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社  山

2012年(平成24年) 4月8日(日)


コース・タイム
 宇都宮(5:40) ⇒ 歌ヶ浜駐車場(6:25-朝食)
  駐車場(7:04) → 狸窪(7:49-59) → 阿世潟(8:29-39) → 阿世潟峠(9:14) → 無線塔(9:49) → 頂上(11:22-昼食-56) → 無線塔(12:38) → 阿世潟峠(13:00-09) → 阿世潟(13:25) → 狸窪(14:10-15) → 駐車場(14:53)
 歌ヶ浜駐車場 ⇒ 宇都宮

同行者
 単独

 山登りは,昨年11月末の 燕岳 以来だ。特に,この冬は,妻の事故入院という出来事があって,登山どころではなかった。 妻の怪我も徐々に回復しつつあり,気分的にも幾分余裕が出来てきたので, 社山 へ登ることにした。
 山歩きにブランクが出来,トレーニングもしていなかったので,体重は2Kg以上増え, 身体はかなり鈍っていた。 多分,苦労するだろうなと思っていたのだが,予想通りに,苦しかった。 ただ,幸運なことに,天候が良かったので,身体が苦しかった割には,気分的には楽しく歩くことが できた。
 いつも通りに,日光バイパスからは, 日光連山 の姿が見える。今日はまだ男体山の頂には雲がかかっていた。

 大沢ICと今市ICの間に 土沢(どさわ)IC ができた。ICの出口は,並行して走る日光街道の反対側に作られたのだが,まだ,日光 街道に連絡する道路ができていない。そこで今,ICから日光バイパスをまたいで,日光街道に出る 陸橋 の建設が進んでいる。片側から橋桁を継ぎ足しながら成長させるという変わった建設方法 で,ちょっと面白い光景だ。

 日光口パーキング の入口付近からは, 女峰連山 が正面に見える。女峰山にも朝日が当たっているが,まだ雲は取れていない。

 スムーズに走って6時25分には 歌ヶ浜駐車場 に着いた。  車の外気温計は 氷点下4℃ を示していた。

 対岸には,今日の目的の 社山 が,残雪を身にまとい,ピラミダルな姿を見せている。

 奥白根山 はまだ 雲の中 だ。

 歌ヶ浜駐車場 はひっそりとしていた。昨年4月2日に来たときには,中禅寺湖の岸釣りが解禁された日 とあって,釣り人の車が駐車場に入りきらない状態だったが,今年は放射能の関係で解禁が延期され てしまったため,釣り人の姿はない。

 今日の服装は,トップは, ファイントラック フラッドラッシュ アクティブスキン の上に, モンベル クリマブロック ロッシュジャケット  その上に ラテラの3シーズンジャケット を着て出かけたが,ラテラのジャケットは間もなく脱いでしまった。ボトムは, CWX の上に防水加工をした 冬用のズボン を履き,頭には毛糸の帽子を被った。 MSRライトニングアセント をザックにくくりつけ, 6本爪のアイゼン を持った。 ピッケル は持たずに, ダブルストック を手に持って歩き始めた。

 狸窪までの車道 は概ね除雪され,歩きやすかった。

 狸窪 まで,写真を撮りながら歩いたので,45分ほどかかってしまった。

 狸窪 から先の路面は30cmほどの 雪に覆われている  朝のうちは雪が固まっているので歩きやすかったが,帰路では雪が弛み,歩きにくかっ た。

 男体山 はいつ見ても美しい。左右対称の均整の取れた姿は, 「下野富士」 の別名通りだ。

 登山道 に大きな木が倒れていた。先日の低気圧による強風で倒れたらしい。またいで通れるので 障害にはならない。

 狸窪 から 阿世潟 まで30分で着いた。ここで 軽アイゼン をつけた。雪が締まっているので,スノーシューは今日一日出番はなかった。

 梢を通して柔らかな春の陽射しが降り注ぐ。山に登らずとも, こんな場所 で一日過ごすのも楽しいに違いない。私も何時か,山に登れなくなるときが来る。そんな ときのためにとっておこう。

 阿世潟峠の直下に, 急な斜面をトラバースするところ がある。斜面の形から,雪崩は警戒しなくて良いようだが,滑落には十分注意しなければ ならない。

 阿世潟峠 は日当たりの良い峠で,雪解けが進んでいる。

 峠から西に延びる 登山道 にも雪はわずかしか残っていない。 凹んだ道に 蓋をするように雪が残っている。 アイゼンを着けているので,植物を痛めないためにも出来るだけ雪の上を歩くようにした。

 山頂方向 が見渡せる。(山頂は陰になっていて見えていない) 日当たりの良い南斜面は雪解けが進ん でいる。

 富士山 がかすかに見えた。(この写真は, 画像処理をしてコントラストをあげた もの)


 雪の上 を歩き回っている小さな昆虫を見つけた。「ユキムシ」ともいうが,正しくは 「セッケイカワゲラ」 という。セッケイカワゲラは,他のカワゲラの仲間と違い,成虫になっても羽根が生えず, 雪の上を歩き回って一生を終える。



 雪 は尾根に沿って残っている。尾根は風が強く,雪が積もらないように思うのだが,実際に はその逆で,  尾根では風が巻き込むことで多くの雪が集まり, 雪庇 が出来る。 そのため 尾根に沿って線状に雪が残る。

 右から, 太郎山,山王帽子山,於呂倶羅山,三岳  左端の遠くに 嵩薙山

 山頂に近づく と雪の量が増える。気温が上がって雪が柔らかくなってきたので,歩きにくい。日当たり の良い場所の登りではかなりの汗をかいたが, フラッドラッシュ アクティブスキン クリマブロック ロッシュジャケット の組み合わせが良かったのか,かいた汗を上手く発散させてくれ,必要以上に寒さを感じ ることはなかった。
 身体が鈍っていたこともあって,登りはきつかった。ゆっくり登ったのだが,かなりフ ラフラになって頂上にたどり着いた。

 山頂  標識が半分ほど埋まっていた。昨年4月2日の写真では,根元が見えていたので,今年 は残雪が多いことが分かる。

 昨年4月2日の写真



 山頂から少し西に行くと,見晴しの良いところがある。北方に 奥白根山 が真っ白に輝いている。手前に向かっている尾根は, 阿世潟沢 を登り詰めたところで,昨年4月2日にキクさんと歩いたところだ。

 山頂 で昼食をとり,下山にかかった。昼食用に即席麺を用意していったのだが, バテてしまって食欲が無い。  即席麺を作るのはやめにして,コンビニで買って来たおむすびを2個食べて昼食にした。
 雪の斜面 の下りでは,昨年の 奥白根山の滑落 を思い出し,怖かった。雪はかなり柔らかになっており,アイゼンを着けていても不安定 だ。

 山頂 から一時間半で 阿世潟 まで降りてきたが,足はフラフラで,小さな突起にも躓いてバランスを崩す。ここから 歌ヶ浜までの道のりが果てしなく遠く感じた。  特に,狸窪までの雪道が辛かった。雪が柔らかになっており,アイゼンを着けていても 一足毎に流れる。足の痛みが出ないことがせめてもの慰めだったが,足元だけを見つめ,黙々と歩い た。
 駐車場 に戻ったのは15時少し前。 旧イタリア大使館記念館 の公開が始まったためか,駐車場には大型バスも止まっていた。


 今日一日楽しませ苦しませてくれた 社山 が,シルエットになろうとしている。今日一日の好天に感謝

 この山行では,行き先を,迷わずに 「社山」 と決めた。特に危険なところはなく,マイペースで登れる山でありながら,眺望は抜群で, 達成感のある山だ。
 歌ヶ浜の駐車場から登り口の阿世潟まで, 中禅寺湖畔 を片道約4km 往復しなければならないことも, この山の個性 の一つで,そう思えば納得も出来る。
 社山はいつ来ても良い山だが,特にこの時期の社山は素晴らしい。 また来年この時期に来よう。

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