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尾 瀬 沼

2014年(平成26年) 7月23日(水)


コース・タイム
 宇都宮(4:30) ⇒ 大清水(6:35-50) ⇒(シャトルバス) ⇒ 一ノ瀬(7:00-朝食)
  一ノ瀬(7:25) → 石清水(7:55-8:00) → 三平峠(8:50-56) → 三平下(9:13-33) → 大江湿原平野長蔵墓所(10:16-25) → 長蔵小屋(10:35-昼食-11:12) → 三平下(11:31-33) → 三平峠(11:56-12:00) → 一ノ瀬(12:50)
 一ノ瀬(13:12) ⇒(シャトルバス)⇒ 大清水(13:22)   大清水(13:27) ⇒ 寄居山温泉(13:54-14:45) ⇒ 金精峠(15:18) ⇒ 宇都宮(16:40)

同行者
 妻

 尾瀬の 大江湿原 ニッコウキスゲ が見頃だと言うので,見に行くことにした。6月27日の 雄国沼 以来,2回連続で ニッコウキスゲ の見物となった。
 宇都宮 を4時半に発って, 大清水 に着いたのは6時35分。早朝の国道は空いており,ほぼ2時間で到着した。

 大清水では,群馬県が 尾瀬入山口交通環境整備事業 の社会実験として, 大清水-一ノ瀬間の無料バスの運行 を行っている。この社会実験は数年前から行っていたのだが,今回初めて乗せてもらうこ とにした。


 車は, 「低公害車」 ということで,トヨタの エステマハイブリッド が使われていた。2〜3台で運行していると言うが,休日などは混雑していて乗れないこ ともあるようだ。今日は平日と言うことで,直ぐに乗ることができた。  と言うことで,大清水で朝食を食べて出発する予定だったのだが,バスが出発するとい うので朝食は食べずに,バスに乗り込んだ。

 一ノ瀬の休憩所まで,約10分で着いた。 休憩所のベンチで朝食 を食べて出発した。 いつ見ても, 一ノ瀬橋 の立派なことには驚く。今は中止されたがかつて 福島県と群馬県を結ぶ大きな道路 が建設される計画があり,その一部になるはずだったのだ。

 一ノ瀬から山道に入り,冬路沢沿いに登っていく。 トリアシショウマ の白い花が咲いていた。

 小さな木の橋で 冬路沢 の対岸に渡ってさらに登っていく。

 更に15分ほど登ると湧き水がある。 「岩清水」 と名付けられた湧き水で,道路工事が行われる前には, 大きな岩盤 から水が湧き出ていたと言う。冷たくてとても美味しい水だ。この水で珈琲を入れて飲ん だこともある。


 岩清水から30mほど進むと,かつての 車道の跡 に出る。ここにはベンチがあっていい休憩ポイントだったのだが,ベンチは朽ち,足元に は水が溜まっていた。ここからは一気に稜線まで登る。

 ノリウツギ

 ナナカマド が緑色の実を付けていた。

 ゴゼンタチバナ は,花の終わっているものが多かった。

 岩清水から50分で 三平峠 に着いた。稜線に出てからは,傾斜は緩くなるが,ダラダラ登りが続き,意外と時間がか かる。

 三平峠を後にして,尾瀬沼を目指して斜面を下った。 この木道 は,濡れていると滑って危険なのだが,今日はその心配は要らない。

 尾瀬沼畔の 三平下 には 「尾瀬沼山荘」 とそこが経営する 休憩所 がある。

 休憩所の前まで来ると,「急いで建物の中に入って」という。 荷揚げのヘリ がやってくるのだという。休憩所に入って窓越しに 荷下ろし の様子を見た。ヘリの風圧は強烈で,しめたガラス戸が大きく揺すられ,今にも外れそう だった。

 荷下ろしした後は,そのロープに,空のプロパンガスボンベなどをつり下げて帰ってい った。

 ヘリは, 燧ヶ岳の西 に向かって飛んでいった。燧ヶ岳の西を廻り 御池 まで行くのだろう。かつて,御池の駐車場に行ったとき,その西側半分くらいが,ヘリの 荷揚げ基地になっていたことを思い出した。

 休憩所の前にはたくさんのベンチが用意されている。 かつては,ベンチからも 燧ヶ岳 が見られたのだが,今は水際まで行かないと見えない。

 少し休んでから 大江湿原 を目指して歩き出した。木道が新しいものに架け替えられていた。 「ユニバーサル歩道」 と言って,戦場ヶ原でも新しい歩道は全てこのスタイルになっている。車いすでも通れる 事を目指しているとも言われているが,段差があり,それは無理。返って 歩きにくくなった という声も聞こえる。団体さんなどは, 木道いっぱいに広がって 歩いてきて,すれ違うのに苦労する。もっとも,これは構造の問題ではなく,マナーの問 題なのだが。

 木道には 「環H25」 と焼き印があり,平成25年度に 環境省直轄の事業 として設置したことを示している。木道工事は,かつては,県の事業に環境省が補助をす る形を取っていたが,最近では,環境省が直接工事をしているようだ。

 ここから見る 燧ヶ岳 はいつ見てもすばらしい。秋の燧ヶ岳も美しいし,凍り付いた尾瀬沼の対岸に聳える真っ 白な燧ヶ岳も荘厳で大好きだ。

 湿原の中に紫色の花を見つけた。 サワラン だ。 サワランは尾瀬では アサヒラン と呼ばれているが, ラン科サワラン属 の花で,本州中部以北,北海道,南千島に分布し,高地の湿原のミズゴケの中に自生する。 このサワラン属は 日本固有の属 で貴重な花だ。幸いなことに,尾瀬にはまだたくさん残っているので,大切にしたい。花 は満開でもこの程度で,あまり大きくは開かない。


 オオレイジンソウ 大伶人草 と書く。 キンポウゲ科トリカブト属 の花で,花の形はトリカブトに似ている。


 長蔵小屋 平野長蔵 が1910年に尾瀬沼(沼尻)に初めて建てた山小屋で,この建物は 1934年(昭和9年) に建てられた。建築以来80年も経っている。一年のうち5ヶ月も雪に閉ざさせる場所で, 木造家屋を維持するのは大変なことだ。

 長蔵小屋の前には(多分植えられたものだと思うが) ヒメサユリ が咲いていた


 小屋の前を素通りして 大江湿原 に向かった。ニッコウキスゲが満開だった。

 カラマツソウ も咲いていた。

 平野長蔵の墓所 は,長蔵小屋を眺められる 「ヤナギランの丘」 と呼ばれる小高い丘にある。
 長蔵の墓石 の横に短歌が彫られていた。

 ひらかむと
 心つくして
 をせのぬに
 鳴く水鳥の
 謦をききつつ

 尾瀬沼山人

  ヒオウギアヤメ

 ノアザミ と燧ヶ岳

 ワタスゲ もまだ残っていた。

 尾瀬沼のシンボルツリー 「三本唐松」 とニッコウキスゲ

 今年の ニッコウキスゲ は大当たりだった。シカに食べられた跡も殆どなかったことから,シカ対策が効果を上げ てきたのかとも思う。

 売店前で早めの昼食にした。売店のコーヒーを飲んでみたが,美味しかった。
 環境省の ライブカメラ に写ろうと,11時12分までベンチの角に立っていたが,カメラの位置が低くなったた めに,売店のベンチにいたのでは写らないことが,帰宅してからの画像チェックで分かった。ちなみ に,撮影時刻は毎時03分だった。

 ヤマオダマキ

 尾瀬沼の対岸に近い方に ボートが浮かんでいた。 何かの調査をしているらしい。

 かなり痛んではいるが, キヌガサソウ を見つけた。

 一ノ瀬 に着いたとき,シャトルバスが出発するところだった。戻ってくるまで約20分待って次 の発車に乗ることができた。
 待つのが嫌なのか,歩くことを目的にしているのか,バスを待たずに歩いている人も何 人かいた。大清水の駐車場の車は,朝よりも少し増えていた。



 帰路,鎌田の 「寄居山温泉センター」 に寄って汗を流して帰った。最近では,日帰りの山行では,温泉に入らずに帰ることも多 く,温泉に入るのは久しぶりだった。
 帰路も,車の数は多くなく,スムーズに走ることができた。


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