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大  岳

2012年(平成24年) 5月20日(日)


 登山道はありません。踏み跡も僅かです。上部の尾根には,シャ クナゲが密生していて通過が困難なところもあります。ルートファインディングに自信のない人には お勧めできません。

コース・タイム
 宇都宮(6:00) ⇒ 赤沼駐車場(7:10-朝食)
 赤沼(8:00) ⇒(低公害バス)⇒ 西ノ湖入口(8:22)
  西ノ湖入口(8:25) → 取り付き(8:30) → 1502.4m(9:10) → 1577m(9:40) → 1741m(10:23) → 大岳山頂(11:34-昼食-55) → 1741m(12:45) → 1577m(13:14) → 1502.4m(13:38) → 取り付き(14:17) → 西ノ湖入口(14:22)
 西ノ湖入口(14:34) ⇒(低公害バス)⇒ 赤沼(15:00)
 赤沼駐車場(15:20) ⇒ 宇都宮(16:30)

同行者
 単独

 奥日光 西ノ湖 の北方, ツメタ沢 柳沢川 の間に 大岳(1843.4m) と言う山がある。名前は知っていたのだが,登ろうとは思わなかった。ところが2010 年11月27日に,西ノ湖へ行こうとして乗った低公害バスで, 大岳に登る という,東京から来た中高年女性中心の6人パーティーに出会ってから,考えが変わった。 地元であまり有名でないと言うことは,それなりの理由があることで,あまり期待はできないが,一 度くらいは登っても良いかなと思っていた。登り口からの 標高差は500m ,多少のアップダウンはあるが,それほど厳しい山ではなさそうだ。もちろん 登山道はない。 踏み跡くらいはあるだろうが,これもあまり期待できない。
 この時期の 低公害バス の始発は 8:00  もっと早い時間に登り始めるため,車に自転車を積んでいって,取り付き点まで自転車 で往復しようかとも考えたのだが,帰路が苦しくなるので止めにした。
 朝6時に自宅を出て,コンビニで昼食を買い, 赤沼駐車場 に着いたのは7時少し過ぎだった。この時点では,駐車場はまだ余裕があった。

 駐車場から見える 奥白根山の頂上 は,雪解けが進んでいた。 昨年のこの時期に,菅沼から冬道を通って奥白根に登ったのだ。 (レポ)
 車の中で朝食を食べ,ゆっくりと身支度をして,8:00発のバスに乗った。

 小田代原 の「 金屏風 」は今は芽生えたばかりの若葉で「 緑屏風 」だ。

 西ノ湖入口 でバスを降りた。 西ノ湖へ向かう 「西ノ湖歩道」 をバス停から西ノ湖に向かうと,まず ミズナラ の林が現れ,続いて シラカンバ 林になり,吊り橋に近づくと カラマツ 林になる。どれも私の大好きな場所だ。

 ダケカンバの花 が下がっていた。カバノキ科の花はこのような形をしているものが多い。

 西ノ湖歩道 から,赤岩滝に向かう 柳沢林道 が別れるY字路がある。その手前が 尾根への取り付き点 だ。右側の急な尾根を登っていく。

 尾根筋は 明瞭で,迷うことはない。色が褪せてピンク色になったテープが所々に付けられているが, テープの確認できないところもあるので,テープに頼らないで,自分でしっかりとルートファインデ ィングをする必要がある。

 この斜面の傾きは概ね この程度  直登できない角度ではないが,ジグザグにコースをとって登ると楽だ。踏み跡はかなり あるが,良く見ると シカの踏み跡(獣道) が多く,登山者のトレースと重なっているものもあり,良く判断して歩かなければならな い。

 1502.4mの三角点  登山口から200mほどを40分で登ってきた。まあまあのペースで喜んだのだが,後に思わ ぬ困難が待ち受けていた。

 少し開けたところでは 風によって折られたと思われる木 が重なっていた。

 標高1700m付近から, シャクナゲが増えてきた。  徐々に密生するようになり,尾根筋を外さずに歩くことが難しくなってきた。先が見え るようなところでは,藪を漕いで進んだが,尾根筋を外して,巻かなければならなかったところもあ った。

 大岳山頂  山頂標識(山名表示)はない。 横倒しになった大きなダケカンバの幹の陰に 三角点標石 があった。山頂表示は見つからなかったが,地形とGPSでここが山頂で間違いないこと を確認した。

 山頂から見た戦場ヶ原

 山頂から中禅寺湖方面を望む  写真から分かるように,山頂からの見晴らしは殆ど無い。なるほど,この山の人気の無 いのがよく分かった。歩き始めて 3時間10分 で頂上に着いた。標高差500mの山なのに,とても疲れた。

 見晴らしの悪い山頂に腰を下ろし,昼食休憩とした。疲れすぎたのか,今日も,食欲が あまりない。 黒い雲がわき始め,陽射しの遮られる時間が長くなってきた
 休憩を短めにして 下山を開始 した。シャクナゲの密生しているところも何とか通過して,無事に降ってきたが,履いて いた CWX をブッシュに引っかけ,かぎ裂きを作ってしまった。修理に出さなければならない。
 可愛い スミレ を見つけた。斑入りの フモトスミレ だと思うが,葉の周囲と裏面に 毛が密生している ので,あるいは別の種かも知れない。


 取り付き点まで戻ってきた。 トレーニング不足 が膝に来た。左膝に痛みが出始まった。
 コミヤマカタバミ

 西ノ湖入口でバスに乗り ,赤沼駐車場まで戻った。

 結論から言って, あまりお奨めできる山ではない  山頂や途中からの展望は殆ど無く,シャクナゲも蕾は殆ど無い。強いて言えば, 他の登山者に邪魔されずに静かな山歩きを満喫できることが 唯一の長所だ。
 繰り返すが, ルートファインディングに自信のない人には,この山には登らない ほうがいい だろう。尾根筋を外さずに歩くことが原則なのだが, シャクナゲ が密生しているところがあって,巻いた方が楽なところがある。私は,途中で何度か GPS を使い,自分の進路を確認しながら進んだ。特に下山では,慎重に自分の位置と進路を確 認しないと,意図した尾根と別の尾根を降ってしまうことにもなりかねない。

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