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奥 白 根 山

2015年(平成27年) 5月11日(月)


コース・タイム
 宇都宮(4:25) ⇒ 菅沼登山口駐車場(6:05-朝食)
  登山口(6:15) → (冬道) → 弥陀ヶ池(8:35) → 山頂(10:10-昼食-40) → 弥陀ヶ池(11:55) → (冬道) → 登山口(13:15)
 登山口駐車場(13:20) ⇒ 宇都宮(14:45)

同行者
 単独

 この時期に 奧白根山 に登るのは,2011年,2013年,に続いて今回で三度目だ。 2011年 には5月15日に冬道を往復したが,雪が腐っていて,難渋した。 2013年 には5月18日に登ったが,もう冬道は諦めて,夏道を往復した。今年は,奥日光の雪解 けは早いというので,もう冬道は通れないかもしれないと半ば諦めていた。
 いろは坂の明智トンネルを出たところから 奧白根山 が見えるのだが,雪解けが進んでいるように見えた.。

  菅沼の駐車場 に着いたのは6時少し過ぎ。停まっていた車は1台だけ。中に人影はなかった。すでに出 かけたのか,あるいは前日に登って,避難小屋に泊まったのか。
 出かける準備をしているうちに新しく3台の車がやってきて,出発するときには全部で 5台 になっていた。隣の車のご夫婦も準備を終えたようだったが,私の方が一足早く歩き出し た。



 今日の服装はボトムは CWX 夏用のトレッキングパンツ 。トップは, アクリルの長袖シャツに ,半袖Tシャツ を重ねた。靴は, 冬用のZAMBELON PERMO を履き, シャルレ 12本爪アイゼン を持った。 ピッケル ダブルストック をザックに付けスタートした。 
 途中で,冬ルートの 座禅沢 が見える。やはり雪解けは進んでいる。しかし,今朝の登山口の気温は氷点下2度まで冷 え込んだ。気温が上がらないうちに登れば,雪が締まっていて歩きやすいだろう。夏道を行こうか冬 道を行こうかまだ迷っていた。


 登山口の看板 正面やや右寄りの, 日陰になっている沢 が冬コースの 座禅沢 だ。


 予想したとおり 雪は締まっていて歩きやすい。まだアイゼンは付けなくても大丈夫だ。


 冬道と夏道の分岐 までやってきた。とりあえずここで アイゼン を付けた。今日は 12本爪 を持ってきている。アイゼンを付けているうちに,先ほどのご夫婦が追いついてきた。こ のご夫婦は 冬道 を行きたいというので,私も決心して冬道を行くことにした。


 この冬道 が,通れなくなる理由は二つある。 一つは  雪がゆるんできて滑落の危険があることで, もう一つは落石の危険が増す ことだ。沢の下部には,危険な崩壊地がたくさんある。


 崖の上から落ちてきた大小の岩が雪の上に載っている。 雪の上に載っていると いうことは,比較的最近落ちてきたということだ。


 連休中 にたくさんの人が登ったと見えて, 無数の足跡 があった。でも,まだ雪は締まっていて潜らず,歩きやすい。傾斜は徐々にきつくなり, 一歩ずつのスローペースで登った。みるみる高度が稼げるのは,大変さを差し引いても快感だった。

 急だった斜面の傾斜が緩やかになると,正面の立木の向こうに 奧白根山のドーム が見えてくる。


 弥陀ヶ池 に着いた。 池の向こうに 奧白根山ドーム  確かに雪解けが進んでいる。


 弥陀ヶ池 も,三分の一ほどは水面が顔を出している。


 昨年までは気づかなかったのだが, 弥陀ヶ池 の中央部に 変色帯 が現れていた。 水中のプランクトン が着色の原因と考えられている。

 雪が残っていればこの斜面を直登できる。よく見ると,なんとか上の段まで雪が繋がっ ている。先行者のトレースもあるので,今日は ここを直登する ことにした。

 文字通り 「直登」 だ。まだ雪もかなり締まっているので,安全には問題はない。

 立ち止まり,登ってきたコースを 振り返った  改めてその 傾斜 の大きさに驚く。転倒したら大ごとになる。

 斜面を登り切って 夏道 に合流した。早速,北方の山が目に飛び込んできた。これは 燧ヶ岳

 これは 会津駒ヶ岳


 もっと上に行けばもっといい景色が見られることは分かっていたのだが,待ちきれずに カメラのシャッターを押した。
 パノラマ写真 (写真をクリックすると山名の入った大きな写真が見られます。)


 写真を撮りながら休憩して,更にガレた斜面を登る。斜面の下の方は傾斜はあまりない が,だんだんと傾斜が急になってくる。私と妻が 剣岳 に登ったとき, 浮き石を落とさないように歩く練習をした のがこの斜面だ。この斜面の上部には雪渓が遅くまで残り,前回も前々回もアイゼンを付 けて登った。しかし今回は歩くところには雪は全くなく,ノーアイゼンで問題なかった。

 ガレた沢 を上り詰め,尾根に出ると,まもなく頂上だが,ここからの僅かな登りが意外と堪える。 焦らず,ゆっくりと登るのがコツだ。このピークを登ると頂上が見える。


 この標識の向こうに 山頂 が見える。


 奧白根山山頂  この山頂標識は,もともと別の所に立っていた。


 奧白根山頂には 二等三角点 がある。奧白根山は,意外と知られていないようだが, 関東地方の最高地点 なのだ。さらに, これより北に(北海道を含めて)奧白根山より高い山はない。

 この岩が 最高地点 なので, 山頂標識は昔からここに立っていた  想像するに,この岩の向こうは切り立った崖になっており,写真を登るために登った人 が落ちると大変だからということで動かされたのかもしれない。確かに,最近は,丸沼からロープウ エイ経由で登ってくる人が増え,中には観光気分で来る人もいるようだから,安全策をとったのかも しれない。ロープウエイ方向を示す案内標識がやたらと増えているのも気になったところだが。


 高い山に来ると無意識に 富士山 を探す。今日は きれいな富士山 に会うことができた。 富士山 は,残雪の姿が最も美しい。絵画に描かれるのもこの姿が多い。

 山頂の 旧火口 には,雪解けの時だけ水がたまって 「釜沼」 が姿を現すことがある。残念ながら今年は見られなかった。

 後から登ってこられた先ほどのご夫婦にカメラのシャターを押してもらった。


 再び パノラマ写真 (写真をクリックすると山名の入った大きい写真が見られます。)


 雪が柔らかになる前に冬道を下りたい から,長居をせずに山頂を後にした。
 途中, ダケカンバ の枝越しに見た 会津駒ヶ岳

 弥陀ヶ池 まで,登りに辿った直登コースを下ることも考えたのだが,雪がかなり柔らかになってき たこともあり,安全を考えて,弥陀ヶ池までは 夏道に沿って下る ことにした。 座禅山 との鞍部から 弥陀ヶ池 に下る。


 弥陀ヶ池の北端から 奧白根山ドーム を振り返った。


 雪が柔らかになっていたら,この下も,安全のために夏道を降りようと思っていたのだ が, 雪面は予想以上に締まっている。  これならば安全に降りられると判断して, 冬道を下る ことにした。


 斜面の傾斜 は,登るときよりも降るときの方が急斜面に感じる。実際の傾斜は,真横を撮すと分かる。

   二股 を振り返る。右の谷を降りてきた。左の沢を詰めると,弥陀ヶ池に行かずに直接に五色沼 の方に行くことができる。 


 落石地帯 は緊張させられる。コトコトと音を立てて岩が落ちてくる。5cmほどの石だが,足下ま で転がってきた。聞き耳を立て,目をキョロキョロさせながら大急ぎで通過した。今度くるときには ヘルメット が必要だな。


 無事,駐車場まで戻ってきた。 弥陀ヶ池 から1時間20分だったが,このタイムは無雪期と同タイムかむしろ短いタイムだ。

 相変わらず登山口は携帯電話が繋がらない。 金精トンネル を抜けたところで車を停め,自宅に電話して無事下山を伝えた。
 最近の山行は天気に恵まれることが多い。といっても,毎日が日曜日の我が身, 天気予報を吟味して 出かけているから当然なのかもしれないが,おかげさまで楽しい思いをさせてもらってい る。

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