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清 水 平 ・ 南 月 山

2011年(平成23年) 6月19日(日)



コース・タイム
 写真を撮りながらゆっくり歩いたタイムです。
 自宅 ⇒ 峠の茶屋駐車場(6:09)
  駐車場(6:35) → 峰の茶屋(7:40) → 朝日岳の肩(8:30) → 清水平(9:25-35) → 朝日岳の肩(10:10) → 峰の茶屋(10:45) → 牛ヶ首(11:15-昼食-55) → 南月山(12:50) → 牛ヶ首(13:30) → 山頂駅(14:10)
 山頂駅(14:10) ⇒(ロープウエイ)⇒ 山麓駅(14:30) → 峠の茶屋駐車場(14:40) ⇒ 矢板城の湯 ⇒ 自宅

同行者
 妻

 私にとっては約2年ぶり,妻にとっては2年半ぶりの 那須 である。以前はかなり多く出かけたのだが,私が 日光パークボランティア を引き受け,日光に行く回数が増えるのに従って,那須方面に行く回数が少なくなった。

 梅雨の合間の好天 の予報が出たので,久しぶりに那須に行くことにした。この時期は イワカガミ の花が満開になっているはずだ。 高速道路休日割引1000円 の実施が今日で終了するというので, 東北道 を通って 那須 に向かった。震災の影響なのか,高速道も,那須街道も車は少なかった。しかし, 峠の茶屋駐車場 にはかなりの車が停まっていた。やはり,那須の人気は高い。青空は見えなかったが,雨 が降るような空模様ではなかった。

 身支度を調え 出発 した。駐車場から,登山指導センターの脇を通って登山道に入ると, 直ぐに, ベニサラサドウダン が出迎えてくれた。

 ベニサラサドウダン

 明礬沢 に沿った作業道が,長い間未整備の状態だったが,きれいに整備されていた。上流で,再 び工事が始まるのだろうか。


 ウラジロヨウラク は,花柄にも毛が生えている。

 これは サラサドウダン  ベニサラサ よりより色が薄い。これも爽やかで綺麗だ。

 マイヅルソウ は,葉の形と葉脈が家紋の 「鶴の丸」 に似ていることから付けられた名前だ。 「2枚の葉が,羽を広げた鶴の姿に似ているから」という説明を聞いた ことがあるが,葉は対生して居らず,そのようには見えない。これはこじつけだ。

 マイヅルソウ の花は小さくて真っ白だ。ピントが合わせにくく,露出もオーバーになってしまう,写真 に撮りにくい花だ。

 コイワカガミ  コイワカガミ イワカガミ の区別は難しい。コイワカガミは 全体的に小型 で,1本の花茎に付く 花の数が1〜5個 と少ない。 葉の鋸歯の数 も少ない。

 この付近には白花の コイワカガミ が多い。

 コイワカガミ の群生 これは,葉の細かな鋸歯が目立たないので ヒメイワカガミ かもしれない。

 この広場を 「中の茶屋跡」 と呼ぶ。ここに茶屋があったらしいのだが,私が那須に行き始めた頃(55年前)にはすで に何もなかった。

 明るいピンクのツツジがかろうじて咲き残っていた。 ムラサキヤシオツツジ だ。日光などに多い アカヤシオ とは異なる種類だ。東日本では少なく,日本海側の多雪地帯に多い。先週訪れた 尾瀬 でも, 御池から沼山峠 までの道路脇に咲いていた。

 ウラジロタデ は,葉の裏に白い毛が密集しており,那須には多いが,全国的には珍しい植物だ。

 正面の鞍部に小屋が見える。かつてここには 「峰の茶屋」 があり,担ぎ上げたサイダーなどを販売していた。

 この避難小屋は,正しくは 「峰の茶屋跡避難小屋」 という。「峰の茶屋」を地名だと考えれば,こんな持って回った言い方をしなくて良いと 思うのだが。


 剣が峰 を巻いて, 朝日岳 に向かう。

 剣が峰の巻き道から 明礬沢 を俯瞰する。朝日岳の斜面は崩壊が進んでおり,砂防ダムもたくさん作られている。

 残雪期にはここに大きな 雪渓 がある。その残骸が残っていた。

 作業道の終点 が見えた。峠の茶屋からの作業道がここまで来ている。

 大きな岩の中央に が開いている。登山道からこの穴が見えるポイントは 2個所 しかない。

 朝日岳 への登りはかなりきつい。朝日岳は 那須穂高 とも呼ばれ,岩歩きが楽しめる。


 背後に 茶臼岳 が控えている。

 ルート はガレているところを避け, 岩盤の上に 付け変えられた。強風の時は気をつけなければならない。

 朝日岳の肩 は広場になっている。 三本槍 方面にいく登山者も,ここに荷物をデポし, 朝日岳の山頂 を往復する。私たちは,パスして先に進んだ。

 野鳥 がハイマツの枝にとまっていた。 キビタキ の雌かなと思うが,自信はない。

 高度が上がってくると,雪を被った遠方の山が見えてきた。中央の山塊は 会津駒ヶ岳  写真をクリックすると,山名の入った大きな写真が見られます。


 手前の小さなピークの陰に 熊見曽根への分岐 がある。この付近は,何時歩いても気持ちが良い。

 三本槍岳  「槍」と言っても山頂はなだらかだ。尖っているから槍なのではない。 ここはかつて,会津藩,白河藩,黒羽藩の三藩の領界となっており, 毎年五月五日に三つの藩の代表が,藩の旗印を付けた槍を立て,領界を確認しあったという。 三本の槍を立てたので,三本槍と呼ばれる。

 雲が湧いてきて, 茶臼岳 を隠し始めた。

 三本槍岳 の奥に見える三角形の山は 旭岳  (朝日岳ではない)

 清水平へ下る斜面の右側に, 小さな池 がある。

 これは,花の数も多く,葉の鋸歯も多いので, イワカガミ だろうか。

 清水平 には木道がかけられているが,私は,ここに水が溜まっているのは見たことがない。

 清水平の周囲には ミツバオウレン が多い。


 私はこの花を初めて見た。 コメバツガザクラ という。葉はコケモモに似ているが,花が違うので区別できる。花の形は,他のツガザク ラ類とは異なり特徴的な形をしている。

 これは ウメハタザオ  4枚の花びらが2枚ずつ向かい合う形の花は他にもあるが,葉の形でウメハタザオと判断 した。


 峰の茶屋 まで戻り, 牛ヶ首 へ向かった。この 水平歩道 は,かつて 硫黄鉱山のトロッコ が走っていたところだ。

 ガンコウラン は,雪解けとともに,小さな赤い花を付けるが,これは 若い実  秋には大きくなり黒熟する。

 茶臼岳 で最も活発に噴煙を上げる 「無間地獄」(むげんじごく) 風向きによっては,登山道に吹き付けて通過できなくなることもある。

 牛ヶ首 は,茶臼岳の南西の鞍部だ。ここには ロープウエイ駅 から比較的簡単に来られるから,観光客も多い。

 牛ヶ首 で昼食にした。いつもならば即席麺を作るのだが,今日は別のものを用意してきた。アル ミの鍋が付いていてそのまま火にかけられる 「天ぷらうどん」 だ。持ってくる途中で,アルミの鍋が少しへこんでしまい,水漏れを心配したのだが大丈 夫だった。美味しく食べられた。妻はカップ麺を食べた。
 食事が終わって, 南月山 まで行ってみることにした。このルートは 「ミネザクラ」 で有名な場所なのだが,花の時期はもう終わっていた。
 スミレ も種類が多く同定に苦労するが,これは タチツボスミレ か?

 この特徴的な形の花は, コヨウラクツツジ だ。小さな壺形の花が可愛い。

 日の出平 の手前から振り返ってみた 茶臼岳

 ツマトリソウ  ソウといってもこれは木本。 7枚花びら が特徴。

 マイヅルソウ

 沼原調整池 が見えた。沼原調整池は, 揚水発電 の上池だ。夜間の余った電力で水をくみ上げ,昼の電力使用ピーク時に水を落として発電 する。修理中なのか,水は空っぽだった。

 南月山 の山頂にある祠 

 再び 牛ヶ首 に戻って,ロープウェイ駅を目指した。ガスは東側から湧いてきている。 ロープウエイ駅 に着いた頃には一面ガスの中だった。

 ガスは山の山頂付近にかかっているだけで,山麓駅にはガスは掛かっていなかった。こ こに妻を待たせ,峠の茶屋駐車場まで行って車を取ってきた。

 帰路,矢板の 城の湯 で汗を流して帰宅した。久しぶりの那須だったが,満開のイワカガミに会うことができて 大満足だった。

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