同定は難しいが,これは タチツボスミレ か。

 長蔵小屋売店 前のベンチで昼食にした。ライブカメラに写ろうとしたが,そう言えばこのカメラは現在 休止中だった。ゆっくりと休んで帰途に就いた。
 沼山峠の休憩所 には立派なベンチが新設されたが,見晴はイマイチだ。 30年ほど前に来たときには,ここから尾瀬沼の全景が見渡せた。 30年も経てば,木も生長するから,仕方ないことなのだが。

 沼山峠 のバス乗り場に着いたら,出発しようとしていたバスがあったので,すぐにとび 乗った。 御池駐車場 で自分の車に乗り換え,檜枝岐の 燧の湯 に向かった。
 燧の湯 で汗を流し,帰途に就いた。
 今日は,図らずも 楽しいハイキング ができて満足だった。妻も来て良かったと言ってい る。何よりだった。

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