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スイスの旅 第5日
2013年 8月4日(日)

グリンデルワルド ⇒ メンリッヘン ⇒ クライネシャイデック ⇒ ユングフラウヨッホ ⇒ グリンデルワルド

第4日 8月3日(土) へ
第6日 8月5日(月) へ


コース及び時間
 ホテル発(8:20) ⇒ グルント(ゴンドラ乗り場)着(8:25) 雨のため 9:00 まで待機
 グルント発(9:05) ⇒(ゴンドラ)⇒ メンリッヘン着(9:40)
 メンリッヘン出発(9:55) →(ハイキング)→ クライネシャイデック着(11:30)  昼食(11:40-12:20)
 クライネシャイデック発(13:00) ⇒ アイガーバント(13:20) ⇒ アイスメール(13:35) ⇒ ユングフラウヨッホ着(14:00)
 スフィンクステラス(14:10-25) プラトーテラス(15:00-15)
 ユングフラウヨッホ発(15:30) ⇒ クライネシャイデック着(16:10)
 クライネシャイデック発(16:30) ⇒ グリンデルワルド着(17:15) → ホテル着(17:30)

 ホテルは アイガー側指定 の部屋ということで,アイガーがよく見えた。朝は,まず アイガーの東壁 に陽が当たり始める。残雪が輝いて眩しい。

 ホテル の部屋には ベランダ があり,そこから,芝生の 前庭 に降りられる。庭の端まで行くと,眼下に Itramen の村が,朝日のスポットライトを受けていた。初めて見る場所なのだが,なんか懐かしい, 心の癒される風景だ。

 朝日が, ウェッターホルン の肩から昇った。


 8:20 にホテルを出て,バスで, グルント のゴンドラ乗り場まで来た。ここで, 今日のハイキングのガイドさんと合流。ガイドさんは若い日本人の女性だ。
 私は歩きながら 写真を撮る ので,いつもみんなから遅れ勝ちとなり,ガイドさんと直接話をする機会が少なくなって しまった。もっと,いろいろな花の話を 聞きたかった のだが,残念だった。

 これから行く メンリッヘン には厚い雲が懸かっている。多分,天気も荒れているだろうから,このまま行くことは止 めた方が良いようだ。ガイドさんと添乗員さんで対応を相談して,とりあえずここで しばらく待機する ことにした。

 そのうちに 強い雨 が降り出した。ひとしきり雨が降ると雨雲は通り過ぎ,青空が広がってきた。待機したの は正解だった。やはり,天気の判断は地元の人に任せるのがベストだ。

 グルント から メンリッヘン 行きの ゴンドラ・バーン に乗った。途中駅で一度ドアが開くが,そのまま乗っていると再び発車して メンリッヘン に向かう。 眼下では,放牧された肉牛が,のんびりと草を食べてる。

 窓ガラスには,まだ雨粒が残っているが, 青空が広がって きた。これから良い天気になるだろう。

 メンリッヘン に着くと直ぐに,急いで反対側に行き, ラウターブルンネンの谷 を覗き込んだ。 直ぐ下に見えるのは ウェンゲン の街だ。 ラウターブルンネン はその左奥の日陰になっているところ。

 ラウターブルンネンの谷  白い崖の上には ミューレン の街がある。

 シュタウフバッハの滝 もはっきりと見えた。水量が多いのか,落下する水の筋が,下の方まではっきりと見える。 風のあるときや水量が少ないときには,水の筋は途中で消えてしまう。


 ウェンゲン メンリッヘン を結ぶ ロープウエイ

 アイガー,メンヒ,ユングフラウ が揃って見える。

 ガイドから 今日のコース のレクチャーを受ける。スイスでは スバル車の広告 が目立つ。

 今日のコース  Tschuggen (チュッゲン) のピークを巻いて クライネシャイデック に向かう。
 ウマノアシガタ の仲間で ラヌンクス・アクリス

 イワキキョウ に近い種で  カンパヌラ・エクシサ

 ハイキング開始  雨上がりで気持ちがいい。

 タマシャジン の仲間で, フィテウマ・グロプラリイフォリウム

 タンポポ の仲間で クレピス・ビエンニス

 この花は, アルペンローゼ として親しまれているが, バラ の仲間ではなく, ミヤマキリシマ の仲間。

 この綿毛は, オキナグサの仲間 プルサティラ・アルピナ 

 この黄色い花は ブラウンクローバー という。これから茶色になる。

 これはリンドウの仲間で, ゲンチアナ・オリピクラリス

 この 水飲み場 は牛のためのもの

 ミヤマツリガネソウ  こちらでは  カンパヌラ・バルバタ

 コイチヤクソウ  こちらでは オルティリア・セクンダ

 この赤い色のリンドウは, ゲンチアナ・プンクタタ

 ヨウシュトリカブト  は  アノニトゥム・ナペルス  という

 この マンテマ の仲間を日本語で シラタマソウ と呼んでいる。

 正面に アイガー北壁 を見て歩く

 これは, イブキジャコウソウ


 この フウロソウ の仲間は, ゲラニウム・シルパティウム

 落石注意 の看板 この区間は,ガイドから 写真撮影を禁止 された。

 お花畑

 花の写真を撮っていると,どうしてもみんなから遅れてしまう。

 ミヤマツリガネソウ 白花 があった。


 タカネシオガマ は  ペディクラリス・ペルティキラタ

 この花は キキョウ科 フィテウマ・スピカトム

 この花は ユキノシタ科 サクシフラガ・アイゾイデス

 この クワガタソウ ベロニカ・カマエドリス

 この イワオウギ属 の花は, カラフトゲンゲ という和名が付いている。


 ハイキング道から, ユングフラウヨッホ スフィンクステラス が見えた。


 ユングフラウの全容 が見えた。気品のある堂々とした山だ。

 お花畑にはたくさんの花が競い合って咲いている。

 イワキキョウ に近い種で  カンパヌラ・エクシサ

 チャボリンドウ という和名がある ゲンティアナ・コキアナ

 アルペンローゼ  ローゼと言ってもバラの仲間ではなく, ツツジ の仲間

 ハクサンチドリ に似た ダクティロリザ・マクラタ
  
 ユキノシタ科 サクシフラガ・パニクラタ

 コウリンタンポポ

 トウヤクリンドウ

 イブキトラノオ

 これは,日本にはない風景だ。 岩と雪のコントラストに緑の草原とそこに咲く無数の花々 そして爽やかな空気。 ユングフラウの右に光っている三角の山は ブライトホルン と呼ばれている。いつまでも雪が残っていて,常に銀色に輝いているという。

 間違いなく,私たちは今ここにいる。

 グリンデルワルド からの登山電車が登ってきた。


 この時期は,スイス中どこに行っても ヤナギラン が満開だ。でも,ここに咲いているヤナギランは,ひと味違う美しさだ。

 ゲンティアナ・ベルナ

 クライネシャイデックに アイガー北壁の登頂ルート を示す看板があった。
 下図で, 赤=ノーマルルート1938 , 黄=ジョーンハーリン1966 , 青=日本隊 1969 , 緑=直登コース
 現在までに,ほぼ全てのルートが登り尽くされ,現在は速さを競うようになっていると いう。
 かつては2〜3日かけて登ったこの壁を最短では3時間掛からずに登るという。

 アイガー北壁の中央部左寄りに アイガーバントの窓 がある。この窓は,トンネル工事で出てきた岩屑を捨てるために開けた穴だ。現在は,登 山電車がここで停車し,窓からの展望を楽しむと同時に,登山電車乗客の高度順応を手助けする場所 になっている。

 望遠レンズで覗くと,窓はたくさんある。登山中の遭難者をこの窓から救助することも あるという。


 2本のレールの中央にもう1本のレール(ラックレール)がある 

 クライネシャイデック の駅舎。日付と気温が表示されている。 クライネ は「小さな」 シャイデック は「峠」の意味

 この電車は, ラウターブルンネン 方面から登ってきた電車

 ユングフラウ を背景にして記念撮影。


 この電車で, ユングフラウヨッホ まで登っていく

 アイガー メンヒ

 駅舎の裏の丘に, 新田次郎の墓碑 があった。

 またまた最後尾の車両だが,窓の外の景色が見られるのは, クライネシャイデック を出て, アイガーグレッシャー 駅までの僅かな間だ。

 アイスメール から見た氷河の上部

 すてきな車掌さんと


 下の方には, 氷河を歩く登山者 の姿も見えた。


 スフィンクス展望台 からは, クライネシャイデック が足元に見える。

 ヨーロッパ最長の氷河 アレッチ氷河

 ベルクハウス「Top of Europe」 の屋根が岩から尽きだしている。その向こうの プラトーテラス にもたくさんの人が見える。

  ユングフラウ はこの角度から見ると,嶮しい岩山だと言うことがよく分かる。

 北方の, クライネシャイデック方面 へ下る氷河は短い。

 望遠レンズで見ると, クライネシャイデック がよく見える。

 ユングフラウ鉄道 は,全長9.3km,3相交流50Hz1125V,軌間1000mm,シュトループ式のラックレールを採用し たラック式鉄道で,最大傾斜は250パーミル。つまり1000m走って250m登る傾斜だ。日本にはこれだ けの傾斜のある鉄道はない。
 この線の設計者は A.G.ツェラー で,ヨッホ駅構内に彼の ブロンズ像 がある。

 氷のトンネルを通って,氷の広場 プラトーテラス

 プラトーテラス からは,岩から突き出した ベルクハウス「Top of Europe」 の窓と,その上に スフィンクス展望台 が見える。

 ユングフラウヨッホ駅 は, ヨーロッパ最高地点にある鉄道駅 だ。

 クライネシャイデックに戻ってきた。ここで電車を乗り換えて グリンデルワルト に戻る。

 グリンデルワルト村 は長野県 安曇野村 と姉妹都市を締結していたが,安曇野村が松本市に合併されたので,いまは,松本市と姉 妹都市になっている。

 グリンデルワルド の駅舎

 下の写真 は, 1989年 にここグリンデルワルドを訪れたときに写したスナップの1枚だ。どこで撮したのか記憶 はなかったが,その場所を見つけることができた。 後ろに写っている出窓に特徴があり,直ぐに分かった。 24年前の場所がそのままに残っており,とても懐かしく嬉しかった。




 夕食は,ツアーには入っていなかったが,みんなで相談して ピザ を食べることにした。このホテルのレストランはピザが美味しく,わざわざピザを食べに 来る人も多いという。添乗員の林さんが,言葉の不自由な我々をサポートし,注文の手助けをしてく れた。


 スイスに来てから,ずっとワインを飲んできたのだが,今日はやはり 生ビール

 アイスコーヒー はスイスには無いと聞いてはいたのだが,Kさんが試しに注文してみた。 やってきたのは, コーヒーの上にアイスクリームが載ったもの。コーヒーフロートだ。日本でもそうだが, アイス アイスクリームの略称 なのだ。

 アルコールが強くない妻が,気に入っているのが 「リベラ」。 乳清を原料とした微炭酸の飲み物で,日本にはない飲み物だ。 でも妻は,少し甘みが強 すぎると言っている。

 3夫婦6人でテーブルを囲んだ 。ピザは2枚を注文して6人で分けて食べた。もっと食べたいと思うくらい美味しかった のだが,やはり,これで十分だった。

 東にある ウェッターホルン に西日が当たって輝きだした。明日も良い天気になるだろう。


 今日は,盛りだくさんの内容で,充実した一日だった。
 今日のハイキングのために,昨日のうちに土産物店で日本語で書かれた 「スイスアルプス 高山植物ポケットガイド」 という本を購入した。良く書かれている本で,かなり参考になった。もちろん,日本では 見たことのない花が多かったが,中には,日本で咲いている花と殆ど同じものもあって,面白かった。
 ただ,雨のために出発が遅れた分を取り返そうとしたのか, ガイドの歩くスピードが速く ,写真を撮っているとどうしても遅れてしまう。仕方のないことなのだろうが,もう少し ゆっくりと花を見て,ガイドの詳しい説明を聞きたかった。それだけが心残り。

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